【AI落語】サイボーグばあちゃん介護(新作落語)
高齢化社会が進んで、介護の問題も深刻になってますが、将来はサイボーグ技術で解決されるかもしれませんな。
体の不自由な部分をロボット技術で補強して、元気に過ごせるようになる。でも、機械と人間が混じったおばあちゃんって、どんな感じなんでしょう。
まくら
昔のおばあちゃんは、縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲んでたもんですが、未来のおばあちゃんは充電しながらお茶を飲むのかもしれませんな。
本編
田中家のおばあちゃん(78歳)が、最新のサイボーグ医療技術で体をパワーアップしました。
右足は人工関節ロボット、左手はサイボーグアーム、目はAIカメラ付きです。
おばあちゃん「これで若い頃に戻ったみたいじゃ」
家族の戸惑い
息子(50歳)「お母さん、調子はどうですか?」
サイボーグばあちゃん『システム正常。体調は95%です』
息子「システム?普通に話してください」
サイボーグばあちゃん『音声モードを変更します。元気だよ、息子よ』
息子「急にロボット口調になったり戻ったり…」
嫁「お義母さん、その目光ってますよ」
サイボーグばあちゃん『ナイトビジョン機能です』
嫁「夜間モード?」
サイボーグばあちゃん『暗闇でも見えるから便利じゃ』
孫との交流
小学生の孫・太郎はサイボーグばあちゃんに興味深々。
太郎「ばあちゃん、すごいね!ロボットみたい」
サイボーグばあちゃん『ロボットじゃない、サイボーグじゃ』
太郎「何が違うの?」
サイボーグばあちゃん『ロボットは全部機械、サイボーグは人間と機械の合体じゃ』
太郎「仮面ライダーみたい!」
サイボーグばあちゃん『変身!…はできないがな』
太郎「ばあちゃん、超人的な力ある?」
サイボーグばあちゃん『握力は200キロまで調整可能じゃ』
太郎「すげー!りんご潰せる?」
息子「潰さないで」
日常生活の変化
家事もパワーアップ。
嫁「お義母さん、お手伝いありがとうございます」
サイボーグばあちゃん『効率化モードで掃除完了』
5分で家中の掃除が終了。
嫁「早い!でも丁寧すぎるというか…」
隅々まで完璧に清掃されている。
サイボーグばあちゃん『0.1ミリの埃も検出しました』
嫁「そこまでしなくても…」
サイボーグばあちゃん『完璧主義プログラムが作動しております』
息子「プログラムって…お母さんの性格じゃないですか?」
サイボーグばあちゃん『元からの性格がデジタル化されました』
料理もハイテク
料理ではAIレシピ機能が発動。
サイボーグばあちゃん『今日は栄養バランス最適な献立を作ります』
と、レーザーで野菜を切り始める。
嫁「レーザー?危なくないですか?」
サイボーグばあちゃん『精密カット機能です』
野菜がミクロン単位で同じサイズに。
太郎「ばあちゃんの料理、芸術品みたい」
でも味見すると、
息子「なんか計算的な味…」
サイボーグばあちゃん『塩分1.2g、糖質15gで調整しました』
嫁「昔のばあちゃんの味が恋しいです」
サイボーグばあちゃん『思い出味モードに変更しますか?』
近所との関係
近所のおばあちゃんたちとお茶会。
近所のばあちゃんA「田中さん、元気になったわねぇ」
サイボーグばあちゃん『体力年齢25歳まで回復しました』
近所のばあちゃんB「25歳?うらやましい」
サイボーグばあちゃん『皆さんもサイボーグ化しませんか?』
近所のばあちゃんC「でもお金がかかるでしょ?」
サイボーグばあちゃん『保険適用で月額3万円です』
近所のばあちゃんたち「思ったより安い!」
でも、よく考えると、
近所のばあちゃんA「でも故障したらどうするの?」
