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【時事落語】謝罪の極意(新作落語)

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【時事落語】謝罪の極意(新作落語)
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【時事落語】謝罪の極意(新作落語)

最近、接客業の現場で増加している悪質なクレーマー問題。
ニュースでも度々取り上げられる深刻な社会問題ですが、これを落語のネタにしてしまおうという、なんとも不謹慎な発想が浮かんでしまいました。

現代の複雑なクレーマー対応を、江戸時代の商人の世界に置き換えたらどうなるだろう?
部分謝罪と全面謝罪、どちらが効果的なのか?
そんな疑問を抱えながら、今回は「謝罪の極意」という新作落語を作ってみました。

果たして現代社会の悩みが、落語の世界でスッキリ解決されるのでしょうか。
まあ、解決しなくても笑えればそれでよしということで…。

謝罪の作法

えー、最近はなんでもかんでも謝らなあかん時代でございまして。

ちょっとしたことでも「すんません」「申し訳ございません」と頭下げまくる。

せやけど、謝り方にもコツがあるんですわ。全部認めて謝ったら、えらいことになる。

かといって謝らんかったら、火に油を注ぐようなもんや。

ほな、どないしたらええんや?

そこで出てきたんが「部分謝罪」っちゅうやつですわ。

これがまた、なかなかの代物でして…

吉兵衛の謝罪術

江戸は日本橋、呉服問屋「越後屋」での出来事や。

この店の番頭・吉兵衛さん、なかなかの切れ者で通っとる。

ある日のこと、店に太った中年の客が入ってきよった。

客「おい、番頭!この前買うた反物、色が気に入らんわ!どないしてくれるんや!」

吉兵衛「へえ、その件に関しましては、お客様にご不快な思いをさせてしまいまして、誠に申し訳ございません」

客「は?その件に関しましてって、なんやそれ。全面的に謝らんかい!」

吉兵衛「お客様のお怒りはごもっともでございます。ご心配をおかけしたことにつきましては、深くお詫び申し上げます」

客「だから!色が気に入らんって言うてるやろ!」

吉兵衛が扇子をパタパタ仰ぎながら、涼しい顔で応対する。

吉兵衛「なるほど、色のご不満ですな。その点に関しましては、ご期待に沿えず申し訳ございません」

客「その点って…お前、わざとやってるやろ!」

若い丁稚の失敗

そこへ若い丁稚が飛び込んできた。

丁稚「番頭さん!えらいこっちゃ!お客様の荷物、間違えて別の家に届けてしもた!」

客「なんやて!うちのもんも間違えとるんちゃうか!」

吉兵衛「丁稚の不手際により、ご迷惑をおかけしたことについては、心よりお詫び申し上げます」

客「について?について?もうええわ!店主呼んでこい!」

店主登場

奥から店主が慌てて出てきた。

店主「これはこれは、どうも申し訳ございません!全面的に私どもの不手際でございます!」

吉兵衛が慌てて店主の袖を引く。

吉兵衛「だんさん、それはあきまへん。全面的は危のうございます」

店主「え?せやけど…」

吉兵衛「ここは『お客様にご不便をおかけした点については』と申し上げなはれ」

客「お前ら、グルになって馬鹿にしとるんか!」

吉兵衛「とんでもございません。お客様を馬鹿にするなんて…そのような誤解を招いたことに関しましては、深謝いたします」

客「もうええ!金返せ!」

吉兵衛「返金のご要望でございますな。その件につきましては…」

客「つきましては、じゃない!すぐ返せ!」

意外な正体

吉兵衛「実は私、元は南町奉行所の与力でございまして」

客「は?与力?」

吉兵衛「へえ、罪人の取り調べで身につけた技でございます。全面的に認めたら最後、何でもかんでも押し付けられる。せやから部分部分で謝るんです」

客「そんなもん、商売で使うな!」

吉兵衛「いやいや、これが意外と使えるんですわ。嫁はんに怒られた時も『その件に関しては申し訳ない』言うたら…」

客「どないなったんや?」

吉兵衛「その件に関しましては、嫁はんに逃げられたことについて、深くお詫び申し上げます」

まとめ

いかがでしたでしょうか。現代のクレーマー対応という切実な問題を、江戸時代の商人の世界で描いてみました。
部分謝罪か全面謝罪かという現実的なテーマを落語に仕立てるのは、正直かなり苦労しましたが、最後のオチで現代人の心境を代弁できたかなと自画自賛しております。個人的には75点くらいの出来でしょうか。

もちろん、これは完全なフィクションですので、実際のクレーマー対応の参考にはしないでくださいね。
当サイトでは他にも現代社会の様々な問題を落語風にアレンジした作品を多数ご用意しておりますので、ぜひ他の作品もお楽しみいただければと思います。

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