【AI落語】寿限無将棋(新作落語)
みなさん、こんにちは。今回は古典落語の名作「寿限無」を将棋の世界でアレンジしてみました。将棋と落語、どちらも日本の伝統文化として愛され続けているものですが、果たして組み合わせるとどうなるのか。まあ、私の腕前では羽生善治名人にはとてもかないませんが、せめて落語の世界では王手をかけさせていただこうかと思います。
まくら
将棋って面白いもんでして、駒にもそれぞれ個性がありますよね。歩は一歩ずつしか進めませんが、と金になると横にも動ける。飛車は縦横無尽に駆け回るし、角は斜めにシュッと走る。そんな将棋の世界に、あの有名な長い名前の子供が迷い込んだらどうなるか。考えただけでもワクワクしませんか。まあ、私の将棋の腕前は初心者レベルですから、詰みを見逃すことしょっちゅうなんですけどね。
あらすじ
長い名前の誕生
江戸は本郷の将棋道場に、めでたく跡取りが生まれました。
主人の将棋五段の親父さん、大層喜んで、
親父「いやー、めでたい。この子にはとびきり縁起の良い名前を付けてやろう」
と、あちこち相談して回りました。
まず近所の将棋好きの爺さんのところへ。
爺さん「そりゃめでたい。将棋で縁起の良い名前といやあ、やっぱり『王将』だろうな。でも、それだけじゃ物足りん。『飛車角落ち』も付けとけ」
親父「なるほど、それは良い」
次に将棋会所の師匠のところへ。
師匠「王将飛車角落ちか。それなら『四間飛車振り飛車穴熊囲い』も付けなさい。守りも大事だからな」
町内の名人は、
名人「『居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり』はどうだ。戦法も入れておかんと」
隣町の高段者は、
高段者「『羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光』と名人の名前も入れとけ。きっと強くなるぞ」
道場の常連客たちも、
常連「『金銀桂香歩と金龍王龍馬』と全部の駒の名前も入れとけ」
「『詰将棋必至寄せ手筋』も忘れちゃいけない」
「『棋聖王位王座棋王王将名人竜王』とタイトル戦も全部だ」
完成した長い名前
こうして出来上がった名前が、
「王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王」
親父「よし、これで決まりだ!」
日常の困った出来事
三歳になった頃のこと。
この子が道場の将棋盤に頭をぶつけて大泣き。
親父「おーい、王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王、泣くんじゃない」
名前を呼び終わる頃には、子供はもうケロッと笑ってました。
五歳の時。
井戸に落っこちて大騒ぎ。
近所の人「誰か落ちたぞー!」
親父「うちの王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王だ!」
名前を言ってる間に、子供は自分で這い上がってました。
七歳の頃。
近所の悪ガキと喧嘩して。
親父「こら、王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王、人と喧嘩しちゃいかん!」
叱り終わる頃には、相手の子はもうどこかへ行ってしまってました。
大人になって
二十歳になったある日。
近所のお春ちゃんと恋仲になり、ついに結婚の約束を。
春「あたし、あなたのことが好きよ。でも、あなたのお名前、長すぎて覚えられないの」
王将飛車角落ち(以下略)「それなら、短く『王』とでも呼んでくれ」
春「王さん、素敵!」
結婚式の日。
坊さん「では、新郎の名前を読み上げます。王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王…」
読み終わる頃には、披露宴が始まってました。
最後の大事件
三十歳のある日。
お春ちゃんとの間に生まれた子供が、高い塀から落ちそうになって。
春「大変!王ちゃん、助けて!」
王将飛車角落ち(以下略)「おーい、王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い居飛車急戦矢倉囲い横歩取り一手損角換わり羽生善治渡辺明久保利明森内俊之佐藤康光金銀桂香歩と金龍王龍馬詰将棋必至寄せ手筋棋聖王位王座棋王王将名人竜王…」
名前を呼んでいる間に、子供はペタンと尻餅。
春「王ちゃん、大丈夫よ。もう下に降りてるから」
王将飛車角落ち(以下略)「そうか、それは良かった…って、おい!」
春「何?」
王将飛車角落ち(以下略)「今度は俺が塀から落ちそうだ!」
春「えーっと…王将飛車角落ち四間飛車振り飛車穴熊囲い…あれ?なんだっけ?」
まとめ
いかがでしたでしょうか。将棋の専門用語を詰め込んだ寿限無、楽しんでいただけましたか。古典の寿限無では時間の経過が絶妙な味を出していますが、将棋版でも同じような効果を狙ってみました。
それにしても、将棋の用語って本当にたくさんありますね。調べているうちに、私も少しは将棋が強くなったような気がします。気がするだけですけど。
長い名前を覚えられずに困るのは万国共通、いや万棋戦共通ということでしょうか。お春ちゃんの気持ち、よくわかります。でも最後の最後で、肝心な時に名前が出てこないのは、これまた人情というものですな。
他にもいろんなバリエーションの寿限無を作っておりますので、ぜひご覧ください。次回はどんなテーマで挑戦しようかな。チェスもいいし、囲碁もいいし…悩みどころです。


