モテる男悩み
モテすぎるのも、実は大変な悩みですからね。
今回は女性にモテすぎて困っている男性の、贅沢だけど切実な話でございます。
まくら
皆さん、モテる男性を見て羨ましく思ったことはありますか?
でも実際にモテすぎる男性は、それはそれで大変な悩みを抱えているものです。
特に複数の女性から同時にアプローチされると、もう大変なことになりまして。
今日はそんなモテ男の話でございます。
あらすじ
広告代理店で働く山田拓也 29 歳は、昔から女性にモテる男でした。
しかし最近、同時に 3 人の女性からアプローチされて困っています。
友人「拓也、羨ましい悩みだな」
拓也「羨ましくないよ」
友人「なんで?」
拓也「みんなが同じ職場の人なんだ」
友人「同じ職場?」
拓也「営業部の田中さん、経理の佐藤さん、総務の鈴木さん」
友人「3 人とも?」
拓也「どう断ったらいいかわからない」
友人「全員と付き合えばいいじゃないか」
拓也「そんなことできるか!」
田中さんのアプローチ
営業部の田中美咲 28 歳は、積極的にアプローチしてきます。
美咲「拓也君、今度の週末空いてる?」
拓也「週末ですか?」
美咲「二人でドライブでもどう?」
拓也「ドライブ?」
美咲「海でも見に行かない?」
拓也「(海って、ロマンチックだな…)でも、僕は」
美咲「遠慮しないで」
拓也「いえ、でも」
美咲「私、拓也君ともっと仲良くなりたいの」
拓也「仲良く?(どういう意味?)」
美咲「今度、私のマンションにも遊びに来て」
拓也「マンション?(それは危険だ)」
佐藤さんのアプローチ
経理の佐藤香織 26 歳は、控えめだけど熱心です。
香織「拓也さん、手作り弁当作ったんです」
拓也「手作り弁当?」
香織「良かったら一緒に食べませんか?」
拓也「ありがとうございます」
香織「拓也さんの好みを聞いて作ったんです」
拓也「僕の好み?(いつの間に調べたんだ?)」
香織「唐揚げとか、ハンバーグとか」
拓也「(確かに好きだ)ありがとうございます」
香織「今度、お料理教えてあげますね」
拓也「料理教室?」
香織「私の家で」
拓也「(また家に誘われた…)」
鈴木さんのアプローチ
総務の鈴木麻衣 24 歳は、若さを武器にしてきます。
麻衣「拓也先輩、今度合コンがあるんです」
拓也「合コン?」
麻衣「でも、私、先輩以外興味ないんです」
拓也「僕以外?」
麻衣「二人で行きませんか?」
拓也「二人で合コン?」
麻衣「他の人は無視して、二人だけで楽しみましょう」
拓也「(それは他の参加者に失礼だ)でも、それは」
麻衣「だめですか?」
拓也「いえ、だめじゃないですが」
麻衣「じゃあ決まり!」
拓也「(決まりって…)」
修羅場の予感
3 人からのアプローチが激化する中、拓也は混乱していました。
拓也「(どうしよう…3 人とも良い人だし…)」
そんな時、偶然 3 人が鉢合わせすることになりました。
拓也がエレベーターで上がっていると、3 階で美咲が、5 階で香織が、7 階で麻衣が乗ってきたのです。
美咲「拓也君」
香織「拓也さん」
麻衣「拓也先輩」
拓也「あ、皆さん…(最悪の状況だ)」
3 人「?」
エレベーター内の緊張
美咲「拓也君、今度の件、考えてくれた?」
香織「どんな件ですか?」
拓也「それは…」
麻衣「先輩、合コンの件はどうします?」
美咲「合コン?」
香織「え?」
拓也「(これはまずい…)」
美咲「拓也君、他の人とも約束してるの?」
香織「私とも料理教室の約束が…」
麻衣「料理教室?」
拓也「皆さん、誤解です」
3 人「誤解?」
修羅場勃発
エレベーターが 10 階で止まり、3 人と拓也は廊下で話すことに。
美咲「拓也君、説明してもらいましょう」
香織「はい、私も聞きたいです」
麻衣「先輩、どういうことですか?」
拓也「実は…」
美咲「私は先に声をかけた」
香織「でも、私の方が親身に尽くしてます」
麻衣「私が一番若いです」
拓也「年齢は関係ないでしょう」
美咲「じゃあ、誰を選ぶの?」
香織「選んでください」
麻衣「私を選んでください」
拓也「選ぶって…(これは無理ゲーだ)」
予想外の展開
3 人の追求が激しくなった時…
香織「もしかして、拓也さんって優柔不断?」
麻衣「誰も選べないんですか?」
美咲「それとも、みんなと遊ぶつもり?」
拓也「そんなつもりはありません」
香織「じゃあ、なぜはっきりしないんですか?」
拓也「それは…」
麻衣「もしかして」
美咲「もしかして何?」
麻衣「先輩、彼女がいるんじゃないですか?」
拓也「彼女?」
香織「そうかもしれません」
美咲「だから、誰も選べないのね」
大オチ
3 人に詰め寄られた拓也…
拓也「実は…」
3 人「実は?」
拓也「僕、恋愛経験がないんです」
3 人「え?」
拓也「29 歳で、彼女いたことないんです」
美咲「嘘?」
拓也「本当です」
香織「でも、モテるじゃないですか」
拓也「モテても、どう接していいかわからなくて」
麻衣「だから優柔不断だったんですか?」
拓也「誰かを選んで、他の人を傷つけるのが怖くて」
美咲「そうだったの…」
香織「優しすぎるのね」
麻衣「でも、それなら」
拓也「それなら?」
3 人「みんなで教えてあげる」
拓也「え?」
美咲「恋愛の仕方を」
香織「3 人で指導します」
麻衣「恋愛レッスンです」
拓也「恋愛レッスン?」
美咲「私は積極性を教える」
香織「私は気遣いを教える」
麻衣「私は若い感性を教える」
拓也「それって…」
3 人「恋愛の総合プロデュース!」
拓也「僕、逆にもっと大変になりそう…」
翌週、恋愛レッスン第 1 回が開催されました。
3 人「じゃあ、まずは女性との会話の練習から」
拓也「はい…」
美咲「私が初対面の女性役をするから」
香織「採点します」
麻衣「ダメ出しもします」
美咲「こんにちは、初めまして」
拓也「あ、ど、どうも…」
3 人「0 点!」
拓也「いきなり?」
香織「声が小さい」
麻衣「目を見てない」
美咲「もう一回!」
拓也「(これ、彼女できる前に心が折れそう…)こんにちは!初めまして!」
3 人「声でかすぎ!」
拓也「もう嫌だ…」
まとめ
ということで、拓也さんのモテ男の悩みは、3 人の女性による恋愛指導という新たな展開になりました。
優柔不断だと思われていた拓也さんでしたが、実は優しすぎることが原因だったようです。
恋愛経験のない男性が、3 人の女性に恋愛を教わるという、ある意味贅沢な状況になりました。
ちなみに 3 ヶ月後、拓也は恋愛マスターになって新入社員の山本さんと付き合い始めたが、3 人の指導官は「私たちが育てたのに!」と今度は嫉妬で修羅場になったそうです。


