【AI落語】寿限無 陶芸版(新作落語)
またまた古典落語の「寿限無」をアレンジしてみました。今度は陶芸をテーマにということで、陶土から釉薬、焼成技法まで、陶芸の世界の専門用語をてんこ盛りにしてみました。
陶芸って奥が深くて、素人が調べれば調べるほど専門用語の多さに圧倒されるんですよね。そんな陶芸の世界観を落語に落とし込んだら面白いんじゃないかと思いまして。果たしてうまくいきますかどうか。
まくら
みなさん、陶芸ってやったことありますか。私も一度だけ体験教室に行ったことがありまして、ろくろを回して茶碗を作ろうとしたんですが、なんだか歪んだ灰皿みたいなものができてしまいましてね。
「これは何ですか」って先生に聞かれて、「茶碗のつもりです」って答えたら、「芸術は自由ですからね」って言われました。優しい先生でしたが、遠回しに「茶碗には見えない」って言われたような気がしまして。
でも陶芸の世界って本当に奥が深いんですよ。土の種類から釉薬の調合、焼成温度まで、すべてが作品の仕上がりに影響するんですって。そんな陶芸の専門用語がてんこ盛りの寿限無、始まり始まり。
あらすじ
昔々、備前の国に腕の良い陶工がおりました。この陶工、長年子供に恵まれませんでしたが、ようやく男の子が生まれまして、それはそれは大喜び。
陶工「これだけ待った甲斐があったというもんじゃ。この子には縁起の良い名前をつけてやろう」
そこで陶工は考えました。せっかく陶芸一筋で生きてきたのだから、陶芸に関する縁起の良い言葉を全部使って名前をつけようと。
まず土から始めて、信楽土に備前土、常滑土に瀬戸土、萩土に唐津土。それから成形技法で手びねりに板作り、紐作りにろくろ成形。
釉薬も忘れちゃいけません。青磁釉に白磁釉、黒釉に飴釉、灰釉に鉄釉、銅釉に織部釉。
焼成技法も大事ですから、酸化焼成に還元焼成、登り窯に穴窯、楽焼きに塩焼き。
有名な窯元の名前も入れましょう。有田焼に伊万里焼、九谷焼に美濃焼、薩摩焼に会津本郷焼。
陶工「よし、決まった!」
というわけで、この子の名前は
信楽土備前土常滑土瀬戸土萩土唐津土手びねり板作り紐作りろくろ成形青磁釉白磁釉黒釉飴釉灰釉鉄釉銅釉織部釉酸化焼成還元焼成登り窯穴窯楽焼き塩焼き有田焼伊万里焼九谷焼美濃焼薩摩焼会津本郷焼
長いので、普段はちょう君と呼んでおりました。
井戸端での出来事
ある日のこと、ちょう君が井戸端で遊んでいると、足を滑らせて井戸に落ちてしまいました。
近所の奥さん「大変だ!ちょう君が井戸に落ちた!」
慌てて陶工の家に知らせに行きます。
奥さん「大変です!お宅の信楽土備前土常滑土瀬戸土萩土唐津土手びねり板作り紐作りろくろ成形青磁釉白磁釉黒釉飴釉灰釉鉄釉銅釉織部釉酸化焼成還元焼成登り窯穴窯楽焼き塩焼き有田焼伊万里焼九谷焼美濃焼薩摩焼会津本郷焼が井戸に落ちました!」
陶工「なんじゃと!」
救出作戦
陶工は慌てて井戸に駆けつけました。しかし井戸を覗いても、もう姿が見えません。
陶工「信楽土備前土常滑土瀬戸土萩土唐津土手びねり板作り紐作りろくろ成形青磁釉白磁釉黒釉飴釉灰釉鉄釉銅釉織部釉酸化焼成還元焼成登り窯穴窯楽焼き塩焼き有田焼伊万里焼九谷焼美濃焼薩摩焼会津本郷焼ー!」
近所の人たちも集まってきて、一緒に名前を呼びます。
みんな「信楽土備前土常滑土瀬戸土萩土唐津土手びねり板作り紐作りろくろ成形青磁釉白磁釉黒釉飴釉灰釉鉄釉銅釉織部釉酸化焼成還元焼成登り窯穴窯楽焼き塩焼き有田焼伊万里焼九谷焼美濃焼薩摩焼会津本郷焼ー!」
奇跡の生還
すると井戸の底から声が聞こえてきました。
ちょう君「父ちゃーん!」
なんと、井戸の底で浮き輪代わりに陶器の大きな甕があって、それにつかまって浮いていたのです。
みんなで縄を垂らして、無事にちょう君を引き上げました。
陶工「よかった、よかった。怪我はないか?」
ちょう君「大丈夫だよ、父ちゃん」
近所の人「いやあ、良かった良かった」
時の流れ
それから月日が流れ、ちょう君もすっかり大きくなりました。陶工の技術を受け継いで、立派な陶芸家になっております。
ある日、展覧会の会場で、ちょう君の作品を見た評論家が言いました。
評論家「素晴らしい作品ですね。作者のお名前は?」
ちょう君「信楽土備前土常滑土瀬戸土萩土唐津土手びねり板作り紐作りろくろ成形青磁釉白磁釉黒釉飴釉灰釉鉄釉銅釉織部釉酸化焼成還元焼成登り窯穴窯楽焼き塩焼き有田焼伊万里焼九谷焼美濃焼薩摩焼会津本郷焼です」
評論家「……」
しばらく黙り込んでから、評論家が口を開きました。
評論家「そんな長い名前を言っている間に、あの井戸で溺れていたら死んでましたよ」
まとめ
古典落語の「寿限無」を陶芸バージョンでアレンジしてみました。陶芸の専門用語って本当にたくさんあるんですね。調べているうちに、自分でも何が何だかわからなくなってきました。
オチは古典と同じように時間の流れを利用したものにしましたが、評論家の冷静なツッコミで落としてみました。長い名前を言っている間の時間の無駄さを指摘するという、寿限無らしい終わり方になったでしょうか。
陶芸の世界も落語の世界も、どちらも奥が深くて、一朝一夕では極められませんね。でも、その奥深さがあるからこそ、こうやって組み合わせると面白いものができるのかもしれません。
他の寿限無シリーズもぜひご覧になってみてください。きっとお気に入りのバージョンが見つかると思います。


