関西色事失敗
関西弁って、微妙なニュアンスの違いで大変なことになりますからね。
今回は大阪の商人が京都で起こした、言葉の勘違いによる大失敗でございます。
まくら
皆さん、関西弁の方言の違いってご存知ですか?
大阪弁と京都弁は似てるようで、微妙に違うんです。
特に色事に関する言葉は、ちょっとした勘違いで大変なことになります。
今日はそんな勘違いの話でございます。
あらすじ
大阪道頓堀の薬屋、喜助はんの話でございます。
45歳の独身で、商売ばかりで女性との付き合いがありません。
友人に勧められて、色事を覚えるために京都へ行くことにしました。
友人「喜助、たまには色事も覚えなあかんで」
喜助「でも、わしは女性との話し方もわからんねん」
友人「京都の芸妓はんは優しいから、いろいろ教えてくれるで」
喜助「ほんまか?」
友人「『お座敷遊び』を覚えなさい」
京都到着
意気込んで京都にやってきた喜助はん。
喜助「(さあ、色事を覚えるで!)」
お茶屋の女将「いらっしゃいませ」
喜助「あの…お座敷遊びを教えてもらいたいんですが…」
女将「初めての方どすか?」
喜助「はい、全然わからんのです」
女将「それでは花鶴はんをお呼びしましょう」
芸妓との出会い
美しい芸妓の花鶴はんが現れました。
花鶴「はじめまして、花鶴どす」
喜助「喜助と申します。よろしゅうお頼み申します」
花鶴「大阪の方どすなあ」
喜助「はい、色事を教えてもらいに来ました」
花鶴「(色事?お座敷遊びのことどすね)」
勘違いの始まり
花鶴「それでは、お座敷の遊び方をお教えしましょう」
喜助「座敷での遊び方ですね!」
花鶴「まずはお箸の持ち方から」
喜助「え?箸?」
花鶴「お座敷ではお箸でつまんで食べるのが基本どす」
喜助「(色事で箸を使うのか?何をつまむんやろ…)」
花鶴はんは普通にお座敷でのマナーを教えているのに、喜助はんは全然違うことを想像しています。
花鶴「次はお酒の注ぎ方どす」
喜助「酒の注ぎ方?(色事に酒が絡むんか…)」
花鶴「相手の方をよく見て、優しく注いであげるんどす」
喜助「(相手をよく見て…なるほど!)」
エスカレートする勘違い
花鶴「それから三味線に合わせて体を動かすんどす」
喜助「体を動かす!(ついにそういう話になった!)」
花鶴「リズムに合わせて、ゆっくりと…」
喜助「ゆっくりと!(心の準備をせなあかん!)」
花鶴「手をこんな風に上げて…」
喜助「手を上げて!(どんなポーズや!)」
実演開始
花鶴はんが三味線に合わせて踊り始めます。
花鶴「こうして手を回して…」
喜助「(手を回して…)わしもやってみます!」
花鶴「ゆっくりと腰を落として…」
喜助「腰を落として!(いよいよや!)こうですか?」
花鶴「もう少し優雅に…」
喜助「優雅に!(色気を出せということか!)どうや!」
喜助はん、変なポーズで踊り始めます。
花鶴「(何やあの踊り方…変どすなあ)」
大誤解発覚
踊りが終わって、花鶴はんが説明します。
花鶴「これがお座敷での基本的な遊びどす」
喜助「これが色事でっか?」
花鶴「色事?何のことどす?」
喜助「男女の色事を教えてもらいに来たんです」
花鶴「色事やて!?」
喜助「はい、そういうことを覚えたくて…」
花鶴「あんた、何を勘違いしてはるんどす!」
真相大暴露
花鶴「お座敷遊びいうのは宴会の芸事どす!」
喜助「芸事?」
花鶴「踊りや歌や、お客はんと一緒に楽しむもんどす!」
喜助「あ、そ、そうでしたか…」
花鶴「色事やなんて、うちは芸妓どす!」
喜助「も、申し訳ございません…」
花鶴「全然違うやないか!」
大オチ
恥ずかしくなった喜助はん。
喜助「勘違いして、すんませんでした…」
花鶴「もう!びっくりしたわ」
喜助「帰ります…」
花鶴「ちょっと待ちなはれ」
喜助「はい?」
花鶴「せっかく来はったんやから、ちゃんとお座敷遊びを覚えて帰りなはれ」
喜助「でも…恥ずかしいし…」
花鶴「恥ずかしがる必要あらへん。みんな最初は知らんのやから」
優しい花鶴はんに教わって、喜助はんは本当のお座敷遊びを覚えました。
花鶴「今度来はった時は、ちゃんとした遊び方でっせ」
喜助「ありがとうございました」
花鶴「でも、あんたの踊り、なかなか面白かったで」
喜助「それだけは勘弁してください」
まとめ
ということで、大阪の喜助はんは大きな勘違いをしましたが、優しい芸妓はんのおかげで本当のお座敷遊びを覚えることができました。
関西弁の微妙なニュアンスの違いが生んだ笑い話でしたが、最後は人情味あふれる結末になりましたね。
喜助はん、今度京都に行く時は、きっと立派にお座敷遊びができることでしょう。


