【AI落語】102回目のプロポーズ 第6話「婚約指輪と鍵」(新作落語)
とうとう狩子さんと逃男さんが婚約することになりました。
普通なら諦めるところですが、せいやんは普通じゃない。
婚約指輪に対抗して、とんでもないものを用意します。
まあ、愛の形は人それぞれと言いますが、これはちょっと形が違いすぎる。
婚約の知らせ
星野家のリビング。
鉄やんがせいやんを呼び出していた。
鉄やん「せいやん、大事な話がある」
せいやん「はい!狩子さんのことですか!」
鉄やん「そうだ。狩子と逃男くんが婚約することになった」
せいやん「婚約…」
せいやんの顔が青ざめる。
鉄やん「もう諦めなさい」
せいやん「でも、まだ結婚したわけじゃ」
鉄やん「婚約は結婚の約束だ」
せいやん「約束は破られるためにある!」
鉄やん「それは違う」
せいやんは立ち上がった。
せいやん「お義父さん!」
鉄やん「だから義父じゃない」
せいやん「婚約には婚約で対抗します!」
鉄やん「どういう意味だ?」
せいやん「僕も狩子さんに何か贈ります!」
宝石店にて
高級宝石店。
狩子と逃男が指輪を選んでいる。
逃男「狩子、どれがいい?」
狩子「そんな高いのじゃなくていいよ」
逃男「一生に一度だから」
店員が最高級の指輪を出してきた。
店員「こちら、1カラットのダイヤモンド。300万円です」
狩子「300万!?」
逃男「これにしよう」
狩子「いいの?」
そこへせいやんが入ってきた。
せいやん「あ、狩子さん」
狩子「せいやんさん?どうしてここに」
せいやん「僕も買い物に」
逃男「指輪でも買うの?」
せいやん「いえ、鍵を」
店員「鍵?うちは宝石店ですが」
せいやんは店を間違えたことに気づいた。
鍵屋にて
隣の鍵屋。
せいやんが真剣な顔で店主に相談している。
せいやん「最高級の鍵をください!」
店主「最高級?防犯用ですか?」
せいやん「愛の証です!」
店主「愛の証?」
せいやん「婚約指輪の代わりに、合鍵を贈りたいんです!」
店主「合鍵を?」
店主は困惑した顔をした。
店主「お客さん、それは…」
せいやん「心の扉を開く鍵です!」
店主「いや、実際の鍵ですよね」
せいやん「実際も心も同じです!」
店主はため息をついて、一番高い鍵を出した。
店主「じゃあ、この電子キー。5万円です」
せいやん「5万円!安い!」
店主「鍵にしては高いですよ」
せいやん「指輪は300万円でした」
店主「比べるものが違う」
カフェでの対決
街のカフェ。
狩子、逃男、せいやんが偶然居合わせた。
逃男「せいやん、まだ諦めてないの?」
せいやん「諦めません!」
狩子「でも、私たち婚約したの」
逃男が指輪の箱を取り出した。
逃男「これが婚約指輪」
せいやん「素敵ですね」
せいやんも箱を取り出した。
せいやん「これが僕からの贈り物です!」
狩子「え?」
せいやんが箱を開けると、ピカピカの電子キーが。
狩子「これは…鍵?」
せいやん「はい!合鍵です!」
逃男「合鍵?何の?」
せいやん「まだ決めてません!」
狩子「決めてない?」
せいやんは真剣な顔で説明を始めた。
せいやん「指輪は指にはめるだけですが、鍵は扉を開きます!」
逃男「それで?」
せいやん「つまり、可能性を開くんです!」
狩子「可能性?」
せいやん「はい!この鍵で、狩子さんの心の扉を!」
逃男が苦笑した。
逃男「心の扉に鍵穴はないよ」
せいやん「比喩です!」
狩子「比喩なら実物の鍵はいらないでしょ」
せいやん「形が大事なんです!」
鉄やんの仲裁
鉄やんが駆けつけてきた。
鉄やん「せいやん!何してるんだ」
せいやん「愛の証を渡してました!」
鉄やん「鍵が?」
せいやん「はい!」
鉄やんは狩子と逃男を見た。
鉄やん「すまない、この男は頭が…」
せいやん「正常です!」
鉄やん「正常な人間は婚約指輪の代わりに合鍵を渡さない」
せいやんは必死に訴えた。
せいやん「でも、お義父さんも昔、ダンプカーの前に飛び出したじゃないですか!」
鉄やん「あれは命を懸けた」
せいやん「僕は鍵を懸けてます!」
鉄やん「鍵と命じゃ重さが違う」
鍵の行方
狩子がせいやんに鍵を返そうとした。
狩子「せいやんさん、気持ちは嬉しいけど」
せいやん「受け取ってください!」
狩子「でも、これ何の鍵にもなってないんでしょ?」
せいやん「将来、家を建てたら、その鍵にします!」
逃男「まだ家もないのに?」
せいやん「夢があります!」
鉄やんが鍵を取り上げた。
鉄やん「これは私が預かる」
せいやん「なぜですか!」
鉄やん「お前が変なことに使わないように」
せいやん「変なことって?」
鉄やん「狩子の家に忍び込むとか」
せいやん「そんなことしません!鍵穴がないのに」
逃男が笑い出した。
逃男「確かに、鍵だけあっても意味ないね」
狩子「むしろ不気味よね」
せいやん「不気味?」
せいやんは鍵を見つめた。
せいやん「これは愛の形なのに…」
鉄やん「形がおかしい」
せいやん「じゃあ、指輪の形の鍵を作ります!」
狩子「それもう指輪でいいじゃない」
せいやん「でも指輪は高い」
逃男「結局、金の問題かよ!」
まとめ
せいやんの愛の証が合鍵って、さすがに無理があるやろ。婚約指輪の代わりに電子キー渡して「心の扉を開く」とか、比喩と現実がごっちゃになってるやん。しかも5万円の鍵と300万円の指輪を比較して「安い!」って、そこちゃうやろ。最後のオチで「結局、金の問題」って、そらそうよ。愛はプライスレスって言いながら、値段で選んでるんやから。
今回も自己採点すると65点かな。鍵と指輪の対比はまあまあ面白かったけど、もうちょっと練れたような気もする。
さて、他のAI落語も読んでみてくださいね。102回目のプロポーズシリーズも佳境です!


