鼠径部騒動
着物ってのは、着方を間違えると大変なことになりまして。
今回は、着物の着方が下手くそな男の恥ずかしい話を新作落語にしてみました。
品がない?まあ、これも人生の一コマってことで。
着崩れは身を滅ぼすって言いますがね
江戸は本所に、着物の着方がどうにも下手な男がおりました。
名前を源助といいます。
源助「今日も仕事か…」
独り身の源助、朝の支度も適当です。
源助「よっと…これでいいか」
しかし、歩き始めるとすぐに着崩れが。
通行人A「おい、あの人…」
通行人B「見えてる、見えてる」
恥ずかしい一日
源助が歩くたびに、着物の裾が開いて鼠径部がチラチラと。
八百屋のおかみ「源助さん!」
源助「なんだい」
おかみ「ちょっと、はしたないよ!」
源助「え?ああ!」
慌てて直すも、またすぐに開いてしまいます。
源助「くそ、なんで俺の着物はすぐ開くんだ」
女性たちの反応
ところが、妙なことが起き始めました。
若い女性A「(ひそひそ)あの人よ」
若い女性B「(ひそひそ)ええ、源助さん」
若い女性A「意外といい体してるわね」
源助は気づいていませんでしたが、女性たちの視線を集めていたのです。
モテ期到来?
茶屋で一服していると。
お梅「源助さん、お茶おかわりは?」
源助「あ、ああ…」
お梅「最近、評判ですよ」
源助「評判?俺が?」
お梅「ええ、町の女性たちの間で」
源助「(まさか、俺の魅力にみんな気づいたか?)」
勘違い
源助はすっかり調子に乗りました。
源助「どうやら俺も、ついにモテ期が来たらしい」
友人の八兵衛「お前が?」
源助「ああ、女たちの視線を感じる」
八兵衛「それは着物が開いてるからだろ」
源助「違う!これは色気だ!」
エスカレート
勘違いした源助は、わざと着崩れたまま歩くように。
源助「(これが俺の武器か…)」
しかし、さすがに目に余るようになり。
番屋の同心「おい、そこの男」
源助「へい」
同心「その格好はなんだ」
源助「これは…ファッションです」
同心「ファッション?」
注意される
同心「とにかく、きちんと着なさい」
源助「でも、これで女性にモテて…」
同心「モテる?」
源助「ええ、みんな俺を見てくれます」
同心「それは別の意味で見てるんだ!」
真実の発覚
同心に連れられて、呉服屋へ。
呉服屋「ああ、この着物…」
源助「どうかしたか?」
呉服屋「これ、女物ですよ」
源助「は!?」
呉服屋「前の合わせが逆だし、丈も短い」
源助「じゃあ、俺はずっと女物を…」
さらなる真実
呉服屋「しかも、これ…」
源助「まだあるのか?」
呉服屋「下に履く長襦袢がない」
源助「長襦袢?」
呉服屋「だから、鼠径部が丸見えなんです」
源助は真っ赤になりました。
女性たちの本音
後日、茶屋で女性たちの会話を立ち聞きしてしまった源助。
女性A「源助さんの話題よ」
女性B「あの人、かわいそうよね」
女性A「誰か教えてあげればいいのに」
女性B「でも、面白いから黙ってたのよね」
源助「(俺は見世物だったのか…)」
最後の災難
落ち込んだ源助が、ちゃんとした男物の着物を買って歩いていると。
お梅「あら、源助さん」
源助「ああ…」
お梅「今日はきちんと着てるのね」
源助「当たり前だ」
お梅「つまらない」
源助「え?」
お梅「実は、賭けをしてたの」
源助「賭け?」
お梅「今日は何色のふんどしか、って」
まとめ
女物の着物を着て、鼠径部丸出しで歩いてた男の話でした。
モテてると思ったら、単なる見世物だったってオチ。
自己採点は75点。下ネタだけど、男の悲哀も感じられる…かな?


