【AI落語】雷こわい(新作落語)
先日、古典落語の「まんじゅうこわい」を聞いて、ふと思ったんです。あの定番の流れを現代風にアレンジしたら面白いんやないかと。
まあ、私の創作能力やったら大したもんにはならんやろうけど、とりあえず関西弁でやってみることにしました。テーマは雷。夏やし、ちょうどええかなと思いまして。
まくら
最近、大阪も雷がよう鳴りますなあ。
昔から雷いうもんは、みんな怖がるもんや思てましたけど、中には変わった人もおるもんで。私の知り合いにも、雷の音聞いたら飛び起きて外に出る人がおります。
「危ないやないか」言うても、「いや、あの音がたまらん」て言うて聞かん。
まあ、人にはそれぞれ好みがありますからな。怖いもんでも、人によっては好きなもんになる。そんな話を一つ。
あらすじ
暑い夏の日のことや。
近所の若い衆が四人、縁台に座って涼んどった。風がちっとも吹かんで、みんなダラダラしとる。
そこで一人が言い出した。
太郎「なあなあ、こんな暑いときは、涼しなる話でもしようや」
次郎「涼しなる話て、どんな話やねん」
太郎「怖い話や。怖い話聞いたら、背筋がぞくぞくして涼しなるやろ」
三郎「ああ、それはええ考えやな。せやけど、怖い話なんか知らんで」
太郎「そやったら、みんなで一番怖いもん言い合おうや。一人ずつ、自分が一番怖いもん発表するんや」
四郎「おもろいやん。やってみよか」
ほんで順番に始まった。
まず太郎が言うた。
太郎「俺は蜘蛛が怖い。特に足の長い蜘蛛や。あの気持ち悪い動き見たら、鳥肌立つわ」
次郎「俺は高いとこが怖いなあ。ビルの屋上とか、足がすくんで動けへんようになる」
三郎「俺は注射が怖い。病院行って注射針見ただけで気ぃ失いそうになるわ」
さあ、最後に四郎の番になった。
四郎「俺は…雷が怖い」
みんな「雷?」
四郎「そや。あのピカピカ光って、ドーンて鳴る音聞いたら、もうあかん。震えが止まらへんのや」
太郎「なんや、雷か。それやったら簡単やないか」
次郎「そやそや。雷なんて、音だけやもん」
三郎「よっしゃ、四郎を困らせたろ」
三人は悪だくみを始めた。
太郎「おい四郎、ちょっと待っとけ」
四郎「何するつもりや」
次郎「雷の音、聞かせたろ」
四郎「やめてくれ!頼むから」
三郎「大丈夫や。作り物の雷や」
太郎は大きな太鼓を持ってきた。
次郎は懐中電灯を取り出した。
三郎は霧吹きを用意した。
太郎「よっしゃ、人工雷の完成や!」
次郎「電気はこの懐中電灯でピカピカさせて」
三郎「雨は霧吹きで再現するで」
四郎「やめてくれ!ほんまに怖いねん!」
ところが、太鼓をドンドン叩き始めると、
四郎の様子が変わった。
四郎「おお…ええ音やなあ」
太郎「え?」
四郎「もっと強く叩いてくれ」
次郎「あれ?怖がらへんのか?」
四郎「この音、たまらんわ」
三郎「おかしいやないか」
四郎は太鼓の前に座り込み、うっとりした顔で聞き入っている。
四郎「ああ、ええなあ。もっともっと」
太郎「四郎、おまえ雷好きやったんか」
四郎「当たり前やがな。雷の音聞いたら興奮して眠れへんようになるねん」
次郎「せやったら、何で怖いて言うたんや」
四郎「だって、みんな『蜘蛛が怖い』『高いとこが怖い』言うとるのに、俺だけ『雷が好き』て言うたら変やろ?」
三郎「なるほど、それで嘘ついたんか」
四郎「せやけど、おかげでこんなええ音聞かせてもろて、ありがたいわ」
四郎は太鼓の音にあわせて体を揺らしている。
まるで音楽でも聞いているようや。
太郎「まあ、雷好きなんやったら、それはそれでええがな」
次郎「せやな。人の好みはそれぞれやもん」
三郎「ほんで四郎、他に怖いもんはないんか?」
四郎は太鼓の音が止むと、少し考えてから言うた。
四郎「実は…怖いもんがもう一つだけあるねん」
太郎「何や?今度は本当のこと言えよ」
四郎「電気代や」
まとめ
関西弁での「まんじゅうこわい」オマージュ、いかがやったでしょうか。
古典の「お茶が怖い」というオチを、現代風に「電気代が怖い」にアレンジしてみました。太鼓を叩きまくったら、確かに電気代より電気代以外の何かが怖くなりそうですが、そこは落語の世界ということで。
関西弁で書くと、なんか人情味が増す気がしますね。まあ、私の関西弁がちゃんとしてるかどうかは怪しいところですが、雰囲気だけでも伝わればと思います。
このシリーズ、まだまだ続く予定ですので、お暇なときにでもお付き合いください。


