【AI落語】蛇こわい(新作落語)
前回の「雷こわい」に続いて、また「まんじゅうこわい」のオマージュを作ってみました。
今度のテーマは蛇。私自身は蛇はそんなに得意やないんですが、世の中には蛇好きの人もおるし、蛇嫌いの人もおる。まあ、どっちかいうたら嫌いな人の方が多いかもしれませんな。
そんな蛇を使って、また関西弁で一席やらせてもらいます。
まくら
蛇いうたら、みなさんどない思いはります?
私の知り合いに、蛇を飼うてる人がおるんですよ。「可愛いで」て言われても、正直よう分からん。触らせてもろたことあるんですが、あのひんやりした感触がなんとも…。
せやけど、その人にとっては家族同然やそうで。「この子はおとなしいから」て言うて、首に巻かせてくれたこともあります。まあ、慣れてしもたら案外どうちうことないもんかもしれませんが。
人の好みはほんまに様々ですなあ。
あらすじ
秋の夕暮れ時のことや。
町内の青年団の四人が、公園のベンチに座って雑談しとった。最近、近所で変な事件が続いとって、その話で盛り上がっとる。
太一「なあ、昨日も田中のおばはんが、庭で変なもん見たて騒いどったで」
次作「何見たんや?」
太一「大きな影がうろうろしとったて。怖いもんやなあ」
三吉「怖いもんて、この世にはいろいろあるからなあ」
四助「そやな。みんな、何が一番怖い?」
太一「面白いこと言うやん。みんなで言い合うてみよか」
みんな賛成して、順番に始まることになった。
太一「俺は暗闇が怖いわ。特に街灯のない道とか、一人で歩くのは絶対無理や」
次作「俺は霊が怖い。お化け屋敷なんか、絶対入らへん」
三吉「俺は犬が怖いな。小さい頃、近所の犬に噛まれてから、どんな小さい犬でもあかん」
さあ、最後に四助の番や。
四助「俺は…蛇が怖い」
太一「蛇か!」
四助「そや。あのにょろにょろした動きとか、じっと見つめる目とか、考えただけでも鳥肌立つわ」
次作「蛇なんて、そんなに怖いか?」
四助「怖いで!特に毒蛇なんか、考えただけでも足がすくむわ」
三吉「ほんなら、四助をからかうたろか」
三人は悪い顔をして相談し始めた。
太一「おい四助、ちょっと待っとけ。ええもん見せたるから」
四助「何や?まさか蛇やないやろな?」
次作「大丈夫や。本物やないから」
三吉「ちょっと家まで取りに帰るわ」
しばらくして、三吉が戻ってきた。
手には大きなおもちゃの蛇を持ってる。
三吉「ほら、これや!よう出来とるやろ?」
四助「うわあ!やめてくれ!」
太一「これは作り物やで。触ってみ」
四助「絶対嫌や!近づけんといて!」
次作「ほんまに怖がっとるやん」
ところが、四助をよく見ると、
怖がってるというより、なんか違う反応をしとる。
四助「ちょっと…それ、どこで買うたん?」
三吉「え?おもちゃ屋やけど…なんで?」
四助「えらい精巧に出来とるやん。触らせてくれ」
太一「あれ?怖いんやないんか?」
四助「いや…よう見たら、ええ造りやなあ思うて」
四助は恐る恐る手を伸ばし、おもちゃの蛇を触り始めた。
四助「おお、この質感!本物みたいや」
次作「四助、おまえ蛇好きなんか?」
四助「実は…子供の頃から蛇は大好きやねん」
三吉「せやったら、何で怖いて言うたんや?」
四助「だって、『蛇が好き』て言うたら、変人やと思われるやろ?みんな普通に怖がっとるから、合わせただけや」
太一「なるほどな。それで嘘ついたんか」
四助はおもちゃの蛇を首に巻いて、嬉しそうにしとる。
四助「ええなあ、これ。家に持って帰ってもええか?」
三吉「ええよ。どうせもう使わへんし」
次作「四助、他に怖いもんはないんか?」
四助は首に蛇を巻いたまま、少し考えて答えた。
四助「あるで。一つだけ、ほんまに怖いもんがある」
太一「今度は本当やろな?」
四助「蛇の抜け殻や」
まとめ
蛇をテーマにした「まんじゅうこわい」、いかがやったでしょうか。
今回のオチは「蛇の抜け殻が怖い」にしました。蛇は好きやけど、抜け殻は怖いという、ちょっと変わった設定です。確かに、あの薄っぺらい感じは、蛇本体とは全然違う怖さがありますもんね。
関西弁で書いてると、だんだんコツが掴めてきた気がします。まあ、生粋の関西人から見たらまだまだかもしれませんが、雰囲気だけでも楽しんでもらえれば幸いです。
次回も懲りずに「まんじゅうこわい」シリーズ、続けさせてもらいます。


