居酒屋寄席
居酒屋と寄席を組み合わせた新作落語です。
酒を飲みながら落語を聞くなんて、なんとも贅沢な話ですが、果たしてうまくいくのでしょうか。
私も酔って作っているわけではありませんが、なんだか頭がふらふらしてきました。
酒と落語の危険な組み合わせ
あらすじ
商売上手な居酒屋の主人、源兵衛が新しいアイデアを思いついた。
源兵衛:「最近、客足が伸びないな」
女房:「どこも同じようなもんでしょ」
源兵衛:「そうだ!寄席を作ろう」
女房:「寄席?」
源兵衛:「酒を飲みながら落語を聞く。これは受けるぞ」
女房:「でも、噺家を呼ぶお金は」
源兵衛:「大丈夫、安い若手を使う」
—
源兵衛は二つ目の噺家、笑遊を雇った。
源兵衛:「頼む、うちの店で落語をやってくれ」
笑遊:「居酒屋で?」
源兵衛:「そうだ。新しい試みだ」
笑遊:「でも、お客さんが騒いだら」
源兵衛:「その時は適当に合わせてくれ」
笑遊:「適当って…」
源兵衛:「プロなら何とかなるだろ」
—
開店初日、客がぞろぞろと入ってきた。
源兵衛:「いらっしゃい!今日は落語付きだ」
客 A:「落語?」
源兵衛:「酒を飲みながら聞けます」
客 B:「面白そうだな」
笑遊が高座(といっても座布団一枚)に座った。
笑遊:「え〜、本日は…」
客 C:「おい、酒もってこい」
—
笑遊:「では、『寿限無』を一席」
客たちは酒を飲みながら聞いている。
笑遊:「寿限無寿限無〜」
客 D:「おもしろいな、もう一杯」
笑遊:「五劫の擦り切れ〜」
客 E:「こっちも酒だ」
源兵衛は大忙しで酒を注いで回る。
笑遊:「(声が聞こえなくなってきた)」
—
客たちが酔ってくると、だんだん騒がしくなってきた。
客 A:「おい、噺家!一杯やれよ」
笑遊:「え?私も?」
客 B:「堅いこと言うな」
結局、笑遊も酒を飲みながら落語を続けることに。
笑遊:「では…ヒック…続きを」
客 C:「おお、酔っ払い落語だ」
—
酒が回ってきた笑遊の落語は、だんだんめちゃくちゃになった。
笑遊:「寿限無が…ヒック…風呂に入って…」
客 D:「寿限無が風呂?」
笑遊:「そこに犬がやってきて…ヒック…」
客 E:「話変わってるぞ」
客 F:「でも面白い」
客たちは大笑いしながら酒を飲んでいる。
—
とうとう客も噺家も区別がつかなくなった。
客 A:「俺もひとつ話すか」
客 B:「じゃあ俺も」
客 C:「みんなで落語大会だ」
笑遊:「(完全に酔っ払って)いいねぇ〜」
結局、店中の客が代わる代わる即興落語を始めた。
源兵衛:「これじゃ『全員落語家居酒屋』だ」
女房:「でも、お客さんは楽しそうよ」
源兵衛:「まあ、商売繁盛だからいいか」
客たち:「毎日やってくれ〜」
まとめ
酒と落語の組み合わせが、とんでもない化学反応を起こしました。
プロの落語家が酔っ払って、素人が落語を始める。
でも、みんなが楽しければそれでいい。それが江戸っ子の心意気ですね。


