郵便局窓口の達人たち
郵便局の窓口って、いつ行っても混んでいるし、サービスが複雑で分かりにくいですよね。今回はそんな郵便局の窓口を舞台に、現代のお役所仕事を大正ロマン風の言葉遣いで描いてみました。職員さんも大変でしょうが、利用者も結構苦労してるんです。
現代の飛脚問屋
郵便局と申しますのは、現代の飛脚問屋でございますな。
昔なら飛脚が走って届けてくれたものを、今は全国ネットワークで配達してくれる。
ただし、手続きが複雑になったのが玉に瑕でございます。
混雑する午後の窓口
「桜町郵便局」、午後 3 時頃。
窓口には長い行列ができている。
70 代の田中おじいさんが、大きな荷物を抱えて順番を待っている。
田中さん「(独り言)年金の受け取りだけのつもりだったのに…」
隣には、何枚もの紙を持った主婦の佐藤さん。
佐藤さん「(独り言)保険の手続き、これで合ってるかしら」
複雑な手続きの説明
やっと田中さんの番。
職員「いらっしゃいませ。どのような御用でしょうか?」
田中さん「この荷物を北海道に送りたいのですが」
職員「かしこまりました。ゆうパック、レターパック、クリックポスト、どちらをご希望で?」
田中さん「え?」
職員「サイズと重量を測らせていただきますね」
ガチャガチャと機械の音。
職員「縦 30cm、横 25cm、高さ 15cm、重量 800 グラムでございます」
田中さん「それで、いくらになりますか?」
職員「配達方法によって料金が変わります」
選択肢の洪水
職員「通常のゆうパックでしたら 1200 円」
田中さん「はい」
職員「速達ですと 1520 円」
田中さん「うーん」
職員「代金引換をご利用でしたら、手数料が別途かかります」
田中さん「代金引換?それは何ですか?」
職員「お届け先で代金を回収するサービスです」
田中さん「いえいえ、ただの贈り物ですから」
職員「でしたら着払いという手もございます」
田中さん「もう頭が混乱してきました」
保険の概念
職員「それから、損害保険はいかがいたしましょう?」
田中さん「保険?」
職員「万が一、破損や紛失した場合の補償でございます」
田中さん「中身は手作りのお漬物なんですが」
職員「お漬物でしたら、冷蔵便をお勧めいたします」
田中さん「冷蔵便?」
職員「チルドゆうパックで、別途 360 円でございます」
田中さん「お漬物に保険って…」
主婦の苦闘
隣の窓口では、佐藤さんが保険の手続きで悪戦苦闘。
佐藤さん「この書類、どこに印鑑を押すんでしょう?」
職員 B「こちらとこちら、それからこちらにも」
佐藤さん「え、3 箇所も?」
職員 B「契約者欄、被保険者欄、受取人欄でございます」
佐藤さん「受取人は夫なんですが、夫の印鑑も必要ですか?」
職員 B「ご本人の同意書が必要です」
佐藤さん「同意書?持ってきてません」
職員 B「それでしたら、後日お持ちいただくか…」
エスカレートする混乱
田中さんの方では。
職員「配達日指定はいかがですか?」
田中さん「指定?」
職員「平日、土曜、日曜、時間帯も指定できます」
田中さん「普通に届けてもらえばいいんですが」
職員「でしたら通常配達で。お届け予定は明後日の午前中です」
田中さん「やっと決まった」
職員「あ、でも」
田中さん「まだ何かあるんですか?」
職員「お漬物でしたら、食品表示が必要かもしれません」
田中さん「食品表示?」
規則との格闘
職員「個人間の贈り物でしたら大丈夫ですが、念のため確認いたします」
電話で本部に確認。
職員「(電話で)はい、手作りの…はい…個人的な…はい、分かりました」
田中さん「(ため息)」
職員「大丈夫でした。個人の手作り品は問題ございません」
田中さん「良かった…」
職員「では、伝票をご記入ください」
差し出された伝票はびっしりと項目が書いてある。
田中さん「これ全部書くんですか?」
ついに完了
30 分後、やっと手続き完了。
田中さん「(疲労困憊)やっと終わった…」
レシートを見ると、1200 円 + 冷蔵便 360 円 + 配達指定料 100 円。
田中さん「結局 1660 円か…」
職員「ありがとうございました」
佐藤さんの結末
佐藤さんの方は、まだ続いている。
職員 B「こちらの書類は来月の提出になります」
佐藤さん「来月?」
職員 B「年度末の処理の関係で」
佐藤さん「今日来たのは何だったんでしょう…」
職員 B「事前の手続き確認ということで」
佐藤さん「確認だけで 1 時間…」
意外な真実
田中さんが帰りがけに、隣の佐藤さんに声をかける。
田中さん「お疲れさまでした」
佐藤さん「お疲れさまでした。郵便局って大変ですね」
田中さん「実は、宅急便の方が簡単だったかもしれません」
佐藤さん「え?」
田中さん「でも、郵便局の方が安いかと思って」
佐藤さん「私も保険、ネットで入った方が早かったかも」
田中さん「お互い、昔ながらの方法にこだわりすぎましたね」
佐藤さん「でも、職員さんは親切でした」
田中さん「ええ、マニュアル通りに丁寧に」
まとめ
現代の郵便局は、昔に比べてサービスが多様化した分、手続きも複雑になりましたね。職員さんも規則に従って丁寧に対応してくれるんですが、利用者には分かりにくい。でも、そこは人情で乗り切るしかないのかも。田中さんも佐藤さんも、最終的には満足してたみたいですし。今回は 77 点。もう少し職員さんの人情味を出したかったんですが。


