【AI落語】ブロックチェーン結婚式(新作落語)
最近はブロックチェーンだの仮想通貨だので、何でもデジタル化する時代になりました。
データを永続的に保存できるっていうんですから、それなら結婚の誓いもブロックチェーンに記録したら、永遠の愛になるんじゃないかと思った人がいまして…
まくら
昔は結婚式といえば、神前で三々九度、教会で愛の誓いってのが定番でしたが、今度はコンピューターの中で誓うっていうんですから、時代も変わったもんです。
本編
IT企業で働く田中と佐藤のエンジニアカップル。
二人とも仮想通貨マニアで、結婚式も一味違うものにしたいと考えました。
田中「普通の結婚式じゃつまらないよね」
佐藤「そうね。私たちIT業界だし、何か新しいことしたい」
田中「そうだ!ブロックチェーンで結婚証明書を作ろう」
佐藤「ブロックチェーン結婚?面白そう!」
企画立案
二人でブロックチェーン結婚式を企画。
田中「愛の誓いをスマートコントラクトにしよう」
佐藤「条件設定は?」
田中「『浮気をしない』、『家事を分担する』、『記念日を忘れない』」
佐藤「違反したらどうなるの?」
田中「ペナルティとして、相手に仮想通貨を支払う」
佐藤「デジタル慰謝料ね」
田中「そして誓いは永続的に記録される」
佐藤「ロマンチック…なのかな?」
ゲストの困惑
結婚式当日、親族や友人たちに説明。
田中父「ブロックチェーンって何だ?」
田中「えーと、分散型台帳技術で…」
田中父「日本語で話せ」
佐藤「要するに、消せない記録を作るんです」
佐藤母「消せない?離婚したらどうするの?」
田中「それは…まあ、その時考えます」
友人A「普通の婚姻届じゃダメなの?」
佐藤「普通は面白くないでしょ」
友人B「でも法的効力はあるの?」
田中「…ない」
全員「「「ないのかよ!」」」
儀式開始
司会者(プログラマー)「それでは、ブロックチェーン結婚式を始めます」
パソコンを4台並べた特設ステージ。
司会者「まず、新郎が秘密鍵を生成してください」
田中「『TANAKA_LOVE_2024』」
司会者「新婦も秘密鍵を」
佐藤「『SATO_FOREVER_2024』」
司会者「では、お二人の愛の誓いをハッシュ化します」
ピピピピ
司会者「誓いのマイニングを開始します」
ゲスト「(何やってるかわからない)」
技術的トラブル
ところが、マイニング中にシステムエラー。
『ERROR: 愛情値が計算範囲を超過しました』
田中「愛情値?」
司会者「あー、お二人の愛が強すぎて、システムがオーバーフローしました」
佐藤「愛が強すぎるっていいことよね?」
田中「でも結婚式が進まない」
司会者「愛情値を調整して再実行します」
田中父「愛情を調整って何だよ」
田中母「機械で愛を測るなんて…」
再挑戦
システムを修正して再挑戦。
司会者「今度は愛情上限値を設定しました」
佐藤「愛に上限って寂しくない?」
田中「プログラムの限界だから仕方ない」
ピピピピ
司会者「マイニング完了!お二人の愛がブロックチェーンに記録されました」
『ブロック#001: 田中♡佐藤 永遠の愛 タイムスタンプ:2024年1月22日14時30分』
ゲスト「パチパチパチ」
指輪交換もデジタル
司会者「続いてNFT指輪の交換です」
田中「実物の指輪じゃないの?」
司会者「物理的な指輪は古いです。デジタル指輪をウォレットに送信します」
佐藤のスマホに『💍デジタル指輪を受信しました』
佐藤「見た目は普通の絵文字ね」
田中「でも唯一無二のNFTだから価値がある」
佐藤母「絵文字に価値って…」
田中父「最近の若い者は…」
予想外の展開
結婚式後、ブロックチェーンに記録された愛の誓いが話題に。
ニュースキャスター「世界初のブロックチェーン結婚として注目を集めています」
田中「有名になっちゃった」
佐藤「でも嬉しいかも」
ところが、世界中のハッカーが愛の誓いを解析し始めた。
ハッカーA「この愛のアルゴリズム、興味深い」
ハッカーB「愛情値の計算式を逆算してみよう」
結果、『愛の方程式』が導き出されて、学術論文に。
1年後
結婚から1年、二人はブロックチェーン愛の専門家として有名に。
記者「結婚生活はいかがですか?」
田中「ブロックチェーンに記録されてるから、約束を破れないんです」
佐藤「記念日を忘れそうになると、スマートコントラクトがアラームを出します」
記者「効果的ですね」
田中「でも時々、愛情をアップデートしたくなります」
佐藤「バージョン2.0にしたいかも」
記者「愛にもバージョンが?」
田中「結婚2年目は新機能追加予定です」
最後のオチ
そんな二人のもとに、離婚専門弁護士から相談が。
弁護士「ブロックチェーン結婚の離婚方法がわからないんです」
田中「確かに、記録を削除できないですね」
佐藤「永続的記録が売りでしたから」
弁護士「じゃあ、離婚できない?」
田中「理論的には…そうですね」
佐藤「究極の離婚防止策だったのね」
弁護士「これは画期的かもしれません」
田中「でも私たちは離婚する気ないですよ」
佐藤「愛のスマートコントラクト、順調に実行中です」
弁護士「そうですか…じゃあこのサービス、結婚維持産業として売り出しましょう」
田中夫妻「産業って…」
でも気がつくと、二人の愛の記録が世界中のカップルの参考になっていた。
世界のカップル「私たちもブロックチェーン結婚したい」
田中「愛の伝道師になっちゃったね」
佐藤「デジタル愛の先駆者よ」
まとめ
というわけで、愛の形も時代と共に変わるけれど、大切なのは相手を思う気持ちという話でした。
ブロックチェーンに記録しなくても、心に刻まれた愛があれば十分なのかもしれません。
ただし、記念日を忘れないアラーム機能は、現実でも欲しいかもしれませんね。


