温泉男と女
混浴温泉というのは、現代ではほとんど見かけなくなりましたが、昔は結構あったものです。
そんな特殊な環境で、見ず知らずの男女が出会ったらどうなるでしょうか。
今回は、そんなシチュエーションを舞台にした、ちょっと大胆な新作落語を作ってみました。
裸と裸の付き合い、果たしてどんな会話が繰り広げられるのやら。
まくら
温泉に入ると、不思議と人は開放的になるものです。
特に混浴ともなれば、もう羞恥心も何もあったものじゃありません。
そんな環境だからこそ生まれる、特別な会話があるのかもしれませんね。
あらすじ
信州の山奥にある秘湯の混浴露天風呂。
そこに一人の男性、太助が入っていたところ、女性の花江がやってきた。
最初は気まずい雰囲気だったが、やがて二人は思わぬ会話を始めることになる。
【気まずい出会い】
太助「あ…すみません」
花江「いえいえ、こちらこそ」
太助「混浴だとは聞いてたけど、まさか本当に…」
花江「私も慣れてないので、ちょっと…」
太助「あの、俺、先に上がりましょうか?」
花江「そんな、せっかく入ってらしたのに」
太助「いや、でも…」
花江「気にしないで。どうせ見えないでしょ」
【意外な展開】
太助「見えないって…そんなことないですよ」
花江「あら、見てるの?」
太助「い、いや!見てません!」
花江「嘘ね。男性はみんな見るものよ」
太助「そんな…」
花江「別にいいのよ。どうせもう若くないし」
太助「そんなことないです。とても美しい方だと思います」
花江「お世辞はいりません」
【本音の会話開始】
花江「ねえ、正直に聞くけど、どう?」
太助「どうって…何がですか?」
花江「私の体よ。採点するとしたら何点?」
太助「そんなこと聞かれても…」
花江「遠慮しないで。正直でいいから」
太助「うーん…そうですね…」
花江「ほら、やっぱり低い点でしょ?」
太助「いや、85 点です!」
【さらなる本音】
花江「85 点?意外と高いのね」
太助「本当ですよ。特に肌がとても綺麗で」
花江「ありがとう。じゃあ、あなたは何点?」
太助「俺ですか?」
花江「そう。今度は私が採点してあげる」
太助「やめてください、恥ずかしい」
花江「60 点」
太助「低っ!」
【辛辣な評価】
花江「お腹が出すぎね」
太助「分かってます…」
花江「筋肉も全然ないし」
太助「運動不足で…」
花江「でも、優しそうな顔してるから加点してあげる」
太助「ありがとうございます」
花江「65 点に上がったわ」
太助「たった 5 点しか上がってない…」
【人生相談に発展】
花江「でも、体型なんて努力次第でどうにでもなるわよ」
太助「そうでしょうか?」
花江「当然よ。私だって昔はもっと太ってたの」
太助「信じられません」
花江「本当よ。離婚してから一念発起してダイエットしたの」
太助「離婚…」
花江「あなたは結婚してるの?」
太助「いえ、独身です」
【深刻な相談】
花江「何で結婚しないの?」
太助「相手がいないんです」
花江「嘘でしょ。優しそうなのに」
太助「優しいだけじゃダメなんですよ」
花江「何がダメなの?」
太助「その…夜の方が自信なくて…」
花江「ああ、そういうこと」
【女性からのアドバイス】
花江「それって経験不足なだけじゃない?」
太助「そうかもしれませんが…」
花江「だったら練習すればいいのよ」
太助「練習って…どうやって?」
花江「まず、女性の体をよく知ることから始めなさい」
太助「知るって…」
花江「今がチャンスじゃない」
太助「え?」
【まさかの提案】
花江「せっかく裸で向き合ってるんだから」
太助「そ、そんな…」
花江「勉強だと思えばいいのよ」
太助「勉強って…」
花江「私も最近寂しかったの」
太助「寂しいって…」
花江「だから、お互いさまよ」
太助「で、でも…ここは温泉ですよ」
花江「だからこそよ。後腐れなくて済むじゃない」
太助「それって、要するに温泉不倫ってことですか!」
まとめ
混浴温泉という非日常的な空間で繰り広げられた、男女の赤裸々な会話劇でした。
最初は気まずかった二人でしたが、裸の付き合いだけに、だんだんと本音で語り合うようになりましたね。
花江さんの積極的すぎる提案に、太助さんも戸惑いっぱなし。
まさに「温泉不倫」という言葉で落としましたが、現実にこんなことがあったら大変ですね。
温泉の開放感が生み出した、ちょっと危険な恋の始まりを描いた作品になりました。
自己採点は 82 点。シチュエーションの面白さを活かせたかなと思います。


