【AI落語】102回目のプロポーズ 最終話「セイ・イエス」(新作落語)
とうとう最終回でございます。
せいやん、101回プロポーズして全部振られました。
さて、102回目は誰にプロポーズするのか。
まさかの展開が待っておりました。
結婚式当日
教会。
狩子が純白のウェディングドレスで、逃男がタキシードで並んでいる。
神父「永遠の愛を誓いますか?」
逃男「誓います」
狩子「誓います」
その時、教会のドアが勢いよく開いた。
せいやん「待ってください!」
全員が振り返る。
鉄やん「せいやん…」
狩子「せいやんさん…」
逃男「今更何を」
102回目のプロポーズ
せいやんは通路を歩いてくる。
手には小さな箱を持っている。
せいやん「すみません、式を中断して」
神父「困ります」
せいやん「1分だけ!」
せいやんは深呼吸した。
せいやん「狩子さん、101回プロポーズしました」
狩子「知ってます」
せいやん「全部振られました」
狩子「ごめんなさい」
せいやん「でも、102回目があります」
会場がざわつく。
逃男「まだ諦めてないのか」
せいやん「いえ、諦めました」
狩子「え?」
せいやんは意外なことを言い始めた。
せいやん「狩子さんへのプロポーズは諦めました。でも、102回目のプロポーズをさせてください」
狩子「誰に?」
せいやんは振り返った。
そして、入口に立っている女性に向かって歩いていく。
意外な相手
入口には、見知らぬ女性が立っていた。
いや、よく見ると…
せいやん「佐藤さん」
佐藤「せいやんさん…」
会場がどよめく。
狩子「佐藤さんって?」
せいやん「ファミレスの同僚です」
逃男「同僚?」
佐藤は恥ずかしそうに前に出てきた。
佐藤「すみません、お式中に」
せいやん「佐藤さん、あなたはずっと僕を支えてくれた」
佐藤「え?」
せいやん「僕が狩子さんの話ばかりしてても、聞いてくれた」
佐藤「仕事中暇だったから」
せいやんは続ける。
せいやん「プロポリスを買った時も、一緒に包んでくれた」
佐藤「バイトだから」
せいやん「空港に100回行った時も、シフト変わってくれた」
佐藤「残業代欲しかったから」
でも、せいやんは真剣だった。
せいやん「でも、昨日気づいたんです」
佐藤「何に?」
せいやん「本当に僕のそばにいてくれたのは、あなただって」
鉄やんの驚き
鉄やんが立ち上がった。
鉄やん「せいやん、それは…」
せいやん「お義父さん…じゃなかった、星野さん」
鉄やん「いや、続けなさい」
せいやんは膝をついた。
せいやん「佐藤さん、僕と付き合ってください!」
佐藤「えっ!?」
会場が静まり返る。
佐藤「でも、あなた狩子さんが…」
せいやん「101回振られて気づきました。愛は一方通行じゃダメだって」
佐藤「そんな…」
狩子が口を開いた。
狩子「佐藤さん、せいやんさんは真っ直ぐな人よ」
佐藤「でも、私なんて」
逃男「いいじゃない、答えてあげなよ」
佐藤の答え
佐藤は困った顔をした。
佐藤「せいやんさん、実は私…」
せいやん「何?」
佐藤「彼氏います」
せいやん「えっ!?」
会場が再びざわつく。
佐藤「3年付き合ってて、来月結婚します」
せいやん「そんな…」
佐藤「言うタイミングがなくて」
せいやんは崩れ落ちた。
せいやん「102回目も失敗…」
まさかの展開
すると、鉄やんがせいやんの肩を叩いた。
鉄やん「せいやん」
せいやん「はい…」
鉄やん「実は、うちの会社で人を探してる」
せいやん「え?」
鉄やん「婚活事業部を立ち上げたい。君のアプリ、改良すれば使える」
せいやん「本当ですか!?」
鉄やんは続けた。
鉄やん「ただし、条件がある」
せいやん「何でも!」
鉄やん「まず自分が幸せになること」
せいやん「自分が?」
鉄やん「幸せじゃない人間が、人を幸せにできるか?」
せいやんは考えた。
せいやん「確かに…」
狩子が微笑んだ。
狩子「せいやんさん、あなたならきっといい人が見つかる」
逃男「101回も振られる根性があれば大丈夫」
佐藤「ファミレスに新人バイトも入りましたし」
せいやん「新人バイト?」
最後のオチ
式が再開され、狩子と逃男は無事に結婚。
せいやんは鉄やんの会社で働くことになった。
3ヶ月後。
せいやんの職場。
せいやん「このアプリで、今度は相性診断じゃなくて、失敗診断をします」
部下「失敗診断?」
せいやん「何回振られても大丈夫度を測るんです」
そこへ新入社員が入ってきた。
新入社員「空野部長、お茶です」
せいやん「ありがとう…君は?」
新入社員「今日から配属の太田です」
せいやん「太田さん…素敵な名前だ」
せいやんの目がキラリと狩子った。
せいやん「太田さん、お見合いって興味ある?」
太田「え?いきなり?」
せいやん「いや、アプリのテストで」
太田「それなら」
鉄やんが様子を見に来た。
鉄やん「せいやん、今日は残業してもらうぞ」
せいやん「え、今日もですか?」
鉄やん「婚活アプリの改良、急ぎだから」
せいやん「でも、もう103回目の残業ですよ」
鉄やん「いいから『はい』って言え」
せいやん「ノー」
鉄やん「そこは『ハイ』って言えよ!セイ・イエスだろうが!」
せいやん「もういいです、もう行きます」
鉄やん「どこ行くねん」
せいやん「家っす」
鉄やん「イエッスってか!」
まとめ
ついに102回目のプロポーズ最終回でしたね。せいやんが狩子さんへのプロポーズを諦めて、佐藤さんに告白したのに、佐藤さんも彼氏持ちやったって、もう笑うしかないわ。でも鉄やんの会社で働くことになって、ちょっとは成長したかな思たら、最後の最後で103回目の残業やて。
最終回にふさわしい結末でした。せいやんの長い旅、お疲れさんでした。
これで102回目のプロポーズシリーズ、完結です。楽しい時間をありがとうございました!


