縁談口喧嘩
お見合いといえば、お互いの良いところを見せ合う場。
でも、最初から口喧嘩になってしまったら。
喧嘩が縁で結ばれるカップルの話を作ってみました。
現代でも、議論から恋が始まることはありそうですね。
喧嘩から始まる恋
普通のお見合いではつまらない、そんな二人の出会い。
口喧嘩も、相手を理解する手段になるかもしれません。
あらすじ
お見合いの席で、男性の清吉と女性のお花が対面していた。
仲人:「それでは、お二人でゆっくりお話しください」
清吉:「よろしくお願いします」
お花:「こちらこそ」
仲人:「私は席を外しますので」
清吉:「あの、お花さんは」
お花:「はい」
清吉:「料理は得意ですか」
お花:「それが最初の質問?」
—
清吉:「え?」
お花:「女性に料理の話から始めるなんて、古い考えね」
清吉:「いや、そんなつもりじゃ」
お花:「じゃあ、何のつもり?」
清吉:「普通の質問だと思って」
お花:「普通って何?」
清吉:「みんなが聞くような」
お花:「みんなって誰?」
清吉:「そんなに詰問しなくても」
—
お花:「詰問じゃありません、質問です」
清吉:「言葉遣いが荒い」
お花:「荒いって、失礼な」
清吉:「お見合いでそんな口調では」
お花:「じゃあ、あなたの口調は上品なの?」
清吉:「俺の口調は普通だ」
お花:「普通って、また使った」
清吉:「何が悪い」
お花:「語彙が少ない」
—
清吉:「語彙が少ない?」
お花:「そう、表現力がない」
清吉:「じゃあ、お前の表現力は?」
お花:「私はちゃんと勉強してます」
清吉:「何を勉強してるんだ」
お花:「文学とか、哲学とか」
清吉:「哲学?女性が哲学なんて」
お花:「また古い考え」
清吉:「古くない、実用的だ」
—
お花:「実用的?哲学は実用的じゃないと?」
清吉:「商売に哲学は必要ない」
お花:「商売にこそ哲学が必要よ」
清吉:「どうして?」
お花:「人の心を理解するために」
清吉:「それは確かに」
お花:「でしょ?」
清吉:「でも、基本は実務だ」
お花:「実務だけじゃダメよ」
—
議論が続くうちに、二人は段々と真剣になってきた。
清吉:「お花さんの言うこともわかる」
お花:「清吉さんの意見も一理ある」
清吉:「でも、やっぱり実務が先だと思う」
お花:「私は理念が大事だと思う」
清吉:「理念と実務の両方必要だな」
お花:「そうね」
—
仲人が戻ってきた。
仲人:「お二人とも、お話は進みましたか」
清吉:「はい、とても有意義な話でした」
お花:「こんなに議論できる人は初めて」
仲人:「議論?」
清吉:「いや、意見交換です」
お花:「清吉さんとは話が合います」
仲人:「それは良かった」
—
清吉:「お花さん、もっと話がしたい」
お花:「私もです」
仲人:「じゃあ、結婚ということで」
清吉:「はい」
お花:「でも、これからも議論は続けますよ」
清吉:「もちろんです」
仲人:「喧嘩から始まった縁談は初めてです」
清吉:「喧嘩じゃなく、議論です」
お花:「そうよ、建設的な議論」
仲人:「はいはい、議論ですね」
—
結婚後も、二人は毎日議論を続けた。
清吉:「今日は何について話そうか」
お花:「教育論はどう?」
清吉:「いいね、じゃあまず」
お花:「私の意見は」
近所の人:「あの夫婦、毎日喧嘩してるな」
別の人:「でも、楽しそうだ」
清吉:「違う、これは議論だ」
お花:「建設的な議論よ」
まとめ
お見合いで口喧嘩が始まったのに、議論が盛り上がって意気投合。
喧嘩も相手を理解する手段になるという、珍しい縁談でした。
でも、毎日議論する夫婦も、それはそれで楽しそうですね。
ただし、近所の人には喧嘩に見えるかもしれませんが。