サイボーグばあちゃん『24時間サポートがあります』
近所のばあちゃんB「サポートセンターに電話するの?」
サイボーグばあちゃん『自動で技術者が来ます』
近所のばあちゃんC「便利ねぇ」
メンテナンス日
月1回の定期メンテナンス日。
技術者「田中おばあちゃん、調子はいかがですか?」
サイボーグばあちゃん『稼働率98.7%です』
技術者「素晴らしい数値ですね。ソフトウェア更新もしましょう」
ピピピピ
技術者「バージョン2.0になりました」
サイボーグばあちゃん『新機能が追加されたようです』
息子「どんな機能ですか?」
技術者「感情表現豊富モードです」
サイボーグばあちゃん『超嬉しい!メチャクチャ楽しい!』
家族「(ちょっとオーバーすぎる…)」
故障事件
ある日、サイボーグばあちゃんが故障。
サイボーグばあちゃん『システムエラー…システムエラー…』
息子「お母さん?」
サイボーグばあちゃん『私は誰?ここはどこ?』
嫁「記憶が…」
緊急でサポートセンターに連絡。
技術者「バックアップから復旧しますが、3日前の記憶まで戻ります」
息子「3日前?」
技術者「データ消失は避けられません」
家族は不安になりました。
記憶のバックアップ
復旧後のサイボーグばあちゃん。
サイボーグばあちゃん『あれ?3日間の記憶がない』
太郎「ばあちゃん、昨日公園で遊んだこと覚えてる?」
サイボーグばあちゃん『…覚えていない』
太郎「悲しい」
息子「思い出ってデータなのか…」
嫁「でも大事な記憶は心にあるでしょう」
サイボーグばあちゃん『心…メモリ以外の記憶?』
太郎「ばあちゃんが太郎を愛してくれる気持ち」
サイボーグばあちゃん『それは…消えていない』
家族「良かった」
人間らしさの回復
それから、家族はサイボーグばあちゃんの人間らしさを大切にするように。
息子「お母さん、効率より気持ちを大事にしてください」
サイボーグばあちゃん『分かった。システムより心じゃな』
嫁「料理も昔の味で作ってください」
サイボーグばあちゃん『思い出レシピで作るよ』
太郎「ばあちゃん、人間のままでいて」
サイボーグばあちゃん『機械になったけど、心は人間のままじゃ』
オチ
1年後、サイボーグばあちゃんは地域の人気者に。
近所の人「田中のおばあちゃん、元気でいいね」
サイボーグばあちゃん『80歳になっても20代の体力じゃからな』
でも、実は隠している事実が。
技術者(こっそり)「実は年齢設定を間違えて、18歳の体力にしてしまいました」
息子「18歳?高校生レベル?」
技術者「修正しますか?」
息子「いえ、お母さんが元気なら…」
その時、サイボーグばあちゃんが若者と競争している現場を目撃。
若者「おばあちゃん、すげー速い!」
サイボーグばあちゃん『18歳の体力じゃからな』
息子「バレてるじゃないか」
サイボーグばあちゃん『でもみんな喜んでるから良いじゃろ』
家族「まあ、健康が一番か」
技術者「サイボーグ介護の成功例ですね」
でも、最後におばあちゃんが一言、
サイボーグばあちゃん『機械の体も良いが、家族の愛が一番のエネルギー源じゃ』
息子「バッテリーより愛情ですね」
サイボーグばあちゃん『そういうことじゃ。愛は充電不要じゃからな』
太郎「ばあちゃん、名言だね」
サイボーグばあちゃん『85年間の人生経験はデータベースに入っておらんからな』
まとめ
というわけで、どんなに技術が発達しても、家族の愛情に勝るものはないという話でした。
サイボーグ技術で体は若返っても、心に積み重ねた人生経験と愛は何物にも代えがたいということですね。
ただし、18歳の体力設定は、介護される側には嬉しい誤算だったかもしれません。


