美術展覧
まくら
美術展に行くって、教養が必要ですよね。
でも、芸術のことがよくわからないと、何を見ているのかわからない。
それでも、文化的な生活を送りたいという気持ちはあります。
あらすじ
美術展に行った安田。
安田「美術展に行こう」
奥さん「いいわね」
安田「教養を身につけよう」
奥さん「そうね」
安田「現代美術の展覧会だって」
奥さん「そうなの」
安田「行ってみよう」
奥さん「そうしましょう」
美術館に着きました。
安田「おしゃれな建物だね」
奥さん「そうね」
安田「入場料1500円」
奥さん「そうね」
安田「高いけど、教養のため」
奥さん「そうね」
安田「入ろう」
奥さん「そうしましょう」
展示室に入りました。
安田「最初の作品は、これか」
奥さん「そうね」
安田「何だろう、これ」
奥さん「絵画みたい」
安田「でも、よくわからない」
奥さん「そうね」
安田「説明を読んでみよう」
奥さん「そうしましょう」
説明文を読みました。
安田「『現代社会の矛盾を表現した』って書いてある」
奥さん「そうなの」
安田「どこが矛盾なんだろう」
奥さん「わからないわね」
安田「次の作品を見てみよう」
奥さん「そうしましょう」
次の作品を見ました。
安田「今度は、彫刻かな」
奥さん「そうね」
安田「でも、変な形」
奥さん「そうね」
安田「説明を読んでみよう」
奥さん「そうしましょう」
説明文を読みました。
安田「『人間の内面を表現した』って書いてある」
奥さん「そうなの」
安田「どこが内面なんだろう」
奥さん「わからないわね」
安田「芸術って、難しいね」
奥さん「そうね」
安田「でも、がんばって見よう」
奥さん「そうしましょう」
次の作品を見ました。
安田「今度は、インスタレーション?」
奥さん「インスタレーション?」
安田「空間全体を使った作品らしい」
奥さん「そうなの」
安田「でも、がらくたが置いてあるみたい」
奥さん「そうね」
安田「これも芸術なの?」
奥さん「そうみたい」
安田「説明を読んでみよう」
奥さん「そうしましょう」
説明文を読みました。
安田「『消費社会への警鐘』って書いてある」
奥さん「そうなの」
安田「どこが警鐘なんだろう」
奥さん「わからないわね」
安田「僕には、ただのがらくたに見える」
奥さん「そうね」
安田「でも、きっと深い意味があるんだろう」
奥さん「そうね」
安田「次を見てみよう」
奥さん「そうしましょう」
次の作品を見ました。
安田「今度は、映像作品?」
奥さん「そうね」
安田「テレビが置いてある」
奥さん「そうね」
安田「何が映ってるんだろう」
奥さん「わからないわね」
安田「見てみよう」
奥さん「そうしましょう」
映像を見ました。
安田「何も映ってない」
奥さん「そうね」
安田「真っ黒な画面」
奥さん「そうね」
安田「壊れてるのかな」
奥さん「そうかも」
安田「係員さんに聞いてみよう」
奥さん「そうしましょう」
係員さんに聞きました。
安田「すみません」
係員「はい」
安田「このテレビ、壊れてませんか?」
係員「壊れてません」
安田「でも、何も映ってません」
係員「それが、作品です」
安田「作品?」
係員「はい」
安田「真っ黒な画面が?」
係員「はい」
安田「どういう意味ですか?」
係員「それは、鑑賞者が感じることです」
安田「感じること?」
係員「はい」
安田「僕には、何も感じません」
係員「それも、一つの感想です」
安田「そうですか」
係員「がんばってください」
安田「はい」
全部の作品を見ました。
安田「全部見た」
奥さん「お疲れ様」
安田「疲れた」
奥さん「どうだった?」
安田「よくわからなかった」
奥さん「そうなの」
安田「芸術って、難しいね」
奥さん「そうね」
安田「でも、教養が身についたかな」
奥さん「そうね」
安田「1500円の価値があったかな」
奥さん「どうかしら」
安田「よくわからない」
奥さん「そうね」
安田「でも、奥さん」
奥さん「何?」
安田「一つ聞きたいことがあるの」
奥さん「何?」
安田「なんで現代美術は、こんなによくわからないの?」
奥さん「わからないのが、芸術なのよ」
安田「じゃあ、わからなくても、いいのか」
奥さん「わからないことを楽しむのが、芸術鑑賞よ」


