借金無駄遣い
落語の世界では借金と無駄遣いは切っても切れない関係。
そんな二つを掛け合わせたら、どんな化学反応が起きるのか。
今宵はそんな一席をお聞きください。
借金取りから逃げる男の一発逆転
あらすじ
朝から借金取りに追われる弥助が、路地裏に隠れていた。
借金取り:「弥助!いるのは分かってるぞ!」
弥助:「(小声で)くそっ、また来やがった」
そこへ通りかかった友人の熊公。
熊:「おい弥助、こんなところで何してる」
弥助:「しっ!借金取りが来てるんだ」
熊:「いくら借りてるんだ」
弥助:「合わせて…五両」
熊:「五両!よくそんなに借りられたな」
—
弥助:「実は昨日、なけなしの一分で富くじを買ったんだ」
熊:「借金あるのに富くじ?」
弥助:「これで当たれば一発逆転だろ」
熊:「そんなうまい話があるか」
弥助:「いや、俺には勝算がある。夢でお告げがあったんだ」
熊:「夢?」
弥助:「白い蛇が出てきて『七』って言ったんだ」
—
その日の夕方、富くじの当選番号が発表された。
弥助:「ええと、俺の番号は…七百七十七番」
発表:「本日の当選番号は…七百十七番!」
弥助:「やった!当たった!」
熊:「おい、ちょっと待て。七百十七番だぞ」
弥助:「七が三つあるだろ?同じだ同じだ」
熊:「全然違うだろ!」
—
しかし弥助は聞く耳を持たない。
弥助:「これで借金も返せる!いや、その前に祝いだ!」
弥助は行きつけの飲み屋で大盤振る舞いを始めた。
弥助:「今日は俺のおごりだ!みんな飲め飲め!」
客たち:「弥助の奴、どうしたんだ」
弥助:「富くじに当たったんだよ!」
—
翌朝、二日酔いの弥助のもとに借金取りがやってきた。
借金取り:「弥助、富くじに当たったそうじゃねえか」
弥助:「(酔いが覚めて)あ、あれは…」
借金取り:「当選おめでとう。祝いの酒でももらおうか」
弥助:「いや、実は番号を見間違えて…」
借金取り:「何?じゃあ昨日の飲み代は?」
弥助:「それも…ツケで…」
—
借金取り:「ツケ!?借金があるのにツケを作ったのか!」
弥助:「す、すみません」
借金取り:「でも、当選祝いをもらう約束は約束だ」
弥助:「当たってないのに祝い金?」
借金取り:「『当たったつもり祝い金』だ。さあ、昨日いくら使った?」
弥助:「に、二両…」
借金取り:「よし、その二両分、今すぐ返せ。利子つけて三両な」
弥助:「そんな金どこに…」
借金取り:「ないなら、お前が『当選商品』だ。さあ、来い!」
まとめ
番号を見間違えて豪遊した挙句、借金取りに「当選おめでとう金」を要求される。
しかも最後は自分自身が賞品として連れて行かれるという、踏んだり蹴ったりの結末。
こんな間抜けな話、現実にはないと思いたいものです。


