入会金の話
飲み屋での会員制の話は、時として客同士のトラブルの原因になることがあります。
今回は、入会金の妥当性を巡る客同士の喧嘩をお届けします。
お金の話は、どこでも敏感な話題になりがちですね。
入会金で始まる争い
飲み屋で入会金の妥当性を巡って客同士が喧嘩を始めるお話です。
あらすじ
江戸の飲み屋で、二人の客が隣り合わせで飲んでいた。
客A「最近、あるサークルに入会したんだ」
客B「サークル?」
客A「そうだ、趣味のサークルだ」
客B「どんなサークルだ?」
客A「釣りのサークルだ」
客B「釣り?」
客A「そうだ、釣りが好きでな」
客B「なるほど」
客A「でも、入会金が高くて困った」
客B「入会金?」
客A「そうだ、5000円も取られた」
客B「5000円?」
客A「そうだ、高いだろ?」
客B「高い?」
客A「高いじゃないか」
客B「高くない」
客A「高くない?」
客B「高くない」
客A「高いよ」
客B「高くないって言ってるだろ」
客A「高いって言ってるだろ」
客B「5000円なんて安いもんじゃないか」
客A「安い?」
客B「そうだ、安い」
客A「安くない」
客B「安い」
客A「安くないって言ってるだろ」
客B「安いって言ってるだろ」
客A「なんで安いんだ?」
客B「だって、入会金なんて普通もっと高いじゃないか」
客A「もっと高い?」
客B「そうだ、俺のサークルは10万円だった」
客A「10万円?」
客B「そうだ」
客A「10万円も取られたのか?」
客B「そうだ」
客A「高すぎるじゃないか」
客B「高すぎる?」
客A「高すぎるよ」
客B「高すぎない」
客A「高すぎるって言ってるだろ」
客B「高すぎないって言ってるだろ」
二人は立ち上がった。
親父「お二人とも、どうしました?」
客A「親父、こいつが10万円の入会金は高すぎないって言うんだ」
親父「10万円?」
客B「そうだ、高すぎないよ」
親父「10万円は高いですね」
客A「だろ?」
客B「高くない」
親父「高いでしょう」
客B「高くない」
親父「何のサークルですか?」
客B「ゴルフサークルだ」
親父「ゴルフサークル?」
客B「そうだ」
親父「ゴルフサークルなら10万円は妥当かもしれませんね」
客A「妥当?」
親父「はい、ゴルフは道具代もかかりますし」
客B「だろ?」
客A「でも、10万円は高いよ」
客B「高くない」
客A「高い」
客B「高くない」
親父「お客さんは何のサークルですか?」
客A「釣りサークルだ」
親父「釣りサークル?」
客A「そうだ」
親父「釣りサークルで5000円なら安いですね」
客B「だろ?」
客A「安い?」
親父「はい、釣りも道具代がかかりますから」
客A「道具代?」
親父「はい、竿や餌代など」
客A「そうか」
親父「5000円なら安いですよ」
客B「だから安いって言ったじゃないか」
客A「そうか、安いのか」
客B「安いよ」
親父「お二人とも、違うサークルの話をしてたんですね」
客A「違うサークル?」
親父「はい、ゴルフと釣りじゃ全然違います」
客B「そうか」
親父「比較できませんよ」
客A「比較できない?」
親父「はい、種類が違いますから」
客B「種類?」
親父「はい、ゴルフと釣りは全然違います」
客A「全然違うな」
客B「全然違うな」
親父「お二人とも、何で喧嘩してたんですか?」
客A「喧嘩?」
親父「はい」
客B「喧嘩してたのか?」
親父「してたでしょう」
客A「してたな」
客B「してたな」
親父「お二人とも、にゅうかい(入会)金の話でにゅうかい(入会)してしまいましたな」
客A「入会?」
親父「はい、喧嘩に入会してしまったということです」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飲み屋での客同士の喧嘩を、入会金の妥当性を巡る争いとして江戸言葉で表現してみました。
オチの「入会金」と「入会(喧嘩に入会)」をかけた言葉遊びです。
違うサークルの話をしていることに気づかずに争うという、よくある勘違いが面白く描けたでしょうか。
今回は71点くらいでしょうか。


