迷子将棋
迷子になった時、普通は道を尋ねるもの。
でも、将棋にしか興味がない子供が迷子になったら。
そんな変わった迷子の話を作ってみました。
現代でも、ゲームに夢中で道を忘れる子供はいそうですね。
将棋しか頭にない子供
道を聞くより将棋を指したい、そんな子供の珍道中。
大人たちも困惑する、変わった迷子の話です。
あらすじ
将棋が大好きな子供、竹千代が師匠の使いで出かけた。
竹千代:「師匠、お使いに行ってきます」
師匠:「気をつけて行くんだぞ」
竹千代:「はい」
師匠:「道に迷ったら、人に聞くんだよ」
竹千代:「分かりました」
しかし、竹千代は将棋盤を持って出かけた。
竹千代:「念のため、将棋盤も持っていこう」
—
案の定、竹千代は道に迷ってしまった。
竹千代:「あれ、どっちだっけ」
通りすがりの人に声をかけた。
竹千代:「すみません」
通行人:「なんだい、坊や」
竹千代:「将棋を指しませんか」
通行人:「将棋?道を聞くんじゃないのか」
竹千代:「はい、将棋で勝ったら道を教えてください」
通行人:「変わった子だな」
—
通行人:「仕方ない、一局指すか」
竹千代:「ありがとうございます」
十分後、竹千代の圧勝だった。
竹千代:「僕の勝ちです」
通行人:「強いな、坊や」
竹千代:「では、道を教えてください」
通行人:「どこへ行きたいんだ」
竹千代:「えーと、忘れちゃいました」
通行人:「忘れた?」
竹千代:「将棋に夢中で」
—
仕方なく、竹千代は次の人に声をかけた。
竹千代:「すみません、将棋を」
商人:「また将棋?」
竹千代:「はい、勝ったら道を教えてください」
商人:「道を聞くのに、なんで将棋?」
竹千代:「それが僕のやり方です」
商人:「変わった子だが、面白いな」
—
商人も竹千代に負けた。
商人:「参った、強いな」
竹千代:「ありがとうございます」
商人:「で、どこへ行きたいんだ」
竹千代:「実は、どこへ行くのか忘れました」
商人:「また忘れたのか」
竹千代:「将棋が面白くて」
商人:「困った子だな」
—
そこへ、竹千代の師匠がやってきた。
師匠:「竹千代、こんなところにいたか」
竹千代:「師匠!」
師匠:「みなさん、うちの弟子がお世話になりました」
通行人:「弟子?」
師匠:「はい、将棋を教えてます」
商人:「道理で強いわけだ」
師匠:「どうやって見つけたかって?」
—
師匠:「将棋盤を持った子供がいると聞けば、竹千代に違いない」
竹千代:「バレちゃいました」
師匠:「お前は将棋以外、何も覚えないからな」
竹千代:「すみません」
師匠:「でも、将棋の腕は確かだ」
通行人:「本当に強かったです」
商人:「また指してもらいたいな」
師匠:「今度は道場においで」
竹千代:「皆さん、今度は師匠と指してください」
師匠:「お前が案内しろ」
竹千代:「道、覚えてません」
一同:「やっぱり!」
まとめ
道を聞く代わりに将棋で勝負を挑む子供。
師匠も「将棋盤を持った子供がいれば竹千代」と分かるほど。
将棋の才能はあるけど、方向音痴は治らない。
でも、そんな個性的な子供も可愛いものですね。


