女ピアノ教師
ピアノの個人レッスンって、音楽用語の説明で誤解が生まれることがありますからね。
今回はピアノ教室での先生と生徒の危険なやり取りでございます。
まくら
皆さん、楽器を習ったことはありますか?
最近は大人になってからピアノを習う男性も増えて、美人の女性教師に個人レッスンを受けることもあります。
でも音楽の専門用語は、時に思わぬ誤解を生むこともあるようで。
今日はそんなピアノ教室での話でございます。
あらすじ
音楽教室「ハーモニー」でピアノ講師をしている佐藤雅美(仮)先生 28 歳の話でございます。
今日は新しい生徒、会社員の中村さん 45 歳の個人レッスンです。
雅美「中村さん、初めてのレッスンですね」
中村「はい、よろしくお願いします」
雅美「ピアノは初めてですか?」
中村「全くの初心者です」
雅美「それでは、基本的なタッチから始めましょう」
中村「タッチ?」
雅美「指でピアノを触る感覚のことです」
中村「(指で触る…)はい」
レッスン開始
雅美「まず、正しい指の形を覚えましょう」
中村「指の形?」
雅美「私の手を見てください」
中村「(綺麗な手だな…)はい」
雅美「こうやって、指を丸く曲げるんです」
中村「丸く曲げる…」
雅美「中村さんも、同じようにやってみてください」
中村「こうですか?」
雅美「もう少し柔らかく。力を抜いて」
中村「力を抜く…」
雅美「そう、そのくらいがちょうどいいです」
専門用語の説明
雅美「今度は、フィンガリングの練習をしましょう」
中村「フィンガリング?」
雅美「指使いのことです」
中村「指使い…」
雅美「正しい指使いを覚えないと、上達しません」
中村「上達するには、指使いが大切なんですね」
雅美「はい、特に速いパッセージでは重要です」
中村「速いパッセージ?」
雅美「早い指の動きのことです」
中村「早い指の動き…(想像が…)」
雅美「最初はゆっくりから始めて、だんだん速くしていきます」
中村「だんだん速く…」
さらに専門的に
雅美「次はペダルの使い方を教えます」
中村「ペダル?」
雅美「足で踏むものです」
中村「足で?」
雅美「私の足元を見てください」
中村「(足元を見る…)はい」
雅美「こうやって、右足でゆっくりと踏むんです」
中村「ゆっくりと踏む…」
雅美「踏むタイミングが重要なんです」
中村「タイミング?」
雅美「早すぎても遅すぎてもダメです」
中村「微妙なタイミングなんですね」
雅美「慣れるまで、私と一緒に練習しましょう」
中村「一緒に?」
実践練習
雅美「私が後ろから、中村さんの手を支えます」
中村「後ろから?」
雅美「正しいフォームを体で覚えてもらうためです」
中村「体で覚える…」
雅美「私の体と合わせて、ゆっくりと動かしてください」
中村「体と合わせて…(ドキドキ)」
雅美「リズムを合わせることが大切です」
中村「リズムを合わせる?」
雅美「私の動きに合わせて、一緒に動いてください」
中村「一緒に動く…」
雅美「そう、いい感じです」
中村「いい感じ…」
音楽表現の指導
雅美「今度は表現力の練習をしましょう」
中村「表現力?」
雅美「感情を込めて弾くことです」
中村「感情を込めて?」
雅美「音楽は、心の奥からあふれ出る感情を表現するものです」
中村「心の奥から…」
雅美「中村さんの内なる情熱を、音に込めてください」
中村「内なる情熱?」
雅美「恥ずかしがらずに、全身で表現するんです」
中村「全身で…」
雅美「私も一緒に感じるので、遠慮しないでください」
中村「一緒に感じる?(これは…)」
クライマックス
雅美「それでは、今日習ったことを通して弾いてみましょう」
中村「通して?」
雅美「最初から最後まで、一気に」
中村「一気に…」
雅美「私がリードするので、ついてきてください」
中村「リードについて…」
雅美「息を合わせて、一緒にスタートします」
中村「息を合わせて…」
雅美「せーの、はい!」
中村さんが弾き始めます。
雅美「もっと大胆に!」
中村「大胆に?」
雅美「遠慮しちゃダメです。もっと激しく!」
中村「激しく!」
雅美「そう、その調子!もっと!」
中村「もっと?」
雅美「最後まで頑張って!」
中村「最後まで…(汗だく)」
雅美「はい、お疲れ様でした!」
大オチ
レッスンが終わって…
雅美「中村さん、初回にしてはとても上手でした」
中村「ありがとうございます(何だか疲れた…)」
雅美「来週も頑張りましょう」
中村「来週も?」
雅美「毎週継続することが上達の秘訣です」
中村「毎週…」
雅美「それに、慣れてきたら、もっと難しい曲に挑戦しましょう」
中村「もっと難しい?」
雅美「ベートーヴェンの『情熱』なんていかがですか?」
中村「『情熱』?」
雅美「ピアノソナタ第 23 番『アパッショナータ』です」
中村「アパッショナータ…(情熱的な…)」
雅美「とても激しくて情熱的な曲です」
中村「激しくて情熱的…」
そこへ、教室の受付スタッフがやってきました。
スタッフ「佐藤先生、次の生徒さんがお見えです」
雅美「あ、もうそんな時間ですか」
スタッフ「中村さん、いかがでしたか?」
中村「とても…刺激的なレッスンでした」
スタッフ「刺激的?」
雅美「中村さん、音楽的センスがおありです」
中村「センスが?」
雅美「特に、タッチが繊細で」
中村「タッチが繊細…」
スタッフ「それは良かった。来週のご予約はいかがですか?」
中村「はい、ぜひお願いします」
雅美「来週は、もっと深いレッスンをしましょう」
中村「もっと深い…(また勘違いしそう…)」
ちなみにその後、中村さんは毎週順調にレッスンを継続していたですが、ある日雅美先生から「今度は中村さんの奥さんも一緒にレッスンしませんか?」と言われて、「夫婦で連弾すると美しいハーモニーが生まれます」と説明されたら、中村さん、「美しいハーモニー」に心がときめいて、今度は本当に奈々さんと一緒に連弾しているそうでございます。
まとめ
ということで、中村さんのピアノレッスンは、音楽用語の説明による誤解で大変なことになってしまいました。
でも雅美先生の指導は本当にわかりやすく、中村さんも短時間で上達したようです。
音楽の世界は奥が深いので、用語の意味をしっかり理解することが大切ですね。
中村さんは今も毎週通っていて、最近は『情熱』を練習中だということです。


