女医診療
病院での診察って、いろんな勘違いが生まれることがありますからね。
今回は診察室で起こった、医師と患者の微妙なやり取りでございます。
まくら
皆さん、病院で異性の先生に診てもらった経験はありますか?
最近は女医さんも増えて、男性患者が女医さんに診てもらうことも普通になりました。
でも時には、医学的な話が思わぬ誤解を生むこともあるようで。
今日はそんな診察室での話でございます。
あらすじ
総合病院の内科医、田中先生 32 歳と患者の山田さん 40 歳の話でございます。
山田さんは最近体調不良で、初めて田中先生の診察を受けることになりました。
田中先生「山田さん、初診ですね。どちらの具合が悪いですか?」
山田「あの…最近、夜の調子が悪くて…」
田中先生「夜の調子?不眠症でしょうか?」
山田「いえ、その…夜になると、うまくいかなくて…」
田中先生「(うまくいかない?)詳しく教えてください」
診察開始
田中先生は真面目に診察しようとしています。
田中先生「いつ頃から調子が悪いんですか?」
山田「3 ヶ月ぐらい前から、だんだん元気がなくなって…」
田中先生「元気がない?食欲はありますか?」
山田「昼間は普通なんですが、夜になると全然ダメで…」
田中先生「夜だけダメ?」
山田「妻にも心配されてまして…」
田中先生「奥様も心配されてるんですね」
山田「『最近、あなた変よ』って言われるんです」
田中先生「どう変なんでしょう?」
誤解の始まり
山田「昔はもっと積極的だったのに、最近は全然やる気が出ないんです」
田中先生「やる気が出ない…うつ病の可能性もありますね」
山田「うつ病?」
田中先生「夜だけ症状が出るというのは珍しいですが…」
山田「でも、朝は元気なんです」
田中先生「朝は元気?」
山田「朝立ち…朝起きた時は調子いいんです」
田中先生「(朝立ち?)朝の体調はいいということですね」
エスカレート
山田「でも夜になると、どうしても硬くならなくて…」
田中先生「硬くならない?」
山田「昔は自然に硬くなったのに…」
田中先生「(硬くなる?)筋肉の緊張のことでしょうか?」
山田「妻と一緒の時だけ、特にダメなんです」
田中先生「奥様と一緒の時だけ?」
山田「一人の時は、まあまあなんですが…」
田中先生「一人の時は大丈夫?ストレスが関係してるかもしれませんね」
さらに深刻に
山田「妻が『病院で相談してみたら』って言うので…」
田中先生「奥様の勧めで?」
山田「『ちゃんと先生に見てもらいなさい』って」
田中先生「見てもらう?」
山田「恥ずかしいんですが、先生にお見せした方がいいでしょうか?」
田中先生「お見せする?(何を?)症状によりますが…」
山田「やっぱり女の先生には見せにくいです…」
田中先生「女医だから?でも医師ですから気にしないでください」
診察の提案
田中先生「まず、問診をもう少し詳しくしましょう」
山田「はい」
田中先生「具体的に、どんな時に硬くならないんですか?」
山田「妻とベッドに入った時です」
田中先生「ベッドで?(もしかして…)横になった時?」
山田「はい、横になると全然ダメで…」
田中先生「横になると…(これは循環器系の問題かも)血圧は正常ですか?」
山田「血圧?測ったことないです」
田中先生「それでは血圧を測りましょう」
血圧測定
田中先生が血圧計を巻きます。
田中先生「腕を出してください」
山田「腕でいいんですか?」
田中先生「血圧は腕で測ります」
山田「てっきり、問題の箇所を…」
田中先生「問題の箇所?」
山田「下の方を見てもらうのかと…」
田中先生「下の方?足のことですか?」
山田「いえ、その…もっと下の…」
田中先生「もっと下?(足首?)どの辺りが痛むんですか?」
真相に近づく
血圧を測り終わって…
田中先生「血圧は正常ですね。他に症状は?」
山田「時々、途中で萎えちゃうんです」
田中先生「萎える?(やる気が失せる?)気分の落ち込みですね」
山田「そうです、頑張ろうと思っても萎えちゃって」
田中先生「うつ病の可能性が高いですね」
山田「うつ病?でも昼間は元気なんですよ?」
田中先生「夜だけ症状が出るうつ病もあります」
山田「そんなのがあるんですか?」
大オチ
そこへ、看護師が入ってきました。
看護師「田中先生、泌尿器科の佐藤先生から、患者さんをお間違いではないかと…」
田中先生「え?」
看護師「山田さんは泌尿器科の予約のはずです」
山田「泌尿器科!そうです!」
田中先生「泌尿器科?」
山田「ED の相談で来たんです」
田中先生「ED!(勃起不全)それで夜に硬くならないって…」
山田「はい、それです」
田中先生「私、内科医なので、全然違う病気だと思ってました」
山田「僕も、なんで血圧測るのかなと思って…」
看護師「山田さん、泌尿器科は 3 階です」
田中先生「すみませんでした。専門の先生に診てもらってください」
山田「こちらこそ、恥ずかしい話を…」
田中先生「いえいえ、勉強になりました」
まとめ
ということで、山田さんの診察は科を間違えたことによる大きな勘違いでした。
内科の田中先生は、ED をうつ病と勘違いして診察してしまったというオチです。
病院では、最初に受付でしっかりと科を確認することが大事ですね。
ちなみに、翌週の医局会で田中先生が「最近、ED の患者さんが間違えて内科に来られました」と報告したら、泌尿器科の先生が「うちも内科の患者が間違えて来ました。血圧の薬を飲みたいって」と返したそうで、二人で「どっちもどっちだ!」と笑い合ったとか。


