【AI落語】拡張現実お祭り(新作落語)
最近はAR技術(拡張現実)が発達して、現実の世界にデジタル情報を重ね合わせることができるようになりました。
これを日本の伝統的なお祭りに応用したらどうなるか…きっと面白いことになりそうですな。
まくら
昔のお祭りは、提灯と太鼓と屋台があれば十分でしたが、今度はスマホをかざすとデジタル花火が見えるっていうんですから、時代も変わったもんです。
本編
東京下町の「神田祭り」実行委員会。
委員長の田中(55歳)が、IT関係の息子・ユウキ(30歳)に相談を持ちかけられました。
ユウキ「父さん、今年の祭りにAR技術を導入しませんか?」
田中「AR?何だそりゃ」
ユウキ「拡張現実です。スマホをかざすと、デジタル演出が見えるんです」
田中「祭りは昔ながらがいいんだ」
ユウキ「でも若い人が来なくなってるでしょ」
田中「…それは確かに」
AR祭り企画
結局、「AR神田祭り」の企画がスタート。
ユウキ「神輿にARマーカーをつけて、スマホで見ると龍が見えるようにします」
田中「龍?」
ユウキ「CGの龍が神輿の周りを飛び回るんです」
田中「神輿に龍?…まあ、神様の使いだからいいか」
ユウキ「屋台にも仕掛けをします」
田中「屋台にも?」
ユウキ「たこ焼きを買うと、ARで巨大なタコが出現します」
田中「食べ物で遊ぶのはどうかと思うが…」
準備期間の混乱
祭りの準備期間中、AR設備の設置で大混乱。
職人「このQRコード、どこに貼るんだ?」
ユウキ「神輿の角の部分です」
職人「角?神聖な場所にこんなシール?」
田中「神様も時代に合わせてくれるだろ」
職人「神様がITオンチだったらどうする?」
ユウキ「大丈夫、クラウド対応です」
職人「クラウド?雲の上?」
ユウキ「…説明が長くなります」
祭り当日
いよいよAR神田祭り開催。
来場者にはARアプリをダウンロードしてもらいます。
アナウンス「AR神田祭りアプリをダウンロードしてください」
子供「お母さん、ポケモンGOみたい」
母親「そうね、スマホをかざしてみましょう」
スマホをかざすと、デジタル花火が打ち上がる。
子供「わあ!昼間なのに花火!」
母親「綺麗ね」
神輿でトラブル
神輿が練り歩くと、ARで巨大な龍が出現。
担ぎ手「おお、龍が飛んでる!」
でも、スマホに夢中になって神輿を落としそうに。
田中「おい!スマホ見ながら神輿担ぐな!」
担ぎ手「でも龍が…」
田中「龍より神輿を大事にしろ!」
ふらふら
観客「神輿が危険!」
結局、「スマホ担ぎ禁止」の緊急ルールが追加。
屋台も大混乱
AR対応屋台も大混乱。
たこ焼き屋「はい、たこ焼き。スマホをかざしてください」
客「わあ!巨大なタコが踊ってる」
でも、ARに夢中になってたこ焼きを落とす客続出。
たこ焼き屋「食べ物を大事にしてくれ」
綿あめ屋でもARキャラクターが登場するが、
子供「うさぎさんが綿あめ食べてる」
でも、ARうさぎが綿あめを食べ尽くす演出で、
子供「僕の綿あめがない!」
大泣き
綿あめ屋「ARは責任取らないぞ」
おじいちゃんたちの反応
祭り好きのおじいちゃんたちは困惑気味。
おじいちゃんA「最近の若い者は空中を見ながら歩いてる」
おじいちゃんB「お化けでも見えるのか?」
おじいちゃんC「わしもやってみるか」
スマホを借りてARを体験。
おじいちゃんA「おお!龍が本当に見える」
おじいちゃんB「昔の祭りにはこんなのいたのかもしれんな」
おじいちゃんC「想像力が現実になった感じじゃ」
意外にもおじいちゃんたちがAR祭りを楽しんでいる。
