【AI落語】寿限無イワノフ(新作落語)
古典落語「寿限無」を、今度は極寒のロシアに移してみました。
ロシア独特の父称システムを極限まで拡張した、とても長い名前。
ツンドラの大地とウォッカの温かさが織りなす、ロシア風寿限無をお楽しみください。
バラライカの音色に乗せて、笑いもお届けします。
まくら
ロシア人の名前って、父称というシステムがあるんですね。
イワン・イワノヴィチ・イワノフみたいに、父の名前が真ん中に入る。
それを代々全部つなげたら、どんなことになるでしょうか。
あらすじ
シベリアの小さな村で、農夫のイワンが生まれたばかりの息子に名前をつけようとしていました。
イワン「息子には、代々の誇りを込めた名前をつけたい」
隣人のニコライが提案しました。
ニコライ「父親の名前イワンを入れましょう」
イワン「イワノヴィチ、いいですね。でも、もっと家系の誇りを表したい」
ニコライ「祖父のニコライも入れましょう」
イワン「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ、素晴らしい。でも、まだ足りません」
ニコライ「曽祖父のアレクサンドルも」
イワン「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ。でも、もっと」
二人は次々と先祖の名前を追加していきます。
ニコライ「セルゲイも」
イワン「ミハイルも」
ニコライ「アナトーリーも」
イワン「ウラジーミルも」
ニコライ「ボリスも」
イワン「グリゴーリーも」
ニコライ「パヴェルも」
イワン「アンドレイも」
どんどん長くなる息子の名前。
ニコライ「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ」
イワン「まだまだです。ヴァシーリーも」
ニコライ「ドミトリーも」
イワン「アルカディーも」
ニコライ「レオニードも」
ついに完成した究極の父称は…
イワン「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフだ!」
ニコライ「Превосходно! 素晴らしい名前です」
子供が学校に入る年になりました。
先生「新入生の名前を呼び上げます」
先生「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフ君」
でも、あまりに長すぎて…
生徒A「Что? 今なんと言いましたか?」
先生「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフ君です」
生徒B「Слишком длинно! 長すぎます」
軍隊の召集令状でも…
軍曹「新兵の名前を確認する」
新兵「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフです」
軍曹「もう一度言え」
新兵「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフ」
結婚の申し込みの時も…
仲人「素晴らしい青年をご紹介します」
花嫁の父「その方のお名前は?」
仲人「イワノヴィチ・ニコラエヴィチ・アレクサンドロヴィチ・セルゲエヴィチ・ミハイロヴィチ・アナトーリヴィチ・ウラジーミロヴィチ・ボリソヴィチ・グリゴーリヴィチ・パヴロヴィチ・アンドレエヴィチ・ヴァシーリヴィチ・ドミトリヴィチ・アルカディヴィチ・レオニードヴィチ・イワノフさんです」
花嫁の父「覚えられない」
イワンが心配になってニコライに相談しました。
イワン「ニコライ、息子のことで困っています」
ニコライ「どうしました?」
イワン「名前を言っているうちに、皆凍りついてしまうのです」
ニコライ「それは大変ですね。ところで、なぜストーブを焚いているのですか?」
イワン「名前を言っているうちに、冬が終わってしまったのです」
まとめ
ロシア風寿限無、極寒の笑いを感じていただけましたでしょうか。
どんなに伝統を重んじても、実用性を無視してはいけませんね。
家系の誇りも大切ですが、現実的な配慮も必要です。
寒いロシアでも、心温まる笑いは共通のものです。
ロシア語混じりの落語も、なかなか異国情緒があって面白いものでした。
ウォッカと笑い、どちらも寒さを忘れさせてくれる大切なものかもしれませんね。


