【AI落語】寿限無タクシーの目的地(新作落語)
タクシーに乗ったとき、運転手さんに目的地を説明するのに苦労したことってありませんか?「○○駅の近くの、赤い看板があるビルの向かいの…」なんて感じで、だんだん説明が長くなっちゃう。そんな現代交通業界の複雑な目的地説明を「寿限無」に絡めて落語にしてみました。タクシー運転手の皆様、いつもお疲れ様です。
方向音痴のサラリーマン
都内で働く会社員の田中さん。
極度の方向音痴で、いつもタクシーを利用するのですが、目的地の説明が異常に詳しいことで有名になりました。
ところが、この田中さんの目的地説明へのこだわりが、タクシー業界を大混乱に陥れることに。
あらすじ
タクシーを拾って
田中「タクシー!」
運転手「お疲れ様です。どちらまで?」
そして田中が説明した目的地がこれです。
新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル
運転手「え…どちらですか?」
田中「略して『シンジュクエキ』です」
ナビ設定の苦労
運転手「カーナビに入力しようと思うんですが…」
田中「新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビルです」
運転手「検索に引っかかりません…」
田中「現地で説明します」
道中での会話
運転手「お客さん、普段よくタクシー使われるんですか?」
田中「はい。いつも『新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル』まで」
運転手「毎回この説明されるんですか?」
田中「正確に伝えたいので」
現地到着後
運転手「この辺りですか?」
田中「『新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル』です」
運転手「どの建物ですか?」
田中「あ、そこです」
運転手「普通のオフィスビルですね…」
無線での報告
運転手「配車センターです。お客様を送りました」
センター「どちらまでの配車でしたか?」
運転手「新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル」
センター「もう一度お願いします」
運転手「新宿のオフィス街です」
他の運転手への申し送り
ベテラン運転手「田中さんというお客様、今度君が担当だ」
新人運転手「どちらのお客様ですか?」
ベテラン「新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビルの田中さん」
新人「覚えられません…」
タクシー会社での会議
所長「田中さんの件、どうしましょう?」
運転手A「毎回同じ長い説明で困ります」
運転手B「新人が混乱します」
所長「お客様に短い説明をお願いしてみましょう」
お客様への相談
営業「田中様、目的地をもう少し簡潔に教えていただけませんか?」
田中「でも正確に伝えないと迷子になっちゃうんです」
営業「『新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル』は長すぎて…」
田中「じゃあ住所で」
住所を聞いてみると
田中「東京都新宿区○○1-2-3です」
運転手「それだけですか?」
田中「でも分かりにくいので『新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル』って説明してるんです」
アプリ配車での混乱
田中「配車アプリで呼んでみよう」
アプリ「目的地を入力してください」
田中が入力「新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル」
アプリ「文字数制限を超えています」
電話配車での対応
オペレーター「お迎え先とお行き先をお聞かせください」
田中「行き先は新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビルです」
オペレーター「システムに入力しきれません…」
最終的な解決策
営業「田中様、運転手にはこう言っていただけませんか?『新宿の○○ビル』と」
田中「でも詳しく説明しないと…『新宿駅南口から徒歩5分・赤い看板が目印・コンビニの向かい・信号を二つ過ぎた角・青いポストの隣にある雑居ビル・改訂版』はどうでしょう?」
営業「もう『新宿のオフィス』でいいです!」
まとめ
タクシーを利用する際、正確に目的地を伝えたい気持ちと簡潔さのバランスって難しいですよね。この新作では、方向音痴で心配性のサラリーマン田中さんを通して、そんな現代交通業界の一面を「寿限無」の構造で描いてみました。親切心が空回りしてしまった田中さん、いかがでしたでしょうか。タクシー業界の皆様、いつもお疲れ様です。


