女房の秘密道具
夫婦の間にも、知らない秘密ってもんがあるもんで。
今回は、そんな夫婦の秘密をめぐる話を新作落語にしてみました。
詮索は良くないって分かってても、気になっちゃうのが人情ってもんで。
まくら
人の秘密ってのは、知りたくなるのが性でございまして。
あらすじ
神田の呉服屋の主人、伊助。
ある日、女房のお千代が出かけた隙に、掃除をしていると…
伊助「お千代の部屋も片付けるか」
箪笥を動かしていると、奥から何かが。
伊助「これは…何だ?」
手のひらサイズの、丸い木製の道具でした。
正体不明
伊助「(何に使うんだ、これは?)」
よく見ても、用途が分かりません。
伊助「茶道具?いや、違うな」
伊助「まさか、女の秘密の道具?」
変な想像が頭をよぎります。
相談できない
伊助「(でも、これ、どうやって聞けばいいんだ?)」
直接聞くのは恥ずかしい。
伊助「『この道具、何ですか?』なんて…」
伊助「絶対に怪しまれる」
悩む伊助。
隠密調査
伊助は、こっそり調査することにしました。
伊助「(いつ、どこで使ってるんだろう?)」
女房の行動を観察し始めます。
伊助「最近、よく蔵に行くな」
伊助「何かしてるのか?」
でも、確証は得られません。
友人に相談
ついに番頭の源助に相談。
伊助「実は、女房の秘密道具を見つけてしまって…」
源助「秘密道具?」
伊助「丸い木の棒のような…」
源助「ほほう…それは…」
源助の反応が気になります。
憶測
源助「それは多分…」
伊助「多分?」
源助「女の…その…一人の時の…」
伊助「やっぱり!」
二人の想像は同じ方向へ。
エスカレート
伊助「どうすればいいんだ?」
源助「知らないふりが一番」
伊助「でも、気になって仕方ない」
源助「旦那、それは触らない方が…」
しかし、伊助の好奇心は収まりません。
実験
伊助は一人の時に、道具を調べました。
伊助「どう使うんだろう?」
あれこれ試してみますが、よく分からない。
伊助「この凹みは何だ?」
ますます謎が深まります。
専門家に相談
伊助は医者に相談することに。
医者「そういう道具ですか…」
伊助「はい、女房の…」
医者「ふむ、大きさは?」
伊助「手のひらくらいです」
医者「それは…」
意外な答え
医者「多分、薬研(やげん)じゃないですか?」
伊助「薬研?」
医者「薬を砕く道具です」
伊助「薬を?」
伊助「でも、なんで隠すんだ?」
医者「何か秘密の薬を作ってるのでは?」
新たな疑惑
伊助「(秘密の薬?まさか毒薬?)」
今度は別の心配が。
伊助「(俺を殺そうと?)」
伊助「いや、そんなはずは…」
妄想が膨らみます。
直接対決
ついに伊助は決心しました。
伊助「お千代、聞きたいことがある」
お千代「はい、何でしょう?」
伊助「あの…丸い木の道具…」
お千代「あ!見つかっちゃった」
やっぱり秘密があった様子。
白状
お千代「実は…」
伊助「実は?」
お千代「胡麻をするための道具なんです」
伊助「胡麻?」
お千代「あなた、最近体調悪そうで…」
真実
お千代「胡麻は体にいいから、すって料理に混ぜてたの」
伊助「それで隠してたのか?」
お千代「あまり大げさにしたくなくて」
伊助「なんだ、そんなことか」
拍子抜けする伊助。
感動
しかし、すぐに感動が。
伊助「俺の体を心配して…」
お千代「気づかれないようにって思ったんですけど」
伊助「ありがたい話だ」
お千代「でも、バレちゃいましたね」
夫婦の絆が深まった瞬間。
でも、後日…
源助「旦那、あの道具の正体は?」
伊助「胡麻すりだった」
源助「胡麻すり?」
伊助「俺の健康のために」
源助「それは良い女房だ」
伊助「ああ、感謝してる」
しかし、その夜…
お千代「(本当の用途、言えなかった…)」
実は、お千代にとってはまた別の用途もあったのですが、それは秘密のまま。
お千代「まあ、胡麻すりも嘘じゃないし」
まとめ
女房の秘密道具の正体は胡麻すりでしたが、実はもっと深い秘密があったかもって話でした。
夫婦の間には、優しい嘘もあるってことですね。
自己採点は80点。下ネタっぽく始めて、最後は夫婦愛で締められたかな?


