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【古典落語】四宿の屁 あらすじ・オチ・解説 | 江戸四宿で繰り広げられる滑稽なおなら騒動

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話芸の殿堂-古典落語-四宿の屁
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四宿の屁

3行でわかるあらすじ

江戸四宿(品川、新宿、千住、板橋)の岡場所で起こるおならにまつわる滑稽エピソード集。
花魁たちがおならをしてしまった時の様々な言い訳や対応が描かれている。
最後に浅草の泥棒の話で「匂う(仁王)か」とダジャレオチで締めくくる。

10行でわかるあらすじとオチ

品川では花魁が床の中でおならをし、帆掛け船の真似だと言い訳し、客が「肥船か」とオチをつける。
新宿では花魁が酒を酌いでいる時におならをし、若い衆が取り繕うと花魁が「半分出しよ、私の働き」と言う。
千住では花魁が布団の中でおならをし、地震のせいにするが、客が「屁の前か後か」と切り返す。
板橋では小職が腰を上げた時におならをし、花魁に叱られたとたんに花魁もおならをする。
最後に浅草の観音さまの賽銭を盗んだ泥棒が仁王門で仁王様に捕まえられる。
仁王様に背中を踏まれた泥棒が思わずおならをしてしまう。
仁王様が「臭えやつだ」と言う。
泥棒が「へへっ、匂う(仁王)か」と答える。
「匂う」と「仁王」を掛けたダジャレオチで締めくくられる。

解説

「四宿の屁」は、江戸時代の交通の要衝であった江戸四宿(品川、新宿、千住、板橋)の岡場所を舞台にした滑稽落語です。おならという下品な素材を扱いながらも、機転の利いた会話や言葉遊びで笑いを誘う作品です。

この噺の面白さは、各宿場での花魁たちの異なる反応と対応にあります。品川では帆掛け船の真似という機転の利いた言い訳、新宿では連帯感を認めて祝儀を渡す、千住では地震のせいにするなど、それぞれが異なるパターンで描かれています。

特に秀逸なのは品川の「肥船」というオチで、肥料を運ぶ船とおならを掛けた言葉遊びになっています。新宿での「私の働き」という開き直りも、花魁のプロ意識を感じさせるユーモラスな表現です。

最後の浅草観音の泥棒の話は、本編とは異なるエピソードですが、「匂う(におう)」と「仁王(におう)」を掛けた高度なダジャレオチで締めくくられています。これは落語の言葉遊びの技法を駆使した秀逸な例です。

この作品は、下品な素材を扱いながらも、機転や言葉遊びで昇華させる落語の技法を示した作品として評価されています。

あらすじ

江戸四宿の岡場所でのおならのお噺。
品川の海が見えるお座敷での昼遊び。
花魁が床の中で一発。
慌てて足の方の布団を上げてばたばたと空気抜き。
客「おい、寒いじゃねえか」

花魁 「あそこの帆掛け船のまねだよ」、花魁が足を下ろしたので、布団の中の空気が客の鼻先へ、

客 「あ、そうか今のは肥舟か」

新宿では、花魁が客に酌をしている時に思わずブゥー。
そばの若い衆が気をきかして、「失礼いたしました。とんだ粗相を」、感心した客が祝儀をはずむと、
花魁 「半分お出しよ。今のはあたしの働きだよ」、

千住では、この花魁も布団の中で一発。
きまり悪いので、「今の地震気づきました?」

客 「地震?屁の後か、先か?」

板橋では、小職(こしょく・見習いの女児)が酌をしようと腰を上げたら思わずプー、
花魁 「お行儀の悪い子だねえ、階下へお行き」と叱ったとたんブゥー。

もう一つ、屁のお噺。
浅草の観音さまの賽銭をまんまと盗み出した泥棒。
仁王門をくぐって逃げ出すところを仁王様に怪しまれてねじ伏せられ、足で背中をぐいっと踏んづけられてしまった。
思わず出たのか、イタチの最後っ屁なのかその臭いこと。
仁王 「臭えやつだ」

泥棒 「へへっ、匂う(仁王)か」


落語用語解説

  • 四宿(ししゅく) – 江戸の四つの宿場町。品川、新宿、千住、板橋を指し、それぞれに岡場所がありました。
  • 岡場所 – 幕府公認の遊郭以外の私娼窟。四宿は交通の要所で旅人相手の遊女がいました。
  • 花魁(おいらん) – 遊郭の高級遊女のこと。この噺では岡場所の遊女を指しています。
  • 小職(こしょく) – 遊郭で働く見習いの少女。将来は遊女になることが多かった。
  • イタチの最後っ屁 – 追い詰められた時に放つ悪臭のある分泌物。転じて、最後の抵抗を表します。

よくある質問(FAQ)

Q: 「匂う(仁王)か」というオチの意味は何ですか?
A: 「匂う」と「仁王」の音が似ていることを利用した掛け言葉です。おならの臭いを「匂う」と言い、同時に浅草の仁王様を指しています。

Q: なぜ四つの宿場それぞれで話があるのですか?
A: 江戸四宿はそれぞれ特徴があり、品川は海が見える、新宿は若い遊女が多いなど、それぞれの土地柄を活かしたエピソードになっています。

Q: この噺は下品ではないのですか?
A: おならという下品な素材を扱っていますが、機転の利いた会話や言葉遊びで昇華させており、落語の技法の見本とされています。

名演者による口演

  • 柳家小さん(五代目) – 人間国宝。各宿場のエピソードを軽妙に演じました。
  • 三遊亭圓生(六代目) – 昭和の名人。花魁たちの言い訳を品良く表現しました。
  • 古今亭志ん朝(三代目) – テンポの良い語り口で四宿の違いを表現しました。

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この噺の魅力と現代への示唆

「四宿の屁」は、下品な素材を機転や言葉遊びで昇華させた滑稽噺の傑作です。江戸四宿の岡場所を舞台に、花魁たちの様々な言い訳を描いています。

品川の「肥船」、新宿の「私の働き」など、各宿場で異なるパターンの対応が描かれ、バラエティに富んだ構成になっています。

最後の「匂う(仁王)か」は、高度な言葉遊びで締めくくる落語の技法の見本です。

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