うっかり酔っ払い
うっかり者が酔っ払ったら、何が起こるか予想もつきません。
普段から間違いの多い人が、酒の力でさらに間違いを重ねたら。
そんな二重の災難(?)を描いた話です。
酔っ払いの勘違いが生む珍事
うっかり者に酒が加わると、勘違いも倍増する。
でも、時には勘違いが良い結果を生むこともあるかもしれません。
あらすじ
うっかり者で有名な与太郎が、久しぶりに酒を飲んで帰宅した。
与太:「いい酒だった」
しかし、与太郎は酔っ払って、自分の家を間違えた。
与太:「あれ、鍵がかかってない」
隣の家の戸を開けて入ってしまった。
与太:「おかしいな、鍵をかけた覚えがないけど」
隣の家の主人、熊五郎が出てきた。
熊:「誰だ」
与太:「俺だよ、与太郎だ」
—
熊:「与太郎?なんで俺の家に」
与太:「俺の家だろ、ここは」
熊:「君の家じゃないよ」
与太:「何を言ってるんだ、俺の家だ」
熊:「いや、俺の家だって」
与太:「そんなはずない」
熊:「酔ってるのか」
与太:「少し飲んだけど、しっかりしてる」
熊:「しっかりしてたら、間違えないだろう」
—
与太:「間違えてない、ここは俺の家だ」
熊:「じゃあ、証拠を見せろ」
与太:「証拠?」
熊:「家の中のことを知ってるか」
与太:「知ってる。えーと、台所があって」
熊:「どこの家にもある」
与太:「それから、座敷があって」
熊:「それもどこにでもある」
与太:「うーん、困ったな」
—
熊:「やっぱり間違いだ」
与太:「でも、俺の家だと思うんだけど」
熊:「まあ、酔ってるから仕方ない」
与太:「迷惑かけてすまない」
熊:「いや、いいよ。今晩は泊まってけ」
与太:「ありがとう」
熊:「明日の朝、酔いが覚めたら帰れ」
与太:「わかった」
—
翌朝、与太郎が起きた。
与太:「おはよう」
熊:「おはよう。気分はどうだ」
与太:「すっきりした」
熊:「それじゃ、家に帰れるな」
与太:「家?」
熊:「そうだ、君の家」
与太:「ここが俺の家だろ」
熊:「まだ言ってる」
与太:「だって、ここで寝たんだから」
—
熊:「泊まっただけだろ」
与太:「でも、ここが俺の家だと思う」
熊:「なんで?」
与太:「居心地がいいから」
熊:「それは理由にならない」
与太:「でも、居心地がいいところが家じゃないか」
熊:「それは確かに」
与太:「だから、ここが俺の家だ」
熊:「理屈になってない」
—
与太:「じゃあ、ここに住んでもいいか」
熊:「住む?」
与太:「そうだ、家賃も払う」
熊:「家賃を払うなら、借家だろ」
与太:「じゃあ、借家でもいい」
熊:「でも、君の本当の家は」
与太:「忘れた」
熊:「忘れた?」
与太:「どこだったか思い出せない」
熊:「それは困った」
—
結局、与太郎は熊五郎の家に住むことになった。
熊:「まあ、一人より二人の方が寂しくない」
与太:「ありがとう、熊さん」
熊:「でも、君の本当の家は」
与太:「たぶん、誰かが住んでるよ」
熊:「誰が?」
与太:「俺が帰らないから、他の人が」
熊:「そんなことあるか」
与太:「空き家はもったいないからね」
近所の人:「与太郎、引っ越したのか」
与太:「ええ、居心地がいいので」
近所の人:「それは良かった」
熊:「俺も引っ越しを手伝った覚えはないけど」
まとめ
間違って隣の家に入り、そこが自分の家だと思い込む酔っ払い。
最後は本当に住み着いてしまい、隣人も受け入れてしまいました。
うっかり者の勘違いが、新しい同居生活を生んだという話。
でも、本当の家はどうなったんでしょうね。


