電話の番号
まくら
最近は携帯電話が普及して、電話番号を覚える必要がなくなりましたね。
昔は、大事な番号は暗記していたものです。
でも、覚え方は人それぞれで、時には思わぬ勘違いを生むこともありました。
あらすじ
佐藤は、新しく引っ越してきた隣の鈴木さんの電話番号を教えてもらいました。
鈴木「私の番号は、03-3456-7890です」
佐藤「ちょっと待って、メモするから…あれ、ペンがない」
鈴木「覚えられますか?」
佐藤「大丈夫、俺は記憶力がいいんだ」
でも、家に帰ると、もう忘れていました。
奥さん「どうしたの?」
佐藤「隣の鈴木さんの電話番号、忘れちゃった」
奥さん「だから、メモしなさいって言ったでしょ」
佐藤「でも、なんか順番に並んでた気がする」
奥さん「順番?」
佐藤「そう、3456789…あ、最後は0だった!」
奥さん「本当?」
佐藤「間違いない!俺の記憶力を信じろ」
早速、電話をかけてみました。
佐藤「もしもし、鈴木さん?」
相手「はい、鈴木ですが…どちら様?」
佐藤「隣の佐藤です」
相手「隣?うちの隣は田中さんですけど」
佐藤「え?でも、鈴木さんでしょ?」
相手「鈴木は鈴木ですが、私は八王子の鈴木です」
番号を間違えていました。
佐藤「すみません、間違えました」
電話を切って、もう一度思い出そうとしました。
佐藤「えーと、確か最初は03で…」
奥さん「それは東京の市外局番でしょ」
佐藤「そうか、じゃあ次は…3457…いや、3467…」
奥さん「もう、鈴木さんに聞きに行けば?」
佐藤「それは恥ずかしい。さっき覚えたって言っちゃったし」
そこで、佐藤は独自の覚え方を編み出しました。
佐藤「そうだ!語呂合わせで覚えよう」
奥さん「語呂合わせ?」
佐藤「3456は『寂しいころ』、7890は『なくわ』」
奥さん「なくわ?」
佐藤「『泣くわ』じゃなくて『無くわ』」
奥さん「意味がわからないけど…」
次の日、鈴木さんに会いました。
鈴木「佐藤さん、昨日電話くれました?」
佐藤「え?いや…」
鈴木「留守電に『寂しいころ、無くわ』って入ってたんですけど」
佐藤「あ、それは…」
鈴木「何か悩み事でも?相談に乗りますよ」
佐藤「いや、そうじゃなくて…」
結局、正直に番号を忘れたことを話しました。
鈴木「なんだ、そうだったんですか。じゃあ、もう一度教えますね」
佐藤「すみません、今度はメモします」
鈴木「03-3456-7890です」
佐藤「あれ?それって、昨日と同じ…」
鈴木「え?昨日も同じ番号を?」
佐藤「はい、でも八王子の鈴木さんにつながって」
鈴木「ああ、それは市外局番を間違えたんですね。うちは03じゃなくて042です」


