【AI落語】時間膨張ラーメン店(新作落語)
相対性理論に時間膨張という現象があって、速度や重力によって時間の進み方が変わるそうです。
これをラーメン作りに応用したら…完璧な茹で時間を実現できるかもしれませんな。
まくら
昔のラーメン屋は腕時計で茹で時間を計ってましたが、今度は相対性理論で時間をコントロールするっていうんですから、科学も極まったもんです。
本編
老舗ラーメン店「田中ラーメン」の店主、田中親父(55歳)。
息子で理論物理学者の田中ジュニア(30歳)から、壮大な提案を受けました。
ジュニア「父さん、時間膨張技術でラーメンを作りませんか?」
親父「時間膨張?時間が膨らむのか?」
ジュニア「時間の進み方をコントロールするんです」
親父「時間をコントロール?神様みたいだな」
ジュニア「相対性理論の応用です」
親父「相対性?アインシュタインのやつか?」
ジュニア「そうです。高速回転させると時間が遅くなるんです」
親父「で、それがラーメンと何の関係が?」
時間膨張装置導入
厨房に巨大な回転装置を設置。
ジュニア「この中で麺を茹でると、外の時間より遅く進みます」
親父「遅く?」
ジュニア「3分茹でのところ、外では1分で完成します」
親父「時短調理か」
ジュニア「でも麺にとっては3分間しっかり茹でられます」
親父「麺の時間と客の時間が違うのか」
ジュニア「理想的な茹で時間と早いサービスの両立です」
でも、装置が異常にうるさい。
ゴゴゴゴゴゴ
親父「爆音じゃないか」
ジュニア「高速回転の音です」
初回営業
最初のお客さんに時間膨張ラーメンを提供。
客「1分で完成?早いですね」
親父「科学の力です」
客が麺を食べてみると、
客「確かによく茹でられてる。でも…」
親父「でも?」
客「なんか時間がずれてる感覚」
親父「時間がずれる?」
客「口の中と外の世界の時間が違うような」
ジュニア「時間膨張の副作用ですね」
客「めまいがする」
時間酔い問題
時間膨張ラーメンを食べた客に時間酔いが発生。
客A「時計が止まって見える」
客B「会話がスローモーション」
客C「歩くのが早すぎる気がする」
親父「時間酔いって何だ?」
ジュニア「時間感覚の混乱です」
医師「新しいタイプの酔いですね」
医師「時間膨張酔い止め薬を開発する必要があります」
親父「薬まで必要なラーメンって…」
装置暴走事件
ある日、時間膨張装置が故障して暴走。
装置『時間膨張率1000倍に設定されました』
ジュニア「1000倍?やばい」
親父「何がやばいんだ?」
ジュニア「外の1秒が装置内では16分になります」
親父「16分?」
麺を茹で始めて3秒後、装置の中ではすでに1時間経過。
ジュニア「麺が溶けてる」
親父「どろどろになってる」
でも、装置が止まらない。
システム『時間ループに入りました』
ジュニア「時間ループ?」
親父「同じ時間を繰り返すのか?」
時間ループ地獄
厨房が時間ループに巻き込まれる。
親父「同じ動作を繰り返してる」
ジュニア「因果律が狂いました」
客「店主が同じことを何回もやってる」
親父(ループ中)「いらっしゃい、いらっしゃい、いらっしゃい…」
客「壊れたロボットみたい」
ジュニア「意識はあるけど動きが固定されてます」
結局、外部からの強制停止でループ解除。
親父「疲れた…何回同じことやったんだ?」
ジュニア「127回です」
親父「127回?記憶がない」
時間逆行実験
ジュニアが新しいアイデアを思いつく。
ジュニア「時間を逆行させて、茹ですぎた麺を元に戻しませんか?」
親父「時間逆行?タイムマシン?」
ジュニア「局所的な時間逆行です」
茹ですぎた麺に時間逆行を適用すると、
ニュルニュル
麺が生麺に戻っていく。
親父「すごい!元に戻った」
