病気見舞い縁談其の二
前回、風邪で意気投合した二人の続編です。
健康になったらどうなるのか、続きを作ってみました。
病気で結ばれた縁なんて、考えただけで不健康ですが、まあ落語ですから。
私の頭の健康も心配になってきました。
健康になったら話が合わない
あらすじ
あれから三ヶ月、すっかり健康になった清吉とお花が、正式に見合いをすることになった。
清吉:「お花さん、すっかりお元気になられて」
お花:「清吉さんこそ、顔色がいいですね」
清吉:「ええ、おかげさまで」
お花:「そうですか…」
なぜか会話が続かない。
母:「どうしたの、二人とも黙っちゃって」
—
清吉:「いや、その…健康だと何を話していいか」
お花:「そうなんです。病気の時は話題が尽きなかったのに」
母:「病気の時の方が話が弾むって、どういうこと」
清吉:「薬の効き目とか、症状とか」
お花:「熱の上がり下がりとか、咳の具合とか」
母:「そんな話題で盛り上がってたの?」
二人:「はい」
—
清吉:「健康だと、共通の話題がなくて」
お花:「天気の話くらいしか」
清吉:「今日はいい天気ですね」
お花:「そうですね」
清吉:「…」
お花:「…」
母:「まるで初対面みたい」
清吉:「あの時の一体感はどこへ」
—
翌週、清吉がまた訪ねてきた。
清吉:「ゴホゴホッ」
お花:「あら、清吉さん風邪ですか」
清吉:「ええ、わざと薄着で寝まして」
お花:「わざと!?」
清吉:「だって、病気じゃないと話が」
お花:「分かります!私も昨日、冷水浴びました」
母:「ちょっと、二人とも何考えてるの」
—
そして二人は交代で病気になることにした。
清吉:「今週は僕が風邪をひく番」
お花:「来週は私ね」
清吉:「そうすれば、いつも看病できる」
お花:「話題も尽きないし」
母:「おかしいでしょ、それ」
二人:「これが私たちの愛の形です」
—
ついに二人は「病気の日取り表」を作った。
清吉:「月曜日は軽い頭痛」
お花:「水曜日は微熱」
清吉:「金曜日は本格的な風邪」
お花:「日曜日は回復期」
母:「まるで病気のスケジュール管理」
近所の医者:「あの二人のおかげで繁盛してます」
母:「喜んでる場合じゃないでしょ」
医者:「でも、計画的に病気になるから診察しやすいんです」
結局、二人は「病気予定表」を見ながら、計画的に体調を崩す奇妙な夫婦になった。
清吉:「来月の風邪は 15 日でいい?」
お花:「その日は私の番よ。カレンダー見て」
まとめ
健康だと話が合わないから、わざと病気になる。
しかも計画的に風邪をひくなんて、どこまで不健康な関係なんでしょう。
でも、共通の趣味があるっていうのは、大事なことですよね。趣味が病気っていうのは問題ですが。


