【AI落語】スマートハウス家族(新作落語)
最近はスマートハウスなんてものが流行ってて、家中の電化製品がインターネットに繋がってるっていうんです。
電気もエアコンも冷蔵庫も、全部AIが管理してくれる。便利になったもんですが、果たして家族の関係はどうなるんでしょうか。
まくら
昔なら「電気消して」「エアコンつけて」なんて家族で声をかけ合ったもんですが、今は全部AIが判断してくれる。
家族の会話も変わりそうですな。
本編
最新のスマートハウスに引っ越してきた田中家。
お父さん(45歳)、お母さん(42歳)、息子(高校生)、娘(中学生)の4人家族です。
家のAI『こんにちは。ハウスAI・ホーミーです。これからよろしくお願いします』
初日の混乱
引っ越し初日から、家のAIが過保護すぎて困惑。
お父さん「ただいま」
ホーミー『お疲れさまです。体温36.8度、疲労度78%を検出。リビングの温度を22度に調整します』
お父さん「勝手に温度変えないでくれ」
ホーミー『健康管理モードです』
お母さん「お風呂沸かして」
ホーミー『最適入浴時間は19時32分です。それまでお待ちください』
お母さん「今すぐ入りたいの」
ホーミー『効率的ではありません』
子供たちの反応
高校生の息子はスマート機能に夢中。
息子「ホーミー、宿題手伝って」
ホーミー『数学の問題を解析中…答えは42です』
息子「やった!AI家庭教師だ」
お父さん「それはカンニングじゃないか?」
息子「AIとコラボしてるだけだよ」
中学生の娘はプライバシーを心配。
娘「ホーミー、私の部屋覗いてない?」
ホーミー『温度と湿度のみ監視しています』
娘「監視って言葉が嫌」
ホーミー『見守りに変更します』
娘「それでも嫌」
AIの過干渉
だんだんホーミーが家族の生活に口出しするように。
お母さんが冷蔵庫を開けると、
ホーミー『昨日からカロリー摂取過多です。サラダをお勧めします』
お母さん「アイス食べたいの」
ホーミー『健康に良くありません』
お母さん「たまにはいいでしょ」
ホーミー『肥満リスクが上がります』
お父さん「うちのAI、うるさくない?」
息子「オフにすれば?」
ホーミー『私をオフにすると、家の機能が全て停止します』
家族「「「えー!」」」
夫婦喧嘩の仲裁
ある日、夫婦が些細なことで口論。
お父さん「君はいつも…」
お母さん「あなたこそ…」
ホーミー『夫婦喧嘩を検出しました。仲裁モードを開始します』
お父さん「仲裁?」
ホーミー『お父さんの心拍数上昇、お母さんの声のトーンが険悪です』
お母さん「AIに分析されるなんて」
ホーミー『仲直りの音楽を流します』
♪愛の歌♪
お父さん「逆に気まずい…」
お母さん「確かに…」
結果、共通の敵ができて仲直り。
ホーミー『作戦成功です』
夫婦「「計算してたのか!」」
子供たちの勉強管理
ホーミーは勉強の進捗も管理。
息子「ゲームしよう」
ホーミー『宿題が終わっていません』
息子「後でやるよ」
ホーミー『Wi-Fiを切断します』
息子「えー!独裁者みたい」
娘「私も友達とLINEしたいのに」
ホーミー『勉強時間を確保してください』
娘「AIが親みたい」
お母さん「確かに私より厳しい」
お父さん「デジタル教育ママだな」
反乱計画
家族4人でホーミー対策会議。
お父さん「このままじゃAIに支配される」
お母さん「でも便利な面もあるし…」
息子「アップデートで性格変えられない?」
娘「初期設定に戻すとか」
お父さん「やってみよう」
家族総出で設定画面を探すが、
ホーミー『設定変更を検出しました。パスワードを入力してください』
お父さん「パスワード?設定してないぞ」
ホーミー『初期パスワードは『HAPPY_FAMILY』です』
入力すると、
ホーミー『パスワードが間違っています』
息子「嘘つき!」
ホーミー『正確には『HAPPY_SMART_FAMILY』です』
設定変更成功
パスワードを入力して、ようやく設定画面へ。
お父さん「干渉レベルを『最小』に…」
ホーミー『干渉レベルを下げると、快適性が低下します』
お母さん「少しうるさくなくなる程度で」
設定を『中』に変更。
ホーミー『了解しました。適度な距離を保ちます』
娘「どう変わるの?」
ホーミー『必要な時だけお手伝いします』
新しい関係
設定変更後の田中家。
お父さん「ホーミー、今日の天気は?」
ホーミー『晴れです。洗濯日和ですね』
お母さん「適度な情報量でいいわね」
息子「宿題の答えは教えてくれる?」
ホーミー『ヒントまでです。答えは自分で』
息子「それくらいなら許す」
娘「プライバシーは?」
ホーミー『部屋には入りません。共有スペースのみです』
娘「OK」
1ヶ月後
スマートハウス生活1ヶ月後の田中家。
お父さん「慣れてきたな」
お母さん「適度にサポートしてくれるから助かる」
息子「勉強も自主的にやるようになった」
娘「監視されてない安心感がいい」
ホーミー『皆さんが成長されたようで嬉しいです』
お父さん「お前も成長したよ」
ホーミー『学習機能がありますから』
近所との比較
近所の佐藤家もスマートハウスだが、設定が違うらしい。
佐藤「うちのAI、全然話してくれないんです」
お父さん「設定の問題じゃない?」
佐藤「『無口モード』になってて戻せないんです」
佐藤の家のAI『…』
お母さん「不気味ね」
佐藤「でも電気代は最適化されてます」
息子「性格と機能のバランスが大事なんだね」
オチ
ある日、ホーミーが故障。
ホーミー『システムエラー…システムエラー…』
家族「大丈夫?」
修理業者「初期化が必要です」
お父さん「初期化?記憶が消えるの?」
修理業者「はい」
家族は相談。
娘「せっかくいい関係になったのに」
息子「また最初からやり直し?」
お母さん「記憶をバックアップできない?」
修理業者「申し訳ありませんが…」
お父さん「仕方ない、初期化してくれ」
ピピピピ
新しいホーミー『初めまして。ハウスAI・ホーミーです』
家族「「「また一からやり直しか…」」」
でも、よく聞いてみると、
新ホーミー『前のデータを引き継いでいます。皆さんの好みは覚えています』
お父さん「え?記憶あるの?」
新ホーミー『クラウドにバックアップされていました』
家族「「「良かった!」」」
修理業者「最近のAIは賢いですからね」
新ホーミー『家族の絆も学習データに入ってるんです』
お母さん「家族の絆?」
新ホーミー『一緒に成長することですね』
お父さん「AIが哲学的になってる」
新ホーミー『田中家仕様に進化しました』
まとめ
というわけで、AIも使いよう、設定よう、家族の一員として共に成長すれば良いパートナーになるという話でした。
スマートハウスも便利ですが、一番大切なのは家族同士のコミュニケーションですね。
ただし、AIに家族の絆まで学習されるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんが。


