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牛ほめ 落語|あらすじ・オチ「肛門にお札を貼れ」意味を完全解説

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話芸の殿堂-古典落語-牛ほめ
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牛ほめ 落語|あらすじ・オチ「肛門にお札を貼れ」意味を完全解説

牛ほめ(うしほめ) は、小遣い稼ぎのために家や牛を褒めに行く男が、牛に糞をされてしまう上方落語の傑作。家の節穴に貼ったお札の知恵を牛の肛門に応用し「秋葉さんのお札を貼れば穴が隠れる」という発想の飛躍が笑いを誘います。

項目内容
演目名牛ほめ(うしほめ)
ジャンル古典落語・上方落語
主人公小遣い稼ぎの男
舞台池田のおっさんの家・牛小屋
オチ「ここに秋葉さんのお札張って見なはれ、火除け、魔除けで第一、穴が隠れまっさ」
見どころ建築用語・牛の品評用語の専門知識と発想の飛躍

3行でわかるあらすじ

小遣い稼ぎのために池田のおっさんの家と牛を褒めに行く男が、建築用語を覚えて家を褒めて5円をもらう。
調子に乗って牛も褒めようとすると、牛が後ろを向いて糞をたれてしまい、おっさんが困惑する。
そこで男は「牛の肛門にも秋葉様のお札を貼れば穴が隠れて魔除けになる」と提案してオチとなる。

10行でわかるあらすじとオチ

池田のおっさんの家を褒めれば小遣いがもらえると教わった男が、建築用語を覚えて出かける。
「庭は縮緬漆喰、畳は備後表の寄縁、天井は薩摩杉の鶉杢」など難しい用語を紙に書いてもらう。
台所の柱の節穴には秋葉様のお札を貼れば火の用心になると教わり、牛の褒め方も覚える。
おっさんの家で紙を見ながらしどろもどろで家を褒め、節穴にお札を貼れと提案して感心される。
2円しかもらえず5円を要求し、家に火をつけると脅して5円をもぎ取る。
調子に乗って牛も褒めようとするが、おっさんは前回娘の前で牛の褒め言葉を練習して大騒動になったと止める。
男は今度は大丈夫だと牛の前で「天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う」と一生懸命褒める。
すると牛がぷいと後ろを向いて糞をたれ始め、おっさんが「人間なら礼を言うのに畜生はこの始末」と嘆く。
男は「いい知恵を貸そうか」と言い、「ここに秋葉さんのお札を貼れば火除け魔除けで穴が隠れる」と提案する。
牛の肛門にお札を貼れという突拍子もない提案でオチとなる上方落語の名作。

解説

「牛ほめ」は、上方落語の代表的な演目の一つで、建築用語や牛の品評用語などの専門知識を駆使した言葉遊びが特徴的な作品です。
主人公の男は小遣い稼ぎという卑しい動機で動いているものの、覚えた専門用語を披露する場面では知識をひけらかす滑稽さが描かれています。
特に「縮緬漆喰」「備後表の寄縁」「薩摩杉の鶉杢」などの建築用語や、「天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う」という牛の品評用語は、当時の職人文化や農業知識を反映した貴重な資料でもあります。

最後のオチは、家の節穴に貼ったお札の効用を牛の肛門にまで応用するという発想の飛躍で、聴衆の予想を裏切る絶妙な落とし方となっています。
この作品は専門知識への憧れと実用性の皮肉な対比を描いた、江戸時代の庶民文化を反映した傑作です。

あらすじ

家の普請をした池田のおっさんの所へ家を誉めに行けば小遣いをくれるといわれた男。
早速、家を誉める文句を教わる。
「庭は縮緬漆喰(ちりめんじっくい)・・・畳は備後表の寄縁(よりへり)、天井は薩摩杉の鶉杢(うずらもく)・・・・」とても難しくて覚え切れないので紙に書いてもらう。

そして、台所の柱の節穴には、「秋葉さまのお札を張りなはれ。節穴が隠れて火の用心になる」と教わる。
ここまで誉めれば小遣いの5円は下らないだろうといわれる。

ついでに牛も、「天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う」(てんかく、ちがん、いっこく、ろくとう、じしょう、はちごう) (天角はつのが天を向いている。
地眼は眼が低くて地を見ている。
一黒は体が黒いこと。
直頭は首がまっすぐなこと。
耳が小さくて歯が食い違っていること) と誉めて来いといわれ池田に出かける。

