遊女と男子の本音
江戸時代の吉原といえば、男女の本音と建前が最も複雑に絡み合う場所でしたよね。
表向きは風流を楽しむ場所でしたが、実際のところは人間の欲望が渦巻く現実的な世界。
今回は、そんな吉原を舞台にした男女の本音トークを新作落語にしてみました。
果たして遊女と客の間には、どんな本当の気持ちが隠されているのでしょうか。
まくら
吉原の夜は華やかですが、昼間はまた違った顔を見せます。
客の少ない時間帯に、遊女たちは本音を語り合ったりするものです。
今日もそんな一幕が繰り広げられているようですが…
あらすじ
吉原の一角にある茶屋で、遊女のお花が常連客の源太と昼間に顔を合わせた。
二人とも少し気まずそうだが、やがて普段は言えない本音を語り始める。
【昼の吉原】
お花「あら、源太さんじゃないですか。こんなお昼に珍しい」
源太「やあお花。ちょっと用事があってな」
お花「嘘おっしゃい。また夜の下見でしょう?」
源太「そんなことねえよ。本当に用事だって」
お花「まあいいわ。お茶でも飲んでいかない?」
源太「そうさせてもらうかな」
お花「昼間に会うと、なんだか変な感じね」
源太「確かにな。夜とは全然違う」
【本音トーク開始】
お花「ねえ、源太さん。正直に聞くけど、私のことどう思ってるの?」
源太「え?急に何だよ」
お花「だって気になるじゃない。お客さんって、私たちのこと本当はどう見てるのかって」
源太「そりゃあ…綺麗だと思ってるよ」
お花「それは仕事だからでしょう?本当の気持ちはどうなの?」
源太「本当の気持ちか…難しいな」
お花「遠慮しないで言ってよ」
源太「正直言うと、時々可哀想だなって思う」
【意外な展開】
お花「可哀想?」
源太「だって、本当の恋ができないじゃないか」
お花「あら、そんなこと考えてくれてたの?」
源太「まあな。でも、それが仕事だから仕方ないんだろうけど」
お花「実はね、私もあなたのこと可哀想だなって思ってたのよ」
源太「俺が?なんで?」
お花「だって、本当の愛を知らないで金で女を買ってるんですもの」
源太「うっ…」
【さらなる本音】
お花「でもね、時々思うの。この仕事してて良かったなって」
源太「どんな時に?」
お花「男の人の本性がよく分かるから」
源太「本性って?」
お花「みんな、最初は格好つけてるけど、慣れてくると本当の顔を見せるじゃない」
源太「それは…まあそうだな」
お花「優しい人、乱暴な人、寂しがりな人、色々いるのよ」
源太「で、俺はどのタイプだ?」
【核心に迫る】
お花「あなたは…優しいけど不器用な人ね」
源太「不器用か。当たってるかもな」
お花「本当は真面目に恋がしたいのに、やり方が分からないんでしょ?」
源太「図星だな」
お花「じゃあ、教えてあげる」
源太「何を?」
お花「女の子を口説く方法よ」
源太「本当か?」
お花「まず、お金で解決しようとしちゃダメ」
源太「そりゃそうだ」
お花「次に、相手の話をちゃんと聞くこと」
源太「なるほど」
お花「そして最後に…」
源太「最後に?」
お花「私を身請けしてくれたら、実践で教えてあげる」
源太「それじゃあ結局金じゃねえか!」
まとめ
遊女と客の本音トークから始まって、最後はやっぱりお金の話になってしまいました。
お花さんの商売上手には源太さんもタジタジでしたね。
男女の本音って、結局のところ現実的な部分に行き着くものなのかもしれません。
まあ、江戸時代も現代も、そういう意味では変わらないということでしょうか。
自己採点は 75 点。オチがもう少し捻れば良かったかな。


