相撲遺産
相撲の親方が亡くなって、遺産として土俵を残したら。
普通の遺産と違って、土俵は分けるわけにもいかない。
そんな珍しい相続問題の話を作ってみました。
現代でも、分けられない遺産で揉めることはありそうですね。
土俵を巡る相続争い
土俵という特殊な遺産を巡る、元力士たちの争い。
でも、力士なら最後は土俵で決着をつけるしかないでしょう。
あらすじ
人気の相撲部屋の親方が亡くなり、弟子たちが遺産相続の話をしていた。
弟子 A:「親方が亡くなって、寂しいな」
弟子 B:「本当だ。でも、遺産の整理をしないと」
弟子 C:「親方の遺産って、何があるんだ」
弟子 A:「土俵と、あとは少しの金」
弟子 B:「土俵?」
弟子 A:「親方が大事にしてた土俵だ」
弟子 C:「土俵をどうするんだ」
—
弟子 A:「土俵は俺がもらう」
弟子 B:「なんで、お前が」
弟子 A:「俺が一番古い弟子だから」
弟子 B:「それなら俺だって負けない」
弟子 C:「俺も親方には世話になった」
弟子 A:「土俵は分けられないんだ」
弟子 B:「じゃあ、どうする」
弟子 C:「半分ずつにするか」
—
弟子 A:「土俵を半分にするって、どうやって」
弟子 B:「真ん中で切るんだ」
弟子 C:「それじゃ、土俵じゃなくなるだろ」
弟子 A:「そうだな」
弟子 B:「じゃあ、三等分は?」
弟子 C:「もっと変になる」
弟子 A:「土俵を細切れにしてどうするんだ」
弟子 B:「困ったな」
—
そこへ、町内の世話役がやってきた。
世話役:「どうしたんだ、騒がしいな」
弟子 A:「世話役さん、土俵の相続で揉めてるんです」
世話役:「土俵の相続?」
弟子 B:「親方の遺産なんですが、分けられなくて」
世話役:「土俵は確かに分けられないな」
弟子 C:「どうしたらいいでしょう」
世話役:「相撲取りなら、相撲で決めたらどうだ」
—
弟子 A:「相撲で決める?」
世話役:「そうだ。一番強いやつが土俵をもらう」
弟子 B:「それは名案だ」
弟子 C:「でも、俺たちは引退してるんだ」
世話役:「引退してても、相撲は取れるだろう」
弟子 A:「確かに」
弟子 B:「じゃあ、やってみるか」
弟子 C:「親方の土俵で決着をつけよう」
—
三人は土俵で相撲を取ることになった。
弟子 A:「久しぶりの相撲だ」
弟子 B:「体が鈍ってるな」
弟子 C:「でも、やってみよう」
世話役:「それでは、始め」
三人は同時に土俵に上がった。
弟子 A:「はっけよい」
弟子 B:「のこった」
弟子 C:「のこった」
—
ところが、三人とも同時に土俵から落ちた。
世話役:「これは、引き分けだ」
弟子 A:「引き分け?」
世話役:「全員同時に負けた」
弟子 B:「じゃあ、どうする」
世話役:「もう一度やるか」
弟子 C:「でも、また引き分けになりそうだ」
—
結局、何度やっても引き分けが続いた。
世話役:「これじゃ、決着がつかない」
弟子 A:「俺たち、同じくらいの実力だったんだな」
弟子 B:「親方に同じように教わったからな」
弟子 C:「じゃあ、土俵はどうする」
世話役:「共同所有でどうだ」
弟子 A:「共同所有?」
世話役:「三人で一緒に使う」
弟子 B:「それがいいな」
弟子 C:「親方も喜ぶだろう」
世話役:「毎日交代で掃除して」
弟子 A:「はい」
弟子 B:「大事に使います」
弟子 C:「親方の土俵だからな」
まとめ
土俵を分割相続しようとして大混乱、最後は相撲で決着をつけようとしたが引き分け。
結局、共同所有になりましたが、これが一番平和でしょう。
親方も天国で「お前たちは仲がいいな」と笑っているかもしれません。


