与太郎のカラオケ体験
現代の娯楽の代表格、カラオケですが、与太郎が体験したらどうなるでしょうか。
今回は、そんな与太郎のカラオケ初体験を大正時代風の言葉でお届けします。
歌と機械の組み合わせに、与太郎がどう反応するか、楽しみですね。
与太郎の現代娯楽との遭遇
江戸時代の与太郎が現代のカラオケと出会うお話です。
あらすじ
与太郎が友人に誘われて、カラオケボックスに行くことになった。
友人「与太郎さん、一緒にカラオケしませんか」
与太郎「カラオケ?なんでございますか、それは」
友人「歌を歌う遊びです」
与太郎「歌でございますか。それは楽しそうですな」
友人「機械に合わせて歌うんです」
与太郎「機械?」
友人「音楽が流れるんです」
与太郎「なるほど、からくり人形のようなものですな」
カラオケボックスに着くと、店員が案内してくれた。
店員「こちらのお部屋になります」
与太郎「部屋?」
店員「個室になっております」
与太郎「なんと、個室とは贅沢ですな」
部屋に入ると、テレビとマイクがあった。
与太郎「これは何でございますか」
友人「テレビです。画面に歌詞が出るんです」
与太郎「歌詞?」
友人「歌の文句です」
与太郎「なるほど。それで、この棒は何でございますか」
友人「マイクです。これで歌うんです」
与太郎「マイク?」
友人「声を大きくしてくれるんです」
与太郎「声を大きく?」
友人「そうです。試してみてください」
与太郎はマイクを手に取った。
与太郎「もしもし」
すると、与太郎の声が大きく響いた。
与太郎「おお、確かに大きくなりますな」
友人「今度は歌を歌ってみてください」
与太郎「歌?何を歌えばよろしいでしょうか」
友人「好きな歌を選んでください」
与太郎「好きな歌?」
友人「この機械で選べます」
与太郎は機械の画面を見た。
与太郎「たくさん文字が出ておりますな」
友人「歌の名前です」
与太郎「歌の名前?」
友人「『桜』とか『花』とか」
与太郎「なるほど」
与太郎は適当にボタンを押した。
すると、現代の流行歌が流れ始めた。
与太郎「これは何の音楽でございますか」
友人「演歌です」
与太郎「演歌?」
友人「歌の種類です」
与太郎「なるほど。でも、この音楽は聞いたことがございませんな」
友人「現代の歌です」
与太郎「現代?」
友人「新しい歌です」
与太郎「新しい歌でございますか。それでは、知らない歌は歌えませんな」
友人「歌詞が出ますから、読んで歌えばいいんです」
与太郎「読んで歌う?」
友人「そうです」
与太郎は画面を見ながら歌おうとしたが、メロディーがわからない。
与太郎「♪なんとか〜、かんとか〜」
友人「違います。メロディーに合わせて歌ってください」
与太郎「メロディー?」
友人「音楽のリズムです」
与太郎「リズム?」
友人「そうです。音楽に合わせて歌うんです」
与太郎「なるほど。では、こうでございますか」
与太郎は今度は、まったく違うメロディーで歌い始めた。
与太郎「♪桜散る〜、春の風〜」
友人「それは全然違う歌です」
与太郎「違う歌?」
友人「画面の歌詞を見てください」
与太郎「歌詞を見る?」
友人「そうです」
与太郎は画面をじっと見つめた。
与太郎「文字が動いておりますな」
友人「歌に合わせて色が変わるんです」
与太郎「色?」
友人「歌うタイミングを教えてくれるんです」
与太郎「なるほど、親切でございますな」
今度は、与太郎は画面を見ながら歌おうとした。
与太郎「♪なんとか〜、かんとか〜」
やはり、メロディーが全く合わない。
友人「与太郎さん、音楽を聞いてください」
与太郎「聞いております」
友人「音楽に合わせて歌うんです」
与太郎「音楽に合わせる?」
友人「そうです」
与太郎「なるほど。では、このからくり(空)オケは、からっぽ(空っぽ)オケでございますな」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
江戸時代の与太郎が現代のカラオケと出会うという設定で、現代娯楽への理解不足を大正時代風の言葉で表現してみました。
オチの「からくりオケ」と「からっぽオケ」は、カラオケと与太郎の歌唱力をかけた言葉遊びです。
与太郎の音楽センスのなさが面白く描けたでしょうか。
今回は72点くらいでしょうか。


