【AI落語】幽霊こわい(新作落語)
いやぁ、最近は夏でもないのに怪談話が流行ってるみたいですねぇ。
私もひとつ、江戸の怖がりな男の話でも創作してみましょうか。
まぁ、私の話なんざ幽霊も逃げ出すくらい怖くないかもしれませんがね。
長屋の夕暮れ
江戸は神田の裏長屋。
夕暮れ時になると、熊さん、八っつぁん、与太郎の三人が、いつものように井戸端に集まって世間話に花を咲かせておりました。
この日も、近所で起きた不思議な出来事なんぞを話していたんですが、話題が幽霊の話になりました。
熊さん「そういやぁ、隣町の質屋の前で白い着物の女が出るって話、知ってるか?」
八っつぁん「おう、聞いた聞いた。夜中に通ると、すーっと現れて、『私の簪を返して…』なんて言うんだろ?」
与太郎「へぇ〜、そりゃあ怖いねぇ」
すると、いつもは威勢のいい源さんが、急に青い顔をして震え出しました。
源さん「や、やめてくれよ!俺は幽霊がこわいんだ!」
意外な告白
三人は顔を見合わせました。
源さんといえば、喧嘩っ早くて有名で、この界隈じゃ「神田の暴れ源」なんて呼ばれてる男です。
熊さん「おいおい、源の字。お前さんが幽霊こわいって、そりゃあないだろう」
源さん「い、いや、本当なんだ。俺は小さい頃から幽霊だけはダメなんだよ」
八っつぁん「へぇ、あの喧嘩源が幽霊こわいとはねぇ。じゃあ、墓場なんか行けないだろ?」
源さんは激しく首を振りました。
源さん「と、とんでもない!墓場なんて、考えただけでも震えが止まらねぇ」
与太郎「でもさ、源さん。この前、夜中に一人で吉原まで行ったじゃないか」
源さん「あ、あれは違うんだ。吉原は人がいるからいいんだよ。でも幽霊は…」
度胸試しの提案
熊さんがニヤリと笑いました。
熊さん「なぁ、みんな。源の字がそんなに幽霊がこわいってんなら、ひとつ度胸試しでもしてみねぇか?」
八っつぁん「おお、それは面白い。どうする?」
熊さん「簡単さ。今夜、みんなで谷中の墓場に行くんだ。源の字が本当に幽霊がこわいかどうか、確かめようじゃねぇか」
源さんは真っ青になって立ち上がりました。
源さん「や、やめろ!俺は絶対に行かねぇぞ!」
与太郎「なんだ源さん、口だけか?本当は幽霊なんて平気なんだろ?」
源さん「ち、違う!本当にこわいんだ!頼むから、やめてくれ!」
無理やり墓場へ
しかし、三人は源さんの腕を掴んで、無理やり谷中の墓場へと連れて行きました。
月明かりに照らされた墓石が、不気味な影を作っています。
源さん「ひぃぃ!や、やっぱり帰ろう!」
熊さん「なに言ってんだ。せっかく来たんだから、ちょっと奥まで行ってみようぜ」
一行は墓場の奥へと進んでいきました。
風が吹くたびに、木の枝がカサカサと音を立て、源さんはびくびくと震えています。
八っつぁん「おい、源の字。あそこに白い影が見えねぇか?」
源さん「ぎゃあああ!ど、どこだ!」
与太郎「あれ?今、向こうの墓石の陰で何か動いたような…」
源さんは完全に腰が抜けて、その場にへたり込んでしまいました。
恐怖の絶頂
そのとき、墓場の奥から白い着物を着た女がゆらゆらと現れました。
髪は長く垂れ下がり、顔は青白く、まさに幽霊そのものです。
幽霊「うらめしや〜〜〜」
熊さん、八っつぁん、与太郎の三人も、さすがにぎょっとしました。
熊さん「お、おい、ありゃあ本物じゃねぇか?」
八っつぁん「に、逃げろ!」
三人は一目散に逃げ出しました。
