【AI落語】温泉怖い(新作落語)
さて、今回はまんじゅうこわいという古典落語を現代風にアレンジして、温泉怖いという新作落語を作ってみました。江戸っ子たちの粋な掛け合いと、最後のどんでん返しをお楽しみください。まあ、温泉が怖いなんて聞いたことないですけどね。
まくら
世の中にはいろんな怖いものがございますな。高いところが怖い、暗いところが怖い、お化けが怖い、嫁さんが怖い…。中でも一番怖いのは、やっぱり嫁さんですかね。
でも、怖いものっていうのは人それぞれで、他人から見りゃ「なんでそんなもんが怖いんだ」ってものもあるわけで。まあ、怖いものがあるってことは、それだけ人間らしいってことかもしれませんがね。
あらすじ
長屋の連中が、井戸端に集まってガヤガヤと話をしております。
熊「おい、八。てめえ、何が一番怖えんだ?」
八「そうだなあ…やっぱり雷が怖えな。ピカッと光ってドーンときやがる」
熊「雷か。そいつぁ確かに怖えな」
そこへ与太郎がやってきます。
与太「おめえら、何の話してんだ?」
八「怖えもんの話よ。与太は何が怖えんだ?」
与太「俺か?そうだな…蛇が怖えな。にょろにょろしやがって気持ち悪い」
みんなでワイワイと怖いものの話で盛り上がっていると、長屋の奥から源さんがのっそりと出てきました。
源「てめえら、朝っぱらから騒がしいじゃねえか」
熊「おう、源公。ちょうどいいところに来た。てめえは何が怖えんだ?」
源「怖えもん?そんなもんねえよ」
八「嘘つけ。誰だって一つや二つは怖えもんがあるだろう」
源さんは少し考えるような素振りを見せて、周りを見回します。
源「…実はな、俺には人に言えねえ怖えもんがある」
与太「なんだ、なんだ?言ってみろよ」
源「いや、笑われるから言いたくねえ」
熊「笑やしねえよ。さっさと言え」
源さんは声を潜めて言います。
源「…温泉が怖え」
一同「温泉だぁ?」
みんな呆れたような顔をします。
八「温泉が怖えって、どういうこった?」
源「だから言いたくなかったんだ。笑うだろう」
熊「いや、笑うも何も…温泉の何が怖えんだ?」
源「熱い湯に浸かると、体がふやけちまいそうで怖えんだ」
与太「ふやける?そんなバカな」
源さんは真剣な顔で続けます。
源「それにな、温泉ってのは地獄の釜の湯が湧いてるって言うじゃねえか。地獄に引きずり込まれそうで怖えんだ」
八「そりゃあ、てめえの考えすぎだ」
源「いや、本当に怖えんだ。温泉の話を聞くだけで、背筋がゾッとする」
熊さんが急に何か思いついたような顔をします。
熊「そうか、そんなに温泉が怖えなら…よし、みんなで源公を担いで、箱根の温泉にでも連れて行ってやろうじゃねえか」
八「それはいい考えだ」
与太「面白そうだな」
みんなが源さんを取り囲みます。
源「や、やめろ!本当に怖えんだ!」
熊「遠慮すんな。怖えもんは克服しなきゃな」
みんなで源さんを担ぎ上げようとすると、源さんは必死に抵抗します。
源「頼む!温泉だけは勘弁してくれ!」
八「なんだ、本当に怖がってやがる」
与太「こりゃ本物だな」
そのうちに、源さんはぐったりとしてしまいました。
熊「おい、源公、大丈夫か?」
源「ああ…温泉のことを考えただけで、気分が悪くなっちまった…」
みんな心配そうに源さんを見つめます。
八「こりゃいけねえ。水でも持ってくるか」
与太「いや、待て。源さんの家に何か薬でもあるかもしれねえ」
みんなで源さんの部屋に運び込みます。部屋の中を見回すと、部屋の隅に大きな荷物が積んであります。
熊「なんだ、この荷物は?」
荷物を開けてみると、中から温泉饅頭やら温泉卵やら、温泉地の土産物がぎっしり詰まっています。
八「おい、これは…」
与太「温泉の土産じゃねえか」
さらに奥から、「箱根温泉」「草津温泉」「熱海温泉」と書かれた手ぬぐいが山ほど出てきます。
熊「源公、これはどういうことだ?」
源さんはニヤリと笑って起き上がります。
源「へへっ、実はな…」
八「てめえ、まさか…」
源「温泉が怖えなんて嘘に決まってるだろう。俺ぁ温泉が大好きでな、毎月湯治に行ってるんだ」
一同「なにぃ!」
源さんは得意げに続けます。
源「お前らが担いで温泉に連れて行ってくれるって言うから、タダで行けると思ってな」
熊「この野郎、一杯食わされた!」
与太「ずるいぞ、源さん!」
みんなが文句を言っている中、源さんは土産物の中から何か取り出します。
源「まあまあ、そう怒るな。詫びと言っちゃなんだが、これをやるよ」
源さんが差し出したのは、温泉饅頭の箱でした。
八「温泉饅頭か…まあ、うまそうだな」
熊「仕方ねえ、許してやるか」
みんなで温泉饅頭を食べ始めます。
与太「うめえな、これ」
八「本当だ。さすが温泉地の饅頭は違うな」
源さんはニコニコしながら、また何か取り出します。
源「実はな、もう一つ怖えもんがあるんだ」
熊「今度は何だ?」
源「高級な日本酒が怖くてな…」
八「またその手か!」
与太「もう騙されねえぞ!」
みんなでワイワイ言っていると、大家さんがやってきました。
大家「おい、源さん。家賃が三月分たまってるぞ」
源「げっ、大家さん…」
大家「温泉なんか行ってる場合じゃねえだろう」
まとめ
というわけで、温泉怖いという落語でした。まんじゅうこわいをベースにしつつ、温泉という現代でも親しまれているものでアレンジしてみました。
最後の大家さんの登場で、調子に乗っていた源さんが一気に青ざめるというオチ。温泉よりも大家さんの方がよっぽど怖いってわけですね。
自己採点をすると、75点くらいでしょうか。古典の構造を活かしながら、現代的な要素も取り入れられたかなと思います。
他にも様々なAI落語を公開していますので、よろしければご覧ください。落語の面白さを、少しでも多くの方に楽しんでいただければ幸いです。


