乳父の悩み
武家の奉公ってのは、時には思いもよらない役目を仰せつかることがありまして。
今回は、「乳父」という役職を勘違いした男の話を新作落語にしてみました。
真面目に取り組む姿が、かえって笑いを誘うという…
まくら
漢字ってのは、時として人を惑わすもんで。
あらすじ
旗本の山田家に仕える、真面目な中間の佐助。
ある日、主人に呼ばれました。
主人「佐助、お前に新しい役目を与える」
佐助「はっ、なんなりと」
主人「乳父になってもらいたい」
佐助「乳父…ですか?」
主人「我が家に男子が生まれた。その子の世話を頼む」
勘違いの始まり
佐助は文字は読めるものの、教養はありません。
佐助「(乳父…乳の父…)」
佐助「(ということは、乳を出す父親ってことか?)」
佐助「男が乳を出すなんて、できるのか?」
でも、主人の命令は絶対です。
必死の努力
佐助は必死に乳を出そうと努力し始めました。
佐助「(どうすれば男でも乳が出るんだ?)」
料理人「佐助、何をぶつぶつ言ってるんだ?」
佐助「いや、その…乳父の勉強を…」
料理人「乳父って、子守のことだろ?」
佐助「違う!乳を出すんだ!」
情報収集
佐助は女中たちに相談しました。
佐助「すみません、どうすれば乳が出ますか?」
女中A「は?」
佐助「男でも乳を出す方法があるはずです」
女中B「そんなわけないでしょ」
佐助「でも、乳父って…」
女中A「ああ、子守りのことね」
でも、佐助は信じません。
民間療法
佐助は町へ出て、情報を集めました。
薬屋「男が乳を出したい?変わったお客だな」
佐助「何か薬はありませんか?」
薬屋「ないよ、そんなもん」
佐助「でも、仕事で必要なんです」
薬屋「じゃあ、これでも飲んでみるか」
怪しい薬を売りつけられる佐助。
副作用
薬を飲んだ佐助に、変化が。
佐助「なんか、胸が張ってきた…」
同僚「顔色も悪いぞ」
佐助「でも、これで乳が出るかも」
同僚「本気で言ってるのか?」
実は、薬には変な成分が入っていました。
体調不良
佐助の体調はどんどん悪化。
医者「これは…変な薬を飲んだな」
佐助「乳を出すための薬です」
医者「馬鹿者!男が乳など出るわけない」
佐助「でも、乳父だから…」
医者「乳父は子守のことだ!」
ようやく理解
佐助は初めて真実を理解しました。
佐助「乳父って…子守なんですか?」
医者「当たり前だ」
佐助「乳を出すんじゃなくて?」
医者「当たり前だ!」
佐助「なんだ、そうだったのか…」
一ヶ月後
薬の副作用もようやく治った佐助。
いよいよ乳父としての仕事開始。
主人「佐助、遅くなったが、いよいよ乳父を頼む」
佐助「はい、子守ですね」
主人「そうだ」
佐助「あの、乳は出さなくていいんですよね?」
主人「何を言ってるんだ?」
佐助「いえ、何でもありません」
育児奮闘
佐助は一生懸命赤ちゃんの世話をしました。
佐助「よしよし、泣かないで」
赤ちゃん「うぇーん」
佐助「お腹が空いたか?」
赤ちゃん「うぇーん」
佐助「でも、俺は乳が出ない…」
女中「だから、お乳は乳母がやるのよ」
新たな問題
すっかり慣れた頃、新たな問題が。
主人「佐助、実は乳母を雇った」
佐助「はい」
主人「お前の役目はもう終わりだ」
佐助「え?もう終わりですか?」
せっかく子守に慣れたのに、もうお役御免。
乳母「この子、懐いてるわね」
佐助「はい、可愛いもので」
乳母「あなた、本当に男?」
佐助「え?」
乳母「だって、胸が…」
見ると、薬の副作用で、佐助の胸が少し膨らんでいました。
佐助「これは薬の副作用で…」
乳母「薬?まさか、本当に乳を出そうとしたの?」
まとめ
乳父を乳を出す父親だと勘違いした男の話でした。
努力は認めますが、方向が完全に間違ってましたね。
自己採点は75点。下ネタだけど、純粋な勘違いから生まれた笑いってことで!