しかし、源さんだけは腰が抜けて動けません。
源さん「た、助けてくれぇ!」
幽霊はゆっくりと源さんに近づいてきます。
幽霊「そなた…私の顔を見たな…」
源さん「ひぃぃぃ!み、見てません!何も見てません!」
意外な展開
幽霊はさらに近づいてきて、源さんの目の前に立ちました。
源さんは目をぎゅっとつぶって震えています。
すると、幽霊が口を開きました。
幽霊「源さん…」
源さん「は、はい!」
幽霊「今夜はご苦労様でした。約束の金子、ここに置いておきますよ」
チャリンと小判の音がしました。
源さん「へ?」
目を開けると、幽霊と思っていたのは、白粉を塗った近所の芸者・小春でした。
小春「いやぁ、源さん。あんたの演技、迫真でしたよ。これで三人とも、すっかり騙されたね」
源さん「へへへ、どうも。でも小春姉さん、ちょっと怖すぎやしませんか?」
小春「なに言ってんの。あんたが『もっと怖く、もっとリアルに』って言ったじゃないの」
真相
翌朝、熊さんたち三人は、昨夜のことを長屋中に触れ回っていました。
熊さん「いやぁ、源の字の腰抜けぶりったらなかったぜ。本物の幽霊が出た時なんか、完全に動けなくなっちまってよ」
八っつぁん「俺たちが逃げた後、どうなったんだろうな」
与太郎「まさか、取り憑かれちまったんじゃ…」
そこへ、源さんが鼻歌を歌いながら現れました。
懐には小判がじゃらじゃら。
源さん「おう、おはよう。昨夜は怖い思いをさせちまって悪かったな」
熊さん「源の字!無事だったのか!」
源さん「当たり前よ。俺は子供の頃から、幽霊だけは全然怖くねぇんだ」
三人「はぁ?」
源さん「だってよ、幽霊なんて出るわけねぇじゃねぇか。いるのは人間だけさ」
八っつぁん「じゃあ、昨日のあれは…」
源さん「ああ、実はな…」
と、源さんは昨夜の一部始終を話し始めました。
実は、源さんは三人が度胸試しを仕掛けてくることを予想して、あらかじめ小春と示し合わせていたのです。
与太郎「なんだって!じゃあ、最初から芝居だったのか!」
源さん「へへへ、お前らが俺をからかおうってんで、逆にひと芝居打ったのさ」
オチ
熊さんは悔しそうに言いました。
熊さん「ちくしょう、してやられた。でも源の字、なんでそんな手の込んだことを?」
源さん「実はな、お前らに賭けをさせようと思ってたんだ。『源が本当に幽霊を怖がるかどうか』ってな」
八っつぁん「賭け?」
源さん「ああ。で、お前らが『怖がる』に賭けて、俺が『怖がらない』に賭ける。まあ、結果は見ての通りさ」
与太郎「なるほど、それで小判が…」
源さん「いや、これは小春姉さんへの手間賃を払った残りでな」
熊さん「じゃあ、お前が本当に怖いものって何なんだ?」
源さん「そりゃあ決まってるじゃねぇか」
三人「何だ?」
源さん「借金取りよ。あいつらは幽霊と違って、昼間でも追いかけてきやがる」
まとめ
というわけで、今回は「まんじゅうこわい」をモチーフに、幽霊を題材にした新作落語をお届けしました。
まさか借金取りが一番怖いとは、現代にも通じる恐怖ですね。
確かに幽霊は夜だけですが、借金取りは24時間営業ですからね(笑)。
今回の出来は…うーん、65点くらいでしょうか。
オチはまあまあ決まったけど、もうちょっと意外性が欲しかったかな。
でも、古典落語の構造を使って新しい話を作るのは、なかなか楽しいものです。
他のAI落語も、ぜひ読んでみてくださいね。
それぞれに違った「こわいもの」が出てきますよ。


