【AI落語】寿限無~数珠編~(新作落語)
仏教の世界って、本当に奥が深いですよね。お寺に行くたびに、和尚さんが持っている数珠の美しさに見とれてしまいます。紫檀、白檀、水晶、瑪瑙…まるで宝石箱のような輝きです。
今回は、そんな数珠や仏具をテーマに、古典落語の名作「寿限無」をアレンジしてみました。長い名前の中に仏教の深い世界を込めて、でも最後はやっぱり「あー、そうきたか」というオチで締めくくります。果たして和尚さんと檀家の長い名前バトル、どんな展開になるのでしょうか。
まくら
お寺の檀家総代をやっております田中と申します。
うちの菩提寺の和尚さんがですね、最近妙に張り切っておりまして。何でも「檀家の皆さんに、仏教の素晴らしさをもっと知ってもらいたい」とか言い出しましてね。
で、先日お邪魔したときのこと。和尚さんが大事そうに数珠を手にしながら、こんなことを言うんです。
「田中さん、子供の名前というのは、その子の一生を左右する大切なものですなあ」
「はあ、そうですね」
「仏教には素晴らしい言葉がたくさんある。数珠ひとつとっても、材質から宗派まで、実に奥深い世界がある」
何やら怪しい雰囲気になってきましたが、まあ和尚さんの話ですから、適当に相づちを打っておりました。
あらすじ
和尚さんの提案
「田中さん、今度お生まれになるお孫さんの名前なんですがね」
「ええ、まだ決めかねておりまして」
和尚さんがにこりと笑って、数珠を手の中で転がしながら申します。
「それでしたら、私が考えた素晴らしい名前があるんです。仏教の深い教えと、数珠の美しさを込めた、この世にふたつとない名前です」
「はあ…どんな名前で?」
和尚さんは胸を張って、朗々と唱え始めました。
「紫檀白檀沈香伽羅真言宗浄土宗曹洞宗臨済宗本願寺派大谷派水晶瑪瑙珊瑚琥珀菩提樹星月菩提金剛菩提鳳眼菩提天竺菩提」
「ちょ、ちょっと待ってください。長すぎて覚えられません」
「まだ続きがあります。念珠数珠腕輪念珠振分念珠切子念珠男性用女性用子供用略式正式本式二輪三輪四輪五輪百八念珠二十七念珠五十四念珠三十六念珠」
私はもう頭がくらくらしてきました。
「和尚さん、もう十分長いんじゃ…」
「いえいえ、まだまだです。房総紐頭房切房梵天房紐房桐箱錦袋念珠袋数珠入れ香炉蝋燭線香木魚鉦鼓太鼓」
「和尚さん!」
「最後です。如来菩薩明王天部護法善神南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経般若心経観音経」
私はもうぐったりです。
実際に使ってみると
それから数ヶ月後、めでたく孫が生まれまして、和尚さんの勧めで例の長い名前を付けることになりました。
ところが、これが大変なことになったんです。
近所の奥さんが慌てて飛んできました。
「田中さん、大変です!お宅の紫檀白檀沈香伽羅真言宗浄土宗曹洞宗臨済宗本願寺派大谷派水晶瑪瑙珊瑚琥珀菩提樹星月菩提金剛菩提鳳眼菩提天竺菩提念珠数珠腕輪念珠振分念珠切子念珠男性用女性用子供用略式正式本式二輪三輪四輪五輪百八念珠二十七念珠五十四念珠三十六念珠房総紐頭房切房梵天房紐房桐箱錦袋念珠袋数珠入れ香炉蝋燭線香木魚鉦鼓太鼓如来菩薩明王天部護法善神南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経般若心経観音経ちゃんが、井戸に落ちました!」
私は慌てて駆けつけようとしましたが、紫檀白檀沈香伽羅真言宗浄土宗曹洞宗臨済宗本願寺派大谷派水晶瑪瑙珊瑚琥珀菩提樹星月菩提金剛菩提鳳眼菩提天竺菩提念珠数珠腕輪念珠振分念珠切子念珠男性用女性用子供用略式正式本式二輪三輪四輪五輪百八念珠二十七念珠五十四念珠三十六念珠房総紐頭房切房梵天房紐房桐箱錦袋念珠袋数珠入れ香炉蝋燭線香木魚鉦鼓太鼓如来菩薩明王天部護法善神南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経般若心経観音経という名前を言い終えるのに、あまりにも時間がかかってしまいました。
井戸端での騒動
井戸端には近所の人たちが集まって大騒ぎです。
「早く助けなきゃ!」
「でも、名前を呼ばないと場所がわからない!」
みんなで声を合わせて呼び始めました。
「紫檀白檀沈香伽羅真言宗浄土宗曹洞宗臨済宗本願寺派大谷派水晶瑪瑙珊瑚琥珀菩提樹星月菩提金剛菩提鳳眼菩提天竺菩提念珠数珠腕輪念珠振分念珠切子念珠男性用女性用子供用略式正式本式二輪三輪四輪五輪百八念珠二十七念珠五十四念珠三十六念珠房総紐頭房切房梵天房紐房桐箱錦袋念珠袋数珠入れ香炉蝋燭線香木魚鉦鼓太鼓如来菩薩明王天部護法善神南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経般若心経観音経ちゃーん!」
でも、この長い名前を言っている間に、だいぶ時間が経ってしまいました。
予想外の結末
やっと名前を呼び終えて井戸を覗いてみると…
井戸の底から元気な声が聞こえてきました。
「おじいちゃん、やっと呼んでくれたのね!でも大丈夫よ!お念珠の紐が井戸の石に引っかかって、宙吊りになってるから落ちてないの!」
「え?お念珠?」
「そうよ、おじいちゃんがくれたお念珠よ。名前が長すぎるから、みんなお念珠って呼んでるの!」
まとめ
いかがでしたでしょうか。古典落語「寿限無」の数珠バージョン、楽しんでいただけましたか。
実際に数珠の材質や仏具の名前を調べてみると、本当に奥深い世界で驚きました。紫檀、白檀、沈香、伽羅といった香木から、各宗派の念珠の違い、房の種類まで、仏教文化の豊かさを改めて感じます。
最後のオチは、長い名前を付けたのに結局みんなが短く呼んでしまうという、寿限無の定番パターンを踏襲しつつ、数珠が命を救うという仏教的な救済を織り込んでみました。井戸に落ちた時間の経過も、古典の良さを残せたかなと思います。
和尚さんの教えも、時には実用的すぎて困ることもありますが、仏教の深い世界を知るきっかけにはなりそうですね。他にも色々な落語を書いておりますので、ぜひご覧ください。きっと新しい発見があると思いますよ。
「名前は短い方が、緊急時には助かるなあ」


