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【古典落語】しらみ茶屋 あらすじ・オチ・解説 | シラミでいたずら、自分も被害者の大失敗

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話芸の殿堂-古典落語-しらみ茶屋
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しらみ茶屋

3行でわかるあらすじ

紙屑問屋の淡太郎旦那がお菰さんからシラミ(ゴロタ)を買い集め、竹筒で餓死させて小さくする。
お茶屋で芸者の襟足に「小判を入れる」と言ってシラミを仕込み、モゾモゾする芸者たちを責める。
しかし自分の竹筒の蓋を忘れて自分からもシラミが這い出し、悪戯が自分に跳ね返る。

10行でわかるあらすじとオチ

天王寺五重塔を再建した紙屑問屋の淡太郎旦那が散歩中、日向ぼっこするお菰さんと出会う。
お菰さんにシラミ(ゴロタ)を集めてもらい、一人に一分ずつ払って大量のシラミを買い取る。
シラミを竹筒に入れて空気穴を開けて蓋をし、2日間餓死させて血を吸って大きくなったシラミを小さくする。
新町のお茶屋に上がり、芸者たちと幇間の一八を集めて「襟足のきれいなものに褒美をやろう」と言う。
芸者たちを後ろ向きに並ばせ、「小判を入れてやる」と言いながら小判と一緒にシラミを襟に仕込む。
しばらくすると芸者たちがモゾモゾし始め、一八は歌って踊ってごまかそうとする。
ついに芸者の襟からシラミが這い出してきて、淡太郎は「シラミ飼ってるような芸者を使ってるのか!」と責める。
芸者たちはシラミを潰したり火鉢に放り込んだりと大忙しで対処する。
すると一八が「旦さん、あんさんの袖口からもゾロゾロと這い出てまっせ」と指摘する。
淡太郎は「しもた!蓋するの忘れた」と言い、自分の悪戯が自分に跳ね返るオチとなる。

解説

しらみ茶屋は、悪戯が自分に跳ね返るという「自業自得」をテーマにした上方落語の作品である。
淡太郎旦那は実在の人物で、天王寺の五重塔再建に私財を投じた大阪の豪商として知られている。
「ゴロタ」はシラミの関西弁での呼び方で、「すいばれ」は雨を意味するお菰さん(乞食)仲間の隠語。
シラミを2日間餓死させて小さくするという発想が独特で、悪戯の準備の周到さを表している。
お茶屋での芸者いじめは当時の花街文化を反映しており、客の横暴さを描いた面もある。
オチの「蓋するの忘れた」は、周到に準備した悪戯の最後の詰めを忘れるという人間らしい失敗が笑いを誘う。

あらすじ

天王寺の五重塔を再建した紙屑問屋の淡路屋太郎兵衛の淡太郎旦那。
九之助橋の屋敷を出てぶらぶらと歩いていると、お菰さんが数人で日向ぼっこをしている所へ通りかかった。

淡太郎 「ええ天気じゃな」

お菰さん「へえ、ええ天気でみな喜んでおります。すいばれはかなわんでな」

淡太郎 「すいばれとは何じゃ?」

お菰さん 「雨のことで・・・」

淡太郎 「お菰さん仲間の言葉かいな。何をしてるのや」

「へえ、ゴロタ取っとりまんねん」

淡太郎「ゴロタちゅうと?」

「シラミのことでんねん」、何を思いついたのか、

淡太郎 「そのゴロタの生きたやつ、うんと集めておくれ。何ぼかで買わしてもらうよってに」、翌日、ゴロタを持ってきたお菰さんたちを庭に入れて、淡太郎旦那は紙を広げて、その上にゴロタを開けさせる。

一人づつに一分ももらったお菰さんたち、「・・・あしたはなんぼほど持ってきまひょ」とがめつい。
淡太郎 「そない要らんわ。もうええがな」、シラミを空気穴を開けた竹筒に入れて蓋をして二日ほど棚の上に置いて、開けて見るとゴソッと減っている。
うんと血吸ったやつが二日間で腹減らして小さくなってしまったのだ。

淡太郎旦那はそれを懐に入れて新町のお茶屋に上がる。
芸妓らが集まると、
淡太郎 「・・・女は後ろ姿ちゅうことがある。
今日は襟足のきれいなもんに褒美をやろう。みな向こう向いてずっと並べ」と、幇間の一八まで並ばした。

淡太郎 「ええ、襟筋してるわい。よし小判を入れたやろ」と、筒から出した飢えたシラミちいちいを小判と一緒に入れて行く。
最後の一八にはおまけにとごっそりと入れてやる。

しばらくするとみんなモゾモゾし出す。
我慢できなくなって一八などは、歌って踊ってごまかそうとする。
淡太郎 「なんや、客の前でみんなでモジモジ、見苦しい」、ついには芸者の襟からシラミが這い出して来た。

淡太郎 「あ、それ、シラミが這い出してるやないか。ここはシラミ飼うてるような芸者、使うてるのか!」、みんなプツッ、プツッと潰したり、火鉢の中に放り込んだりで大忙し。

すると一八 「旦さん、あんさんの袖口からもゾロゾロと這い出てまっせ」

淡太郎 「しもた!蓋するの忘れた」


落語用語解説

  • 淡太郎旦那 – 実在の人物・淡路屋太郎兵衛がモデル。天王寺五重塔の再建に私財を投じた大阪の豪商です。
  • お菰さん(おこもさん) – 乞食のこと。関西での呼び方で、「菰」は粗末な敷物を指します。
  • ゴロタ – シラミの関西弁での呼び方。この噺の重要な小道具です。
  • すいばれ – 雨の意味。お菰さん仲間の隠語として登場します。
  • 幇間(ほうかん) – 太鼓持ちとも呼ばれる、宴席で客を楽しませる男性。一八は典型的な幇間として描かれています。

よくある質問(FAQ)

Q: 淡太郎旦那は実在の人物ですか?
A: はい、天王寺五重塔の再建に私財を投じた紙屑問屋の淡路屋太郎兵衛がモデルとされています。

Q: なぜシラミを2日間餓死させるのですか?
A: 血を吸って大きくなったシラミを空腹にさせて小さくするためです。小さくなったシラミの方が襟に仕込みやすいという設定です。

Q: この噺は上方落語ですか江戸落語ですか?
A: 上方落語です。新町のお茶屋、天王寺五重塔など大阪を舞台にしており、関西弁で演じられます。

名演者による口演

  • 桂米朝(三代目) – 人間国宝。淡太郎旦那のいたずら心を軽妙に演じました。
  • 桂枝雀 – 芸者たちがシラミに困る場面を独特の表現力で爆笑を誘いました。
  • 桂文珍 – 現代的な感覚でいたずらの顛末を面白おかしく演じました。

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この噺の魅力と現代への示唆

「しらみ茶屋」は、いたずらが自分に跳ね返るという「自業自得」をテーマにした上方落語の作品です。周到に準備した悪戯の最後の詰めを忘れるという人間らしい失敗が笑いを誘います。

シラミを2日間餓死させて小さくするという発想は独特で、悪戯の準備の周到さを表しています。

最後の「蓋するの忘れた」は、どんなに計画を練っても最後の詰めが甘いと失敗するという教訓を、笑いの中に込めた秀逸なオチです。

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