迷信物忘れ
物忘れがひどい人が、迷信に頼って記憶力を改善しようとしたら。
迷信も数が多すぎると、逆に忘れ物が増えそうです。
そんな迷信好きの男の奮闘記を作ってみました。
迷信で物忘れを治そうとする男
物忘れも迷信で治せると信じる男の試行錯誤。
でも、迷信を覚えすぎて、本末転倒になってしまいます。
あらすじ
物忘れがひどい甚五郎が、迷信に詳しい婆さんに相談した。
甚:「婆さん、物忘れを治す方法はないか」
婆:「迷信なら、いろいろあるよ」
甚:「迷信?」
婆:「朝起きたら、東を向いて三回回る」
甚:「それで記憶力が?」
婆:「そうだよ」
甚:「やってみる」
婆:「でも、西を向いちゃダメだよ」
甚:「分かった」
—
翌朝、甚五郎は東を向いて三回回った。
甚:「東、東、えーと、どっちが東だっけ」
結局、分からないまま適当に回った。
甚:「これで記憶力が良くなるかな」
しかし、その日も物忘れは直らなかった。
甚:「効果がない」
再び婆さんに相談に行った。
甚:「婆さん、あの方法は効かなかった」
婆:「じゃあ、別の方法を教えるよ」
—
婆:「枕の下に鏡を置いて寝る」
甚:「鏡?」
婆:「そうだ、鏡で記憶を映すんだよ」
甚:「なるほど」
婆:「でも、割れた鏡はダメだよ」
甚:「分かった」
その夜、甚五郎は鏡を枕の下に置いた。
甚:「これで記憶力が良くなるはず」
しかし、翌朝、鏡を置いたことを忘れていた。
甚:「あれ、なんで鏡が」
—
さらに別の迷信も試した。
婆:「赤い糸を左手首に巻く」
甚:「赤い糸?」
婆:「記憶の糸って言うんだよ」
甚:「へえ」
婆:「でも、右手首に巻いちゃダメ」
甚:「左手首だね」
甚五郎は赤い糸を左手首に巻いた。
甚:「これで大丈夫」
しかし、その日の夕方、糸を巻いた理由を忘れていた。
甚:「なんで糸を巻いてるんだっけ」
—
婆さんからは次々と迷信を教わった。
婆:「靴を揃えて寝る」
甚:「靴を?」
婆:「魚を頭から食べる」
甚:「魚も?」
婆:「塩をひとつまみ舐める」
甚:「塩も?」
婆:「全部記憶に良いんだよ」
甚:「たくさんあるな」
—
甚五郎は迷信を全部覚えようとした。
甚:「えーと、東を向いて回って、鏡を置いて、糸を巻いて」
しかし、迷信を覚えることに夢中になって、他のことを忘れてしまった。
甚:「あれ、今日は何をする予定だったっけ」
迷信は覚えているのに、肝心のことを忘れている。
甚:「これじゃ、意味がないな」
—
ある日、甚五郎は思いついた。
甚:「そうだ、迷信を全部書き留めよう」
甚五郎は教わった迷信を全部書き出した。
甚:「これで『迷信事典』の完成だ」
友人:「迷信事典?」
甚:「そうだ、物忘れに効く迷信を集めた本だ」
友人:「でも、お前の物忘れは治ったのか」
甚:「治ってない」
友人:「じゃあ、効果がないじゃないか」
—
甚:「でも、迷信はたくさん覚えた」
友人:「それは確かに」
甚:「だから、迷信の専門家になった」
友人:「専門家?」
甚:「この事典を売って、商売にするんだ」
友人:「商売?」
甚:「物忘れ治療の迷信を教える商売だ」
友人:「でも、治ってないんだろ」
甚:「治ってないけど、迷信は知ってる」
結局、甚五郎は迷信事典を出版して、物忘れ治療の専門家として有名になった。
甚:「物忘れは治らないけど、迷信博士になった」
まとめ
物忘れを治そうと迷信を覚えすぎた結果、迷信の専門家になってしまいました。
本来の目的は達成できませんでしたが、別の才能を発見したという話。
でも、物忘れは相変わらず治らないままなのが、なんとも皮肉ですね。