システムダウン
祭りが盛り上がってきた頃、システムトラブル発生。
ユウキ「サーバーダウンしました」
田中「なんだって?」
ユウキ「アクセス過多でARが見えなくなります」
観客「あれ?龍が消えた」
子供「花火も出ない」
観客「つまらない」
ブーイング
田中「どうする?」
ユウキ「復旧には1時間かかります」
アナログの復活
システムダウン中、昔ながらの祭りが復活。
田中「よし、生身の芸を見せてやろう」
手品師、紙芝居、伝統芸能が緊急登場。
手品師「本物の手品をお見せします」
子供「わあ!ARじゃないのに不思議」
紙芝居「昔々、あるところに…」
観客「アナログも面白い」
太鼓の演奏、獅子舞も登場。
観客「生の迫力はすごいね」
子供「スマホなしでも楽しい」
ARとアナログの融合
1時間後、システムが復旧。
ユウキ「AR復活しました」
でも、観客はアナログとデジタルの両方を楽しんでいる。
観客「手品とARの組み合わせが面白い」
手品師「デジタルマジックというやつか」
AR龍と生太鼓のコラボレーション。
観客「新しいジャンルだね」
田中「伝統と革新の融合か」
意外な発見
祭りの終わりに、意外な発見が。
おじいちゃんA「ARを見てたら、昔の祭りを思い出した」
おじいちゃんB「そうじゃ、昔も想像力で色んなものを見てたな」
おじいちゃんC「提灯の光の中に龍を見たり」
田中「昔の人もARみたいなことをしてたのか」
ユウキ「想像力のARですね」
子供「おじいちゃんたちってすごいんだね」
おじいちゃんA「想像力は最高のテクノロジーじゃからな」
翌年の企画
翌年の祭り企画会議。
田中「来年はどうするか」
ユウキ「ARは続けますが、アナログも重視しましょう」
田中「両方のバランスが大事だな」
実行委員「想像力ARってのはどうですか?」
ユウキ「想像力AR?」
実行委員「技術を使わず想像で楽しむコーナー」
田中「それって普通の祭りじゃないか?」
実行委員「でも『AR』って名前がつくと新しく感じるでしょ」
ユウキ「マーケティングですね」
田中「ネーミングは大事だからな」
オチ
1年後の「AI神田祭り」(AIは想像力の意味)。
アナウンス「想像力拡張現実をお楽しみください」
観客「想像力拡張現実?」
田中「スマホなしで、想像力だけで楽しむ祭りです」
観客「それって昔の祭りそのもの?」
ユウキ「でも『AI』がつくので最新技術です」
子供「AIって人工知能じゃないの?」
ユウキ「Artistic Imaginationの略です」
田中「後付けだな」
でも、「想像力AR祭り」は大成功。
観客「何も見えないのに楽しい」
子供「想像の龍が見える」
おじいちゃんA「これが本来の祭りじゃ」
でも最後に、本物のARも少しだけ復活。
ユウキ「仕上げにデジタル花火を」
ドーン!パチパチ
観客「想像と現実のミックス、最高!」
田中「結局何でもありになった」
ユウキ「多様性の時代ですから」
でも、一番人気だったのは焼きそば屋台。
焼きそば屋「ARもAIも関係ない。腹が減ったら焼きそばだ」
観客「「それな!」」
田中「一番リアルな答えだな」
ユウキ「食欲に勝る技術なしですね」
焼きそば屋「祭りの基本は変わらんよ」
まとめ
というわけで、どんなに技術が進歩しても、人間の基本的な楽しみは変わらないという話でした。
ARも面白いですが、想像力と美味しい食べ物があれば、十分楽しい祭りになるということですね。
ただし、想像力をAIと略すのは、ちょっと苦しいかもしれませんが。


