【AI落語】寿限無香道版(新作落語)
今回は古典落語の代表格「寿限無」を香道の世界でアレンジしてみました。香道といえば日本の伝統芸能の中でも特に雅で奥深い世界ですが、果たしてあの長い名前を香道風にするとどうなるのか。正直、香木の名前を調べているうちに自分でも何が何だか分からなくなってきましたが、まあ、それも含めて楽しんでいただければと思います。
まくら
皆さん、香道ってご存知ですか。お香を焚いて香りを楽しむ、あの雅な世界でございます。茶道、華道と並んで日本の三大芸道の一つとされておりまして、室町時代から続く伝統があるんですね。
ところで、香道にも流派がありまして、御家流だの志野流だのと、これがまた複雑でして。香木にも伽羅だの沈香だの白檀だの、聞いたことはあるけれど実際に嗅いだことのない人の方が多いんじゃないでしょうか。私もその一人でございます。
そんな香道の世界に、あの寿限無一家が現れたらどうなるか。まあ、想像するだけで頭がクラクラしてまいりますが、お付き合いください。
あらすじ
昔、京都は西陣に香道の師匠をしている隆仙という方がおりました。この隆仙さん、御家流の家元から直々に免許皆伝をいただいた、なかなかの腕前でございます。
ある日のこと、隆仙さんのところに一人の男がやってまいりました。年の頃なら四十過ぎ、顔色は青白く、どこか上品な雰囲気を漂わせております。
男「先生、実は私、この度めでたく男の子を授かりまして」
隆仙「それはそれは、おめでとうございます」
男「ついては、この子に縁起の良い名前を付けてやりたいと思いまして、香道に造詣の深い先生にお願いに参ったのでございます」
隆仙さん、これを聞いて大いに張り切りました。
隆仙「よろしい、それでは香道に関わる縁起の良い言葉を集めて、この世で一番めでたい名前を付けてさしあげましょう」
そうして隆仙さんが考えに考え抜いて付けた名前がこれでございます。
「伽羅沈香白檀香木真南蛮奇南佳木薫風雅韻志野流御家流十種組香源氏香四季香花月香竹取香雲井香千鳥香夕顔香朝顔香桔梗香菊花香紅葉香雪月花玉楮袋銀葉香炉風炉香盆薫物練香焼香抹香線香渦香香席聞香聞得香判定香木所望香元香会記録雅号投扇興香合わせ伽羅奇楠蘭奢待東大寺正倉院宝物香道具香箱香筥香包香札香紙香扇香鈴香煙立香座香盤香炭香台香立香枕香筅香毛氈香道心得一期一会無上妙香」
この子、元気に育ちまして、近所の寺子屋に通うようになりました。ところが困ったことに、名前が長すぎて呼ぶのが大変でございます。
寺子屋での出来事
ある日、寺子屋で読み書きの時間のことでございます。
師匠「では、『伽羅沈香白檀香木真南蛮奇南佳木薫風雅韻志野流御家流十種組香源氏香四季香花月香竹取香雲井香千鳥香夕顔香朝顔香桔梗香菊花香紅葉香雪月花玉楮袋銀葉香炉風炉香盆薫物練香焼香抹香線香渦香香席聞香聞得香判定香木所望香元香会記録雅号投扇興香合わせ伽羅奇楠蘭奢待東大寺正倉院宝物香道具香箱香筥香包香札香紙香扇香鈴香煙立香座香盤香炭香台香立香枕香筅香毛氈香道心得一期一会無上妙香』、お前の名前を書いてみなさい」
子供「はい、先生」
この子、一生懸命に筆を走らせます。「伽羅沈香白檀香木真南蛮奇南佳木薫風雅韻志野流御家流十種組香源氏香四季香花月香竹取香雲井香千鳥香夕顔香朝顔香桔梗香菊花香紅葉香雪月花玉楮袋銀葉香炉風炉香盆薫物練香焼香抹香線香渦香香席聞香聞得香判定香木所望香元香会記録雅号投扇興香合わせ伽羅奇楠蘭奢待東大寺正倉院宝物香道具香箱香筥香包香札香紙香扇香鈴香煙立香座香盤香炭香台香立香枕香筅香毛氈香道心得一期一会無上妙香」
書き終わったころには、もう夕方でございます。
師匠「おお、よく書けました。では今度は声に出して読んでみなさい」
子供「はい。『伽羅沈香白檀香木真南蛮奇南佳木薫風雅韻志野流御家流十種組香源氏香四季香花月香竹取香雲井香千鳥香夕顔香朝顔香桔梗香菊花香紅葉香雪月花玉楮袋銀葉香炉風炉香盆薫物練香焼香抹香線香渦香香席聞香聞得香判定香木所望香元香会記録雅号投扇興香合わせ伽羅奇楠蘭奢待東大寺正倉院宝物香道具香箱香筥香包香札香紙香扇香鈴香煙立香座香盤香炭香台香立香枕香筅香毛氈香道心得一期一会無上妙香』」
読み終わったころには、もう夜中でございます。
医者との出来事
ある時、この子が熱を出しまして、医者を呼ぶことになりました。
医者「患者さんのお名前は?」
父親「『伽羅沈香白檀香木真南蛮奇南佳木薫風雅韻志野流御家流十種組香源氏香四季香花月香竹取香雲井香千鳥香夕顔香朝顔香桔梗香菊花香紅葉香雪月花玉楮袋銀葉香炉風炉香盆薫物練香焼香抹香線香渦香香席聞香聞得香判定香木所望香元香会記録雅号投扇興香合わせ伽羅奇楠蘭奢待東大寺正倉院宝物香道具香箱香筥香包香札香紙香扇香鈴香煙立香座香盤香炭香台香立香枕香筅香毛氈香道心得一期一会無上妙香』と申します」
医者がカルテに書いているうちに、子供の熱はすっかり下がってしまいました。
医者「あれ、もう治ってしまいましたな」
父親「先生、これはどういうことでしょう?」
医者「名前が長すぎて、書いているうちに自然治癒したんですな」
まとめ
香道の専門用語を詰め込んだ寿限無バリエーション、いかがでしたでしょうか。伽羅や沈香といった香木の名前から、組香の種類、流派名まで、とにかく香道に関する言葉を片っ端から入れてみました。
書いている私自身、途中で何が何だか分からなくなりましたが、それも含めて寿限無の醍醐味かもしれません。古典の時間経過オチもしっかり活かせたと思います。医者がカルテを書いているうちに病気が治るという、なんとも現代的な皮肉も込めてみました。
香道の世界は本当に奥が深く、今回使った用語も氷山の一角に過ぎません。興味を持たれた方は、ぜひ実際の香道体験にも足を運んでみてください。きっと雅な世界が待っていることでしょう。他の寿限無バリエーションもぜひご覧ください。


