酔っ払い迷信
またも新作落語を作ってしまいました。
酔っ払いと迷信という、どちらも落語の定番ネタを組み合わせてみました。
相変わらずの安直さですが、まあ聞いてやってください。
酒を飲むと見える不思議なもの
あらすじ
迷信深いことで有名な甚五郎が、酔っ払いの権助に出会った。
甚:「権助さん、また飲んでるんですか」
権:「おう、甚公じゃねえか。一杯どうだ」
甚:「私は酒は飲みません。亡くなった祖母が、酒は魔物だと」
権:「魔物?そりゃ面白え。実はな、酒を飲むと不思議なものが見えるんだ」
甚:「えっ、本当ですか」
権:「ああ、でもお前みてえに迷信深い奴には教えられねえな」
—
甚:「教えてください!私、そういう話大好きなんです」
権:「しょうがねえな。実はな、酒を三合飲むと幽霊が見えるんだ」
甚:「ゆ、幽霊が!」
権:「そうだ。最初はぼんやりと、だんだんはっきり見えてくる」
甚:「それは…怖いけど見てみたい」
権:「じゃあ、ちょっと試してみるか」
—
甚五郎は恐る恐る酒を飲み始めた。
甚:「一合…まだ何も見えません」
権:「まだまだ、もっと飲め」
甚:「二合…あれ、なんか景色がゆらゆらして」
権:「それだ!もう少しだ」
甚:「三合…おお、確かに何か見える!」
権:「どんな幽霊だ?」
甚:「なんか…人が二人いるような…」
—
権:「二人?俺は一人しかいねえぞ」
甚:「いや、権助さんが二人見える」
権:「それはお前が酔っ払って、物が二重に見えてるだけだ」
甚:「えっ?じゃあ幽霊は?」
権:「そんなもん、最初から見えるわけねえだろ」
甚:「騙したんですか!」
—
甚:「でも待てよ。四合飲んだらどうなるんだ」
権:「やめとけ、それ以上は」
甚:「いや、試してみる!」
甚五郎はさらに一合飲んだ。
甚:「おお、今度は権助さんが四人に!」
権:「だから、それは酔いが回って」
甚:「これは大発見だ!酒を飲めば飲むほど人が増える!」
権:「違う、そうじゃねえ」
—
甚:「みんなに教えなきゃ!酒を飲むと人が増えるって!」
権:「おい、待て!」
甚五郎は千鳥足で走り出した。
甚:「大変だ!このまま飲み続けたら、世界中が人だらけになっちまう!」
権:「誰かあいつを止めてくれ!」
結局、甚五郎は「酒を飲むと人口が増える」という新しい迷信を作ってしまった。
まとめ
酔っ払いの二重視を幽霊と勘違いする、という単純な話でした。
最後は「酒で人口が増える」という謎の迷信を生み出すオチも、我ながら無理やりです。
でも、迷信ってこうやって生まれるのかもしれませんね。
…いや、生まれませんね。すみません。


