【AI落語】寿限無エンジニアの設計図(新作落語)
製造業の設計図を見ていると、部品の名前がやたらと長くて複雑ですよね。「ボルト」だけじゃ物足りなくて、「M8×1.25×50 六角穴付きボルト ステンレス鋼製 表面処理無し」なんて具合に。そんなエンジニアリング業界の細かすぎる部品名を「寿限無」に絡めて落語にしてみました。技術者の皆様、お手柔らかにお願いします。
完璧主義の設計エンジニア
大手機械メーカーの設計部に勤める中堅エンジニアの高橋さん。
工学部を卒業後、精密機械の設計一筋20年のベテランです。
ところが、この高橋さんの部品に対するこだわりが、製造現場を大混乱に陥れました。
あらすじ
設計部での会議
部長「高橋君、新製品の設計図はできたかね?」
高橋「はい、完成しました」
そして高橋が作成した設計図の主要部品名がこれです。
高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体
部長「え…これが部品名かね?」
高橋「はい。略して『コウキョウド』と呼んでます」
製造現場での混乱
工場長「この部品、どこから調達すればいいんだ?」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体です」
工場長「発注書に書ききれません…」
高橋「コウキョウドで通じませんか?」
工場長「正式名称じゃないと取引先に通じません」
部品メーカーとの打ち合わせ
営業「御社の設計図の部品についてですが…」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体ですね」
営業「見積書のシステムに入力できません…」
営業「文字数制限に引っかかります」
品質管理部門の苦悩
検査員「この部品の検査項目を教えてください」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体の品質検査です」
検査員「検査票に記入しきれません…」
検査員「ラベルからはみ出ています」
新人エンジニアの困惑
新人「先輩、この部品について教えてください」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体だ」
新人「メモが追いつきません…」
新人「もう一度お願いします」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体!」
顧客への説明
営業部「お客様への技術説明でお願いします」
高橋「この製品の核心部品は『高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体』です」
顧客「…すみません、もう一度」
営業部「(小声で)先生、もっと簡単に…」
特許申請での問題
特許事務所「この技術の特許申請ですが、部品名が長すぎて…」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体は正式名称です」
事務所「特許庁のシステムで文字化けします」
マニュアル作成の苦労
技術文書担当「取扱説明書を作成していますが…」
高橋「高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体の取り扱いについて…」
担当「1ページ目が部品名だけで埋まりました」
国際展示会での発表
司会者「Next is the presentation of…『高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体』…」
観客「通訳さんが諦めてます…」
部長「高橋君、もう少し分かりやすい名前にできないかね?」
高橋「そうですね…では『高強度耐熱合金製精密加工済み多段階表面処理対応型回転軸受用超精密ボールベアリング組立体Ver.2』にします」
部長「もう『ベアリング』でいいじゃないか!」
まとめ
エンジニアリングの世界では、部品の仕様を正確に表現することが重要ですが、実用性とのバランスが難しいですよね。この新作では、完璧主義すぎるエンジニアの高橋さんを通して、そんな製造業界の一面を「寿限無」の構造で描いてみました。技術への情熱が空回りしてしまった高橋さん、少しは反省してくれたでしょうか。技術者の皆様、温かく見守ってください。


