布団花火其の二
前回「花火時計」として成功した新助が、さらなる発明に挑戦。
今度は季節ごとに違う花火を楽しめる「四季布団」を開発することに。
でも、機械というものは、いつも思い通りにはいかないものです。
四季を感じる布団の開発
季節感を大切にする日本人の心を、布団に込めた新助。
でも、機械の故障で四季がごちゃ混ぜになってしまいます。
あらすじ
前回の成功で調子に乗った新助が、新しい発明を思いついた。
新助:「今度は、もっと風情のある布団を作ろう」
妻:「風情?」
新助:「四季布団だ」
妻:「四季布団?」
新助:「春夏秋冬、それぞれに合った花火を仕込む」
妻:「季節ごとに違う花火?」
新助:「春は桜の花火、夏は祭りの花火、秋は紅葉の花火、冬は雪の花火」
妻:「それは風情がありますね」
—
新助は四季布団の開発を始めた。
新助:「春の花火は、ピンク色にしよう」
妻:「桜みたいで綺麗ですね」
新助:「夏の花火は、大きな音で」
妻:「祭りの雰囲気が出ますね」
新助:「秋の花火は、赤と黄色で」
妻:「紅葉の色ですね」
新助:「冬の花火は、白い色で」
妻:「雪みたいで美しいです」
—
新助は季節を感知する装置も取り付けた。
新助:「この装置で季節を判断する」
妻:「どうやって?」
新助:「温度と湿度で季節を判断するんだ」
妻:「すごい仕組みですね」
新助:「春なら桜の花火、夏なら祭りの花火が自動で上がる」
妻:「自動で?」
新助:「そうだ、季節に合わせて自動で花火が変わる」
妻:「便利ですね」
—
しかし、最初のテストで問題が発生した。
新助:「あれ?おかしいな」
妻:「どうしたんですか」
新助:「春の花火のはずなのに、夏の花火も上がってる」
妻:「両方?」
新助:「それだけじゃない、秋の花火も」
妻:「三つも?」
新助:「冬の花火も上がってる」
妻:「四つ全部?」
新助:「装置が故障してるみたいだ」
—
四季の花火が同時に上がって、大混乱になった。
ドーン!パーン!ヒューッ!バーン!
新助:「これは派手すぎる」
妻:「近所の人が驚いてます」
新助:「春夏秋冬が一度に来たみたいだ」
妻:「でも、綺麗ですね」
新助:「綺麗だけど、季節感がない」
妻:「四季一度に味わえるのも、贅沢かも」
—
近所の人が集まってきた。
近所の人:「これは面白い花火だ」
新助:「故障してるんです」
近所の人:「故障?」
新助:「四季の花火が同時に上がってしまって」
近所の人:「四季一度に?それは贅沢だ」
新助:「贅沢?」
近所の人:「忙しい人には、ちょうどいいんじゃないか」
新助:「忙しい人?」
—
商人:「その布団、売ってもらえませんか」
新助:「売る?」
商人:「はい、四季一度に楽しめるなんて、忙しい江戸っ子には最高です」
新助:「でも、故障品ですよ」
商人:「故障じゃなくて、特別仕様でしょう」
新助:「特別仕様?」
商人:「四季一度布団として売り出しませんか」
新助:「四季一度布団?」
—
結局、新助の故障した布団は「四季一度布団」として大ヒットした。
新助:「故障品が商品になってしまった」
妻:「でも、みんな喜んでますよ」
新助:「確かに、季節を待つ必要がない」
妻:「忙しい人には便利ですね」
新助:「一年分の季節を一度に味わえる」
妻:「時短の布団ですね」
新助:「時短?」
妻:「時間を短縮する布団という意味です」
—
新助は「時短布団」の専門家として有名になった。
新助:「故障から生まれた新商品」
妻:「次は何を作りますか」
新助:「一日分の時間を一度に体験できる布団」
妻:「それは忙しすぎませんか」
新助:「忙しい人には需要があるかも」
妻:「でも、疲れそうです」
新助:「疲れた人には、疲労回復布団を作ろう」
妻:「それは普通の布団じゃないんですか」
新助:「普通の布団に花火はついてない」
妻:「確かに」
まとめ
四季布団の故障で、四季一度布団が生まれました。
忙しい現代人には、案外需要があるかもしれない商品。
故障も発想の転換で、新しい価値を生み出すという話でした。


