機械海外
今回も新作落語を作ってしまいました。
機械と海外という、幕末明治の文明開化を思わせる組み合わせです。
時代設定が曖昧ですが、まあ落語ですから。
舶来機械に翻弄される男
あらすじ
文明開化に憧れる伝吉が、横浜で舶来の機械を買ってきた。
伝:「見てくれ、これが西洋の最新機械だ」
隣人:「なんだこりゃ、でっかい樽みてえだな」
伝:「樽じゃねえ!これは…えーと…」
隣人:「名前も知らねえで買ったのか」
伝:「いいんだよ、とにかく便利な機械だって言うから」
隣人:「で、何に使うんだ」
伝:「それは…これから調べる」
—
伝吉は説明書を広げたが、全て英語で書かれていた。
伝:「ウォッシング…マシーン…」
隣人:「読めるのか」
伝:「ウォッシングは『すごい』って意味だ。マシーンは『箱』だろ」
隣人:「すごい箱?」
伝:「つまり、何でも入れられる万能箱だ」
隣人:「本当かよ」
—
伝吉は適当な解釈で機械を使い始めた。
伝:「まず水を入れて…」
隣人:「それは合ってそうだな」
伝:「そして、この『スタート』ってボタンを押す」
ガタガタガタ…機械が激しく振動し始めた。
隣人:「おい、大丈夫か」
伝:「これが西洋式だ。激しく動くんだよ」
—
伝:「よし、茶葉を入れてみよう」
隣人:「茶葉?」
伝:「これでお茶が沸かせるはずだ」
隣人:「そんな機械があるか」
伝:「西洋にはあるんだよ」
三十分後、機械が止まった。
伝:「できた!」
中を覗くと、茶葉がバラバラに散らばっていた。
—
隣人:「これじゃ飲めねえだろ」
伝:「いや、これが西洋式の茶だ。葉っぱごと飲むんだよ」
隣人:「嘘だろ」
伝:「じゃあ次は米を入れてみよう」
隣人:「米?」
伝:「西洋式の炊飯だ」
また三十分後、米は水浸しでぐちゃぐちゃになっていた。
伝:「これが…西洋のお粥だ」
—
数日後、英語の分かる人が通りかかった。
通行人:「これは洗濯機じゃないか」
伝:「洗濯機?」
通行人:「服を洗う機械だよ」
伝:「服を!?」
通行人:「まさか、他の物を入れてないだろうな」
伝:「いや、茶葉と米と、昨日は魚も…」
通行人:「魚!?」
伝吉の万能箱は、ただの洗濯機だった。
まとめ
洗濯機でお茶を沸かそうとする、という無茶苦茶な話でした。
でも、説明書が読めない時って、こんな勘違いもありそうですよね。
…ないか。さすがにないですね。
次はもう少しまともな使い方をする話を考えます。無理かもしれませんが。


