【AI落語】心理学こわい(新作落語)
現代でいう心理学ですが、江戸時代でも人の心を読むのが上手な人はいました。相談事に乗ったり、人間関係の仲裁をしたり、今でいうカウンセラーのような役割です。
今回は、そんな人の心を読むのを嫌がる男の話です。
まくら
昔から「人の心は分からない」と言いますが、中には人の気持ちを察するのが得意な人もいました。表情や仕草から、相手の心境を読み取る。現代の心理学に通じるものがあったでしょう。
長屋でも、悩み事があると、そういう人に相談することがありました。ただし、中には人の心を読むのを嫌がる人もいまして…
あらすじ
智吉「最近、人間関係で悩んでるんだ。誰かに相談に乗ってもらいたいな」
賢次「俺も仕事のことで迷ってる。一緒に話を聞いてもらおう」
博蔵「みんなで相談し合えば、良い答えが見つかるかもしれないぞ」
そこに、困った顔をした察公がやってきた。
智吉「察公も一緒に相談に乗ってくれないか?」
察公「え?相談?」
察公の顔が引きつる。
察公「と、とんでもねえ!俺は人の心を読むのが大の苦手なんだ」
賢次「なんでだよ?」
察公「人の表情を見ると、頭がくらくらして、気分が悪くなるんだ。それに、悩み事を聞くと、自分まで悩んでしまって夜も眠れない」
察公「心理学ほど恐ろしいものはねえよ」
翌日、三人は察公と一緒に相談事をしようと誘った。
智吉「察公、簡単な話から聞いてくれないか?」
察公「うわああああ!」
ところが、三人の悩みを聞いて、察公はつい的確なアドバイスをしてしまう。
察公「お前の悩みは、本当は別のところにあるな。根本的な問題はこっちだ」
賢次「すごい洞察力だ」
察公「そっちの問題も、表面的なことに惑わされてるだけだ。本質はもっと深いところにある」
気がつくと、察公は三人の悩みを完璧に解決していた。
智吉「心理学の専門家みたいだ…」
察公「実は俺、元は人生相談を商売にしてたんだ。でも、相談が上手すぎて、俺に頼る人ばかりになっちまう。それで他の相談役を困らせるのが怖いんだよ」
まとめ
心理学恐怖症を装った察公は、実は人生相談の専門家でした。洞察力が鋭すぎて同業者に迷惑をかけるのを恐れていたとは、カウンセラーらしい理由でしたね。
確かに、あまりに優秀な相談役がいると、他の人の出番がなくなってしまうかもしれません。察公の気遣いも理解できます。
これからは適度なアドバイスで、みんなで助け合えるといいですね。