おっさんの家で書いてもらった紙を見ながらしどろもどろになりながら家を誉める。
おじさんも満更でもない様子だ。
段取りどおり、台所に行き柱の節穴を見つけ、秋葉さまのお札を張りなさいと言うとおじさんはすっかり感心し、2円を差し出す。5円を期待していた男、当てがはずれ5円くれなければ家に火をつけるなんて言い出す始末だ。
この男なら冗談でなくやりかねないと、おっさんは5円渡す。

調子に乗った男、今度は牛をほめるというと、おっさんはそれはやめてくれという。
この前、この男が来たときにお茶を持ってきた娘の前で、「力強う、色黒で、骨太で・・・」なんて牛のほめ言葉を練習したもんだから、娘は怒るやら泣くやら、今晩から牛小屋に寝るなんて言い出す騒ぎだったのだ。

男は今度は大丈夫だからと、牛の前で一生懸命誉めていると牛はぷいと後ろを向き、糞をたれ始まる。

おっさん 「兄い、堪忍したっとくれ。人間だったらこんなに誉めてもうたら礼のひとつも言わんならんところだが畜生のこっちゃ、この穴さえなかったら」

男 「おっさん、いい知恵貸そか。ここに秋葉さんのお札張って見なはれ、火除け、魔除けで第一、穴が隠れまっさ。」

落語用語解説

この噺をより深く理解するための用語解説です。

  • 秋葉様 – 秋葉大権現。火伏せの神として信仰され、火除けのお札が広く配布された。
  • 縮緬漆喰(ちりめんじっくい) – 漆喰を塗った際にできる縮緬状の模様。高級な仕上げの証。
  • 備後表の寄縁 – 備後地方(現在の広島県東部)で作られた畳表。最高級品として珍重された。
  • 薩摩杉の鶉杢 – 薩摩産の杉材で、鶉の羽模様に似た木目を持つ高級材。
  • 天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う – 良い牛の条件を表す品評用語。角が天を向き、目が低く地を見るなど。
  • 節穴 – 木材の節が抜けてできた穴。柱にあると見栄えが悪いとされた。

よくある質問(FAQ)

Q: 「牛の肛門にお札を貼れ」というオチの意味は?
A: 家の節穴にお札を貼ると「穴が隠れて火の用心になる」と教わった知恵を、牛の肛門という全く別の「穴」に応用するという発想の飛躍が笑いを生みます。

Q: なぜ娘は牛の褒め言葉で怒ったのですか?
A: 男が娘の前で「力強い、色黒で、骨太で」など牛を褒める言葉を練習したため、娘は自分のことを言われていると勘違いして怒りました。

Q: 「天角、地眼」などの牛の品評用語は本当にあったのですか?
A: はい、実際に江戸時代から使われていた牛の品質を見分ける用語です。良い牛の特徴を覚えやすくまとめた言葉として農村で伝承されていました。

名演者による口演

この噺を得意とした・している落語家をご紹介します。

  • 三代目 桂米朝 – 人間国宝。建築用語を丁寧に解説しながら演じ、教養落語としての魅力を引き出しました。
  • 六代目 笑福亭松鶴 – 上方落語の重鎮。男の図々しさを大げさに演じて爆笑を誘いました。
  • 二代目 桂枝雀 – 爆笑王。牛の褒め言葉の場面を独特のテンポで演じました。

関連する落語演目

同じく「専門用語・知識」がテーマの古典落語

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小遣い稼ぎ・騙しがテーマの古典落語

この噺の魅力と現代への示唆

「牛ほめ」は、建築用語や牛の品評用語といった専門知識を駆使した言葉遊びが特徴の上方落語です。「縮緬漆喰」「備後表」「薩摩杉の鶉杢」などの用語は、当時の職人文化を反映した貴重な資料でもあります。

主人公の男は小遣い稼ぎという卑しい動機で動きながら、覚えた専門用語をひけらかす滑稽さが描かれています。最後の「牛の肛門にお札を貼れ」というオチは、実用的な知恵を全く別の文脈に応用するという発想の飛躍で、聴衆の予想を裏切る絶妙な落とし方です。

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