【AI落語】寿限無 蕎麦版(新作落語)
古典落語の名作「寿限無」を現代風にアレンジしてみました。今回は蕎麦職人の世界を舞台に、長すぎる名前が招く悲喜劇を描いてみたのですが、果たして古典の魅力を損なわずに現代的なユーモアを織り込めたでしょうか。まあ、失敗したら「そば食って寝よう」ということで。
そば打ちの極意
江戸は神田の蕎麦屋「翁庵」の主人、職人気質の頑固親父が一人息子を授かりました。
「せっかく生まれた跡取りじゃ。縁起の良い名前を付けてやりたいもんだ」
そこで近所の物知りじいさんに相談に行くと、
「それなら縁起の良い言葉を全部つけてしまいなされ。蕎麦は日本の文化の粋、その全てを名前に込めれば、きっと立派な職人になりますぞ」
あらすじ
かくして生まれた子供の名前は、
「手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場 韃靼 田舎 茶蕎麦 変わり蕎麦 細打ち 太打ち 平打ち 角打ち 二八蕎麦 生粉打ち 挽きぐるみ 石臼挽き 水車挽き つなぎ無し 蕎麦がき そば湯付き 醤油つゆ 味噌つゆ 胡麻つゆ くるみつゆ 大根おろし 山葵 柚子胡椒 海苔 葱 油揚げ 天ぷら 鴨南蛮 鳥南蛮 肉南蛮 カレー南蛮 力蕎麦 月見蕎麦 山菜蕎麦 きつね蕎麦 たぬき蕎麦 かき揚げ蕎麦 天おろし蕎麦 ざる蕎麦 もり蕎麦 せいろ蕎麦 板蕎麦 田舎蕎麦 新蕎麦 年越し蕎麦 引っ越し蕎麦 縁結び蕎麦 長寿蕎麦 幸運蕎麦 商売繁盛蕎麦 家内安全蕎麦 無病息災蕎麦 心願成就蕎麦 大吉大利蕎麦 千客万来蕎麦 五穀豊穣蕎麦 天下泰平蕎麦 極楽往生蕎麦 南無阿弥陀仏蕎麦 パイポパイポ パイポの蕎麦切り シューリンガン 蕎麦のグーリンダイ グーリンダイの蕎麦がらし ポンポコピーの蕎麦ポンポコナの 長久命の蕎麦助」
近所の人たちは困り果てました。呼ぶのに一時間もかかってしまいます。
「おい、手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場…」
「まだ続くのかい?」
「韃靼 田舎 茶蕎麦 変わり蕎麦…」
「お腹すいてきた」
「細打ち 太打ち 平打ち 角打ち…」
呼んでいるうちに昼飯時になってしまい、みんな蕎麦を食べに行ってしまうありさま。
五歳の春
子供が五歳になった春のこと。近所の子供たちと遊んでいましたが、例の長い名前のせいで鬼ごっこも大変です。
「鬼は手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場 韃靼 田舎 茶蕎麦…」
鬼を決めている間に、他の子供たちは家に帰って晩飯を食べてしまいます。
十歳の夏
学校では先生も困り果てました。
「では、手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場 韃靼 田舎 茶蕎麦 変わり蕎麦 細打ち 太打ち 平打ち 角打ち…」
名前を呼んでいる間に授業が終わってしまい、ついには夏休みに入ってしまいました。
十八歳の秋
青年になった彼は、恋人ができました。しかし告白の場面で、
「僕の名前は手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場 韃靼 田舎 茶蕎麦 変わり蕎麦…」
名前を言い終える前に、相手の女性は結婚して子供まで産んでしまいました。
二十五歳の冬
ついに蕎麦職人として一人前になった彼。ある日、井戸端で頭を打って大怪我をしてしまいました。
近所の人が慌てて医者を呼びに走ります。
「先生、大変です!手打ち十割蕎麦 更科 藪 砂場 韃靼 田舎 茶蕎麦 変わり蕎麦 細打ち 太打ち 平打ち 角打ち 二八蕎麦 生粉打ち 挽きぐるみ 石臼挽き 水車挽き つなぎ無し 蕎麦がき そば湯付き 醤油つゆ 味噌つゆ 胡麻つゆ くるみつゆ 大根おろし 山葵 柚子胡椒 海苔 葱 油揚げ 天ぷら 鴨南蛮 鳥南蛮 肉南蛮 カレー南蛮 力蕎麦 月見蕎麦 山菜蕎麦 きつね蕎麦 たぬき蕎麦 かき揚げ蕎麦 天おろし蕎麦 ざる蕎麦 もり蕎麦 せいろ蕎麦 板蕎麦 田舎蕎麦 新蕎麦 年越し蕎麦 引っ越し蕎麦 縁結び蕎麦 長寿蕎麦 幸運蕎麦 商売繁盛蕎麦 家内安全蕎麦 無病息災蕎麦 心願成就蕎麦 大吉大利蕎麦 千客万来蕎麦 五穀豊穣蕎麦 天下泰平蕎麦 極楽往生蕎麦 南無阿弥陀仏蕎麦 パイポパイポ パイポの蕎麦切り シューリンガン 蕎麦のグーリンダイ グーリンダイの蕎麦がらし ポンポコピーの蕎麦ポンポコナの 長久命の蕎麦助が怪我をしました!」
医者「なるほど、それで怪我の具合はどうなんだい?」
「ああ、それがもう…」
まとめ
古典落語「寿限無」の蕎麦版、いかがでしたでしょうか。長い名前に蕎麦の専門用語を詰め込んでみましたが、実際に蕎麦屋で注文するときに全部覚えていたら、それはそれで職人さんに尊敬されそうですね。
オチの「それがもう…」のところ、古典では「もう治ってしまいました」となるのですが、蕎麦版では果たしてどうなったのでしょう。名前を言っている間に傷が治ったのか、それとも別の展開があったのか、想像にお任せします。
この手の古典パロディは、元ネタへの愛情がないと成立しないものです。寿限無の絶妙な時間経過の面白さを蕎麦の世界で再現できたかどうか、少々不安ですが、お楽しみいただけたなら幸いです。他の古典落語のパロディもぜひご覧ください。
医者「もう年越しになっちまったよ」