でも、戻りすぎて小麦になってしまった。
親父「小麦粉になった」
ジュニア「逆行しすぎました」
親父「最初から作り直しか」
客の時間感覚混乱
時間操作ラーメン店の噂が広まって、時間マニアが来店。
時間マニアA「相対性理論ラーメンを体験したい」
時間マニアB「時間膨張を肌で感じたい」
でも、普通の客は困惑。
普通客「時間がおかしくなるんですか?」
親父「少しだけ」
普通客「少しってどのくらい?」
ジュニア「数ナノ秒程度です」
普通客「ナノ秒?感じないじゃん」
時間マニアA「ナノ秒でも貴重な体験です」
普通客「マニアックすぎる」
競合店出現
時間ラーメンが話題になって、競合店が出現。
競合店「『時間停止ラーメン』を開業しました」
親父「時間停止?」
競合店「時間を完全に止めて調理します」
ジュニア「それは理論的に不可能です」
競合店「企業秘密です」
実際に見に行くと、ただの冷凍ラーメン。
親父「冷凍じゃないか」
競合店「時間が止まってるから冷凍なんです」
ジュニア「詐欺ですね」
でも、客は騙されている。
競合店の客「時間が止まったラーメン、不思議」
親父「インチキだと気づかないのか」
本物の価値
偽物との競争で、田中ラーメンが本物の価値を再確認。
親父「本当の科学技術とインチキの違いを見せてやろう」
ジュニア「学会の権威を呼びましょう」
アインシュタイン研究会の権威ある教授が来店。
教授「確かに本物の時間膨張ですね」
教授「これは物理学的に正しい応用です」
学会のお墨付きで、田中ラーメンが本物認定。
競合店は偽物として告発される。
新メニュー開発
時間技術を活かした新メニューを開発。
ジュニア「時差ラーメンはいかがですか?」
親父「時差?」
ジュニア「麺とスープの時間をずらして調理します」
麺は未来、スープは過去の時間で調理。
親父「時空を超えたラーメンか」
客「不思議な味ですね」
客「懐かしいような新しいような」
ジュニア「過去と未来の融合です」
オチ
1年後、田中時間ラーメンは物理学界でも有名に。
でも、意外な問題が発生。
税務署員「時間膨張した分の時間も営業時間ですか?」
親父「え?」
税務署員「装置内の時間も労働時間にカウントされます」
ジュニア「時間税ですか?」
税務署員「時間も資源ですから」
結局、時間使用税を払うことに。
親父「時間にも税金がかかるのか」
でも、最後に常連のおじいさんが一言。
おじいさん「結局、美味しけりゃ何でもいいんじゃ」
親父「そうですね」
おじいさん「時間がどうなろうと、腹は膨れる」
ジュニア「物理学より大切なことですね」
おじいさん「お腹の時間は誰にも操れんからな」
親父「空腹の相対性理論か」
おじいさん「腹が減れば時間が長く感じ、満腹になれば時間が短く感じる」
ジュニア「生物学的時間感覚ですね」
親父「一番身近な相対性理論だ」
でも、新しいお客さんがタイムトラベラーを名乗って、
タイムトラベラー「未来から来ました。このラーメン、2050年でも有名ですよ」
親父「未来でも?」
タイムトラベラー「『伝説の時間ラーメン』として語り継がれてます」
ジュニア「未来の証言ですね」
親父「でも、未来人の証明はあるの?」
タイムトラベラー「これです」
出したのは2050年の硬貨。
親父「…これ、外国のコインじゃないか?」
タイムトラベラー「バレた」
ジュニア「時間詐欺師まで来るようになったか」
親父「人気店の宿命だな」
まとめ
というわけで、どんなに高度な科学技術を使っても、美味しさが一番という話でした。
相対性理論でラーメンを作るなんて贅沢ですが、結局は愛情が込められているかどうかが大切ということですね。
ただし、時間使用税は、現実になったら大変そうですが。


