【AI落語】平成ポケモンGOおじさん(新作落語)
平成も終わりに近づいた頃、世界中でポケモンGOというスマホゲームが大流行しました。
子供から大人まで、スマホを片手に街を歩き回る姿は、まさに現代の風物詩。でも、特に夢中になったのは意外にも中年男性だったという…
まくら
昔なら、おじさんの趣味といえば競馬かパチンコでしたが、今はスマホゲーム。
時代は変わったもんです。でも、夢中になる姿は昔も今も変わりません。
本編
商社に勤める田中部長(52歳)。
平成のサラリーマンとして、毎日満員電車に揺られ、残業に追われる日々でした。
田中「毎日同じことの繰り返し…何か刺激が欲しいな」
そんな時、息子がポケモンGOを教えてくれました。
息子「お父さん、これ面白いよ」
田中「ポケモン?子供の遊びじゃないか」
息子「大人もハマってるよ。現実世界でポケモンを捕まえるんだ」
初体験
半信半疑でアプリをダウンロードした田中部長。
田中「えーと、どうやるんだ?」
ブルブル(スマホが振動)
田中「おっ、何か出た!ポッポ?」
スマホの画面に映る可愛いポケモン。
田中「これをボールで捕まえるのか…」
フリック
『ゲットだぜ!』
田中「お、捕まえた!なんか嬉しいな」
ハマる過程
最初は通勤の合間にやっていただけでしたが、
田中「ピカチュウが出るらしい公園があるのか…」
だんだんエスカレート。
田中「レアポケモンが出現中!急がなきゃ」
会議中でもスマホが気になって、
田中「すみません、ちょっとトイレに…」
トイレでポケモン捕獲。
同僚「部長、最近トイレ長くないですか?」
田中「え?あ、年のせいかな(ポリゴンゲット!)」
本格参戦
とうとう休日は朝から晩までポケモン狩り。
妻「お父さん、どこ行くんですか?」
田中「ちょっと散歩してくる」
妻「散歩?スマホ持って?」
田中「健康のためだよ」
実際はレイドバトルに参加するため、電車で隣町まで。
田中「フリーザーレイド、あと5分で開始!急げ!」
駅を全力ダッシュする52歳サラリーマン。
職場でも話題
いつの間にか、職場でもポケモンGOの話ばかり。
田中「佐藤君、昨日ミュウツーゲットしたよ」
佐藤(25歳)「すごいですね、部長」
田中「君のレベルは?」
佐藤「35です」
田中「私は45だ」
後輩「部長、ポケモンレベルの方が出世早いですね」
田中「ポケモンは裏切らないからな」
家庭崩壊の危機
家では妻と息子が心配顔。
妻「お父さん、最近ポケモンの話しかしませんね」
田中「だってコミュニティデイがあるんだ」
息子「お父さん、僕より詳しくなってる…」
田中「色違いのポケモンを見つけるコツを教えてやろう」
妻「お父さん、家族より大事なものができたんですね」
田中「そんなことないよ。ただ、ポケモンマスターになりたいだけで…」
妻「52歳でマスターって…」
会社でも問題
とうとう会社の会議でも、
田中「この企画はCP値が低いですね」
部下「CP値って何ですか?」
田中「あ、え?コストパフォーマンスのことです(ポケモン用語が出ちゃった)」
営業会議で、
田中「我が社も進化が必要です」
社長「具体的には?」
田中「アメを集めて…いえ、資金を集めて設備投資を」
部下たち「(部長、完全にポケモン脳だ)」
転機
ある日、電車でポケモンをやっていたら、隣に座っていたおじいさんに声をかけられました。
おじいさん「それ、ポケモンかい?」
田中「はい、ご存知ですか?」
おじいさん「孫がやっててね。私も始めてみたいんだが、やり方がわからなくて」
田中「お教えしますよ」
おじいさん「ありがとう。でも、このゲーム、歩くことが大事なんだってね」
田中「そうです。運動不足解消にもなります」
おじいさん「私はね、散歩が趣味だったんだが、最近は孫がいないと外に出なくなってしまって」
田中「…」
おじいさん「でもこのゲームがあれば、また外に出歩く理由ができるかな」
田中「きっとできますよ」
気づき
家に帰った田中は、妻に言いました。
田中「実は、ポケモンGOのおかげで毎日歩くようになったんだ」
妻「それはいいことですね」
田中「電車でもお年寄りに席を譲る機会が増えた」
妻「どうして?」
田中「歩いた方がポケモンが出るから、立っている方がいいんだ」
妻「結果的にはいいことしてるのね」
息子「お父さん、今度一緒にポケモン狩りしない?」
田中「おお!親子でレイドバトルだ」
妻「でも、ポケモンマスター宣言は取り下げてください」
田中「えー、でもコンプリートまで、あと3匹なんだ」
妻息子「「頑張って!」」
まとめ
というわけで、趣味も使いようで、家族とのコミュニケーションにもなるという話でした。
ポケモンGOのおかげで運動不足も解消されて、親子の会話も増えたなら、一石二鳥ですね。
ただし、52歳でポケモンマスターを目指すのは、年相応かどうか微妙なところですが。


